行政 : 川崎市、福祉機器NPOを誘致
1月28日、川崎市(阿部孝夫市長)は、川崎市臨海部南渡田の「都市再生緊急整備地域指定地区」に、NPO法人日本アビリティーズ協会(伊東弘泰会長)と同協会の「実証企業」である株式会社日本アビリティーズ社(伊東弘泰社長)を誘致すると発表した。5月操業をめどに福祉機器や福祉用具の賃貸・修理センター、展示施設が設けられる。
この誘致は、同市が平成16年度以降の中核事業に位置づけている福祉関連産業の基盤形成戦略の一環。
NPO法人日本アビリティーズ協会は、障害ある人の自立と社会参加を進める啓蒙活動団体として、1966年4月に障害者約200名で設立。「人間に無能力者はいない」「保障よりも働くチャンスを」などのスローガンを旗印に活動している。
2001年にNPO法人化。
(株)日本アビリティーズ社は同協会の理念を実現・証明するための企業(「実証企業」と呼ばれている)として設立され、福祉用具の開発と販売、輸出入など、障害のある人の自立と社会参加の推進のための事業を展開している。
日本アビリティーズ協会と日本アビリティーズ社は、今年5月をめどに、同市臨海部南渡田の「都市再生緊急整備地域指定地区」にある「テクノハブイノーベーション川崎=THINK」に福祉機器や福祉用具の賃貸・修理センターと展示施設を開設する。
また、高齢者や障害者、難病の人たちの在宅ケアや福祉サービスにかかわるホームヘルパーや福祉用具専門相談員、まちのバリアフリー化を推進する専門員などの人材養成研修も行う予定。
両者は同時に、この施設の開設にあたって、心身に障害をもつ人を積極的に雇用できるよう、全館をバリアフリー化し、障害者の自立を支援する各種の福祉機器やシステムを導入して、重度の障害のある人も就労できる態勢を整える。
川崎市経済局産業振興課の担当者は、
「平成13年度より、地元の中小製造業者とともに、福祉産業研究会を立ち上げ、重工業で発達してきた技術力を福祉に役立てることを検討してきた。
高齢化社会に対応し、障害者も自立した生活が送れる社会を実現するために、福祉産業は重要なもの。
日本アビリティーズ協会と日本アビリティーズ社を誘致することで、国際競争力のある福祉機器の開発・製造を行い、「川崎ブランド」の福祉機器の販売につなげたい。
あわせて、誰もが尊厳を持って住み慣れた街に住み続けられる「安心タウン構想」を推進していくために、この取り組みが、川崎市の新産業創出による経済活性化、雇用の促進につながることを期待している」
と語った。