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2004年05月25日 10:00

行政 : 北九州市、ホームレス支援計画

 北九州市は5月17日、2004年度から08年度の「ホームレス自立支援実施計画」を発表した。この計画では、NPO等との連携によって地域で支えあう施策が重視され、ホームレスへの自立支援をおこなうNPO等の民間団体の活動を図るための財政支援も盛り込まれている。

 

 近年の厳しい経済状況下、全国でホームレスは増加傾向にあり社会問題となっている。北九州市の調査でも、平成13年8月には197人だったホームレスが平成15年1月には421人と増加している。

 北九州市は、市内のホームレスに関する問題の解決に向けて、同市の取り組み方針及び施策実施のための指針をまとめた「北九州市ホームレス自立支援実施計画」を策定して5月17日に発表した。

 同市はこの計画の策定にあたり、昨年1、2月に市内のホームレス128人に対する聞き取り調査を実施。あわせて今年2月には市民から意見を募集して、市の実情に即した計画策定をめざしてきた。

 17日に発表された「北九州市ホームレス自立支援実施計画」は、(1)自立支援施策の推進、(2)公共施設の適正な利用の確保、(3)地域で支え合う施策の充実、の3つの柱で構成されている。

 「自立支援施策の推進」では、今年度「自立支援センター北九州」(仮称)を開設してホームレスの人たちの一時宿泊場所として提供し、入所中に健康相談、生活指導や職業相談を行い居宅生活や就労を促す。入所についてはNPOのメンバーを巡回相談指導員として配置し、公園などでセンターへの入所案内をおこなってもらうほか、地域住民からの情報収集にあたってもらう。また、巡回相談指導員には巡回活動を通して、一般社会から逃避しがちなホームレスと社会との接点になってもらうことも期待している。

 就業支援に関しては、受け入れ側への働きかけとして、企業向け人権啓発冊子のなかに人権問題の一つとしてホームレスの人権をとりあげ、事業主などの理解を深める啓発をおこなって求人開拓につなげる。

 「公共施設の適正な利用の確保」では、公園その他の公共施設がホームレスの起居の場となることで適正な利用が妨げられている場合に、自立支援事業と連携して居住物件の撤去指導などをおこなう。

 「地域で支え合う施策の充実」ではNPOとの連携が重視された。ホームレス支援に取り組んできたNPOのメンバーに巡回相談指導員として活動してもらうほかにも、NPOなどとの情報交換、意見交換の場として「ホームレス自立支援推進協議会」を設置する。さらに、ホームレスへの自立支援をおこなうNPO等の民間活動の活発化のために「北九州市地域福祉振興基金(ひまわり基金)」を活用した財政支援も盛り込まれた。

 市の担当者は、「市の都心部を中心に、公園、河川などで生活するホームレスが増加して、地域社会とのあつれきも生じている。問題解決のためには長年ホームレス支援活動をおこなってきたNPOとの連携が不可欠だ。当事者への指導とあわせて、社会復帰のために地域住民の理解を得るためにも、地域に根ざした活動を展開しているNPOの協力を得て施策を実現していきたい。聞き取り調査では、本市のホームレスの7割以上の人たちが『仕事をして自立したい』と回答した。そういう気持ちが活かせるような自立支援をおこなっていきたい。」と語った。

 「北九州市ホームレス自立支援実施計画」については、北九州市ホームページ内、下記を参照のこと。

 http://www.city.kitakyushu.jp/~k2303030/hlkeikaku/

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