行政 : 横浜市、「ひきこもり」就労支援
横浜市(中田宏市長)は4月から、社会参加を拒絶して自宅に閉じこもる、いわゆる「ひきこもり」の青少年に対する就労支援を本格的にスタートする。横浜市青少年相談センターが中心となって、NPOなどと協働して「就労プログラム」を作成し、就労支援活動をおこなう。それに先立ち、3月13日と14日には「ひきこもりホットライン」を設置して電話相談を受ける。
4月より「ひきこもり」の青少年の就労支援に取り組むのは横浜市青少年相談センター。
同センターは、不登校やひきこもりなど、青少年がかかえている様々な問題について相談をうけ、助言や継続的な相談を行うことで問題解決の支援をおこなっている。
これまで同センターでは、相談・支援の対象を「概ね20歳未満の青少年 」として活動を続けてきたが、近年、就労年齢になった「ひきこもり」青少年についての相談が増えており、その対応が迫られていた。
センターでは、平成12年度より、フリースペースの設置やサークル活動などで、こうした20歳以上の「ひきこもり」青少年の社会参加を促してきた。4月からは、それに加えて、より本格的な支援を目指した就労支援プログラムを開始する。
このプログラムのメニューは、地元の「ひきこもり」支援に取り組むNPOと協働して作成していく予定。
具体的には、就労に向けた過程を、(1)自宅から抜け出せない「初期」、(2)人と話せるようになる「中期」、(3)仕事に興味を持つ「後期」の3段階に分類。4月からのプログラムでは「後期」を対象に、さらに「回復初期」「支援中期」「支援後期」の3段階に区分けして具体的なメニューを作成する。
「回復初期」の段階では、カウンセラーらとの会話を通じて、「ひきこもり」の青少年に「やりたいこと(仕事)」を見つけてもらう。「支援中期」ではボランティア活動で「社会の役に立っている」「やればできる」という意識を持ってもらう。この活動現場としては、地元のNPOに協力を求めていく。最後の「支援後期」では、就職活動を手助けすることを計画している。
センターでは、来年度はプログラムを作成して、試験的に実施して、その成果を評価して修正を加えながら完成させていく予定。それに基づいて、就労支援を継続的におこなっていく。
また、センターは、3月12日(金)と13日(土)に、「ひきこもりホットライン」を設置して、センターの相談員と、「ひきこもり」の子どもをもつ親たちのネットワーク「ヒッキーネット」のスタッフが電話相談を受ける。(電話番号は、045-331-8284。相談時間は午前10時から午後8時。)横浜市外からの相談にも応じる。
青少年相談センターの担当者は、
「最近のセンターへの相談は、その7割が高校生以上の青少年に関すること。そのうちの4割が不登校やひきこもりの問題についての相談だ。そうした青少年を対象に、20代後半まで対象範囲を広げて支援をおこなう必要がある。
社会復帰のゴールは、必ずしも就職することだけではないが、就労年齢に達した青少年に対して、選択肢として就職を目指してもらうことで、支援内容が充実すると思う。プログラムの作成やボランティア活動の場の提供に、NPOの協力を期待している。」
と抱負を語っている。
横浜市青少年相談センターについては、横浜市のサイト内、下記を参照のこと。
http://www.city.yokohama.jp/me/kosodate/13523.html
また、同センターのパソコンサークル活動に参加した青少年がホームページを作成して、センターの紹介をしている。URLは下記。
http://www.city.yokohama.jp/me/fukushi/youth/gallery/index2.html