行政 : 公益法人連絡会、アピール3項目提出
4月27日、公益法人制度改革問題連絡会は、第一回全国対話集会を東京で開催した。この集会で、「議論の中間整理」に対する3項目のアピールが発表され、4月28日、同会は、このアピールを行政改革推進事務局へ提出した。
公益法人制度改革問題連絡会(以下、「公益法人連絡会」)とは、「公益法人制度改革」に関する経緯と現状およびその問題点を率先して理解・把握し、世論喚起と社会的提言を主導することを目的に、3月29日に立ち上げられた運動体。改革の対象となる公益法人のネットワーク団体など、27団体で構成されている。事務局は、財団法人公益法人協会。シーズも世話団体として参加している。
公益法人連絡会は、4月27日、第一回全国対話集会を東京都千代田区の学士会館で開催した。この対話集会では、政府主導の公益法人制度改革について、活発な議論がかわされ、積極的な関わりをもっていくことの重要性が確認された。公益法人・NPO法人関係者やマスコミ関係者ら約130名の参加があったという。
この集会に先立ち、連絡会の第2回会議が開催され、「議論の中間整理」に対する3項目のアピールが決議された。対話集会では、このアピールが発表され、4月28日に行革事務局に提出された。
アピールの内容は以下の3項目。
- 公益性の判断主体は、中立で第三者的な機関とすること。
- 公益性の判断に際して「活動実績」を要件としないこと。
- 残余財産を分配できる法人とそうでない法人とは、完全に分離すること。
公益法人連絡会は、今後、全国の主要都市20箇所程度で同様の対話集会を開催していく。第2回は、5月25日に京都で開催される。
全国対話集会の日程については、以下のURLを参照のこと。
http://www.kohokyo.or.jp/non-profit/seidokaikaku/index01.html
アピールの全文は以下のとおり。
公益法人制度改革問題連絡会
去る3月31日、「公益法人制度改革に関する有識者会議」より出された「議論の中間整理」については、「公益法人制度の抜本的改革に関する基本方針」(平成15年6月27日閣議決定)を踏まえたものであり、有識者会議各位のご努力に敬意を表する次第である。
社会を活性化するために政府部門や民間営利部門では十分対応できない領域を民間非営利部門が担うことを期待し、公益的な活動が果たす役割は重要であるとの基本認識の下、民間非営利活動を促進するための新たな非営利法人制度を創設するとした意図は重要であり、今後もその点を十分踏まえた更なる検討を期待したい。
ただし、この場合、上記の意図が正しく実現されるよう、以下の点をぜひとも考慮いただくことを要望する。
- 公益性を取り扱う仕組みについては、有識者会議でも意見が多かったとされる「公益性に相応しい規律の法人の受け皿の仕組みを民法等で規定」し、その場合の判断主体としては、中立で第三者的な機関とすること。
- 公益性の判断に際して「活動実績」を設立の段階で要件とすることは、新たな法人設立を制約する可能性があるので、削除すること。
- 「新たな非営利法人」については、「非営利・完全非分配型」(残余財産の分配不可)と「非営利・不完全非分配型」(残余財産の分配可)の2つの法人類型を設けること。
(参加団体・五十音順)
- アジア・コミュティ・トラスト (ACT)
- NPO支援財団研究会
- 特定非営利活動法人 NPO事業サポートセンター
- 関西財団の集い
- 社団法人 ガールスカウト日本連盟
- 芸術文化助成財団協議会
- 高齢社会NGO連携協議会
- 特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター
- 財団法人 さわやか福祉財団 ※
- 社会福祉支援団体懇話会
- 財団法人 助成財団センター ※
- 私立美術館会議
- シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 ※
- 生命科学助成財団連絡協議会
- 特定非営利活動法人 日本NPOセンター
- 社団法人 日本オーケストラ連盟
- 社団法人 日本芸能実演家団体協議会(芸団協) ※
- 財団法人 日本国際交流センター
- 社団法人 日本青年会議所
- 社団法人 日本ナショナル・トラスト協会
- 社団法人 日本フィランソロピー協会
- 社団法人 日本フラワー・デザイナー協会
- 社団法人 日本ペンクラブ
- 財団法人 日本YMCA同盟 ※
- 財団法人 日本YWCA
- 財団法人 ボーイスカウト日本連盟
- 財団法人 公益法人協会 ※
(27 団体) ※=世話団体