行政 : 中国「基金条例」を6月より施行
中国政府は、1988年に制定した「基金会管理規則」を全面改正し、海外NGOの活動の合法化を認めることや、公務員が基金会での兼職を禁止するなどの内容を盛り込んだ新しい条例を6月1日に施行した。この条例を皮切りに、早ければ来年の年末でも、非営利組織全体を対象とする「NPO法」の制定を実現したいと民政部(内閣府)の関係者はコメントしている。
中国の非営利組織は、法律によって、社団(社会団体)、基金会(財団)、民営非企業機関という三つのタイプに分類されている。
このうち、基金会については、従来、政府や企業による資金をもとに運営されてきた。
現在、基金会の数は、全国規模のものが83、地方レベルのものが1千を超えているが、公益性の曖昧なものや資金不足が原因で運営実態のない組織が多数存在している現状となっている。
一方、近年、海外財団や、環境、子供、開発分野を中心とする国際的NGOの中国進出が急速に増えてきており、それを受け入れる法的な枠組みが必要となってきている。
また、高度経済成長に伴い、「富裕層」や民営企業の台頭も公益事業の潜在的な「投資者」となりつつある。
今回の条例(日本の法律に該当する)では、基金会の「公益性」と「非営利性」を明確化した上、これまで不明瞭だった資金源についても、広く寄付金の公募が認められる「公募型基金」と、公募ができない「非公募型基金」に分類した。
全国型の公募型基金を設立するには800万元(約1億1千万円)、非公募型には200万元(約2千800万円)の資本金が必要となり、また本来事業に使う支出額についても、前者が前事業年度収入の70%以上、後者が前事業年度資産残余額の8%以上と義務付けられている。
これに対して、設立のハードルが高すぎるのではないのかとNPO側から不満の声も上がっているが、政府は「有名無実の基金を排除するのが目的」と説明している。
新しい「条例」では、中国在住の外国人による基金会の設立や、海外の基金会(財団)が中国に代表機構を設立することも認められた。
海外NGOは、これまで、個人や中国パートナーの名義で事務所を開設するなどして活動してきたが、この「条例」の施行によって、中国現地法人の設立も含む公式な活動が可能となった。
しかし、財団以外の海外NGOにとって、この条例が適用するかどうかは明確でなく、「例え適用できるとしてもどのカテゴリーに入ればいいのかがよく見えない」と海外NGOの間には戸惑いも広がっている。
また、この条例には、初めて、公務員が基金会の理事長、副理事長、事務局長を兼任してはならないという条文が盛り込まれた。これまでの「官」主導の基金会の民営化を進めようとする政府の意向が反映されているという。
中国の非営利セクターは、この5年間、経済成長に負けない勢いで台頭してきている。それに対して、法制度の整備が大変遅れており、多くの市民団体が法人格のないまま活動しているか、あるいは営利法人として登録することを余儀なくされてきた。
民政部(内閣府)の関係者は、この5月、北京大学NPO法研究センター主催の意見交換会で、この条例の施行を皮切りに、2005年末まで、非営利セクター全体を対象とする「NPO法」の制定を目指しているとコメントした。
以下条例の仮訳(無断転載不可)
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、基金会の組織とその活動を定め、基金会、寄付者と受益者の法的権利と利益を守り、公益の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、「基金会」とは、公益活動に従事することを目的に、個人、法人またはその他の組織から寄付として受けた財産を資金として、この条例の定めるところにより設立された非営利法人をいう。
(種類)
第三条 基金会の種類として、公衆を対象に広く一般寄付を募る基金会(以下「公募型基金会」と略)と、公衆を対象に寄付を募ってはならない基金会(以下「非公募型基金会」と略)を置く。
また、公募型基金会においては、その募金活動の範囲によって、全国公募型基金会と地域公募型基金会とに分けることとする。
第四条 基金会は憲法、法律、法規、条例ならび国の政策を守なければならない。国家の安全、統一と民族の団結を損なう行為をしてはならない。社会の倫理道徳に違反してはならない。
第五条 基金会は定款に基づき公益活動に従事し、情報公開の原則に従うこととする。
(認証登記の所轄庁)
第六条 国務院民政部と省、自治区、直轄市人民政府の民政部門が、基金会の認証登記の所轄庁となる。(以下「所轄庁」と略)
2 次の条件のいずれかに該当する場合、国務院民政部が所轄庁となる。
- 全国公募型基金会の場合
- 中国本土の住民以外の者が基金会の法定代表者に就任する場合
- 基本財産が人民元2000万元を超え、国務院民政部に認証申請を提出する非公募型基金会の場合
- 海外の基金会が中国本土に代表機構を設立する場合
3 省、自治区、直轄市人民政府の民政部門は、所轄の行政区域内の公募型基金会と、前項に規定する内容のいずれにも該当しない非公募型基金会の認証登記の所轄庁となる。
(業務監督の主務官庁)
第七条 国務院の関連部門または国務院より権限を与えられた機関は、国務院民政部が所轄する基金会ならびに海外基金会代表機構の業務を指導監督する責務を負う主務官庁となる。(以下「主務官庁」と略)
2 省、自治区、直轄市人民政府の関連部門または省、自治区、直轄市人民政府より権限を与えられた機関は、省、自治区、直轄市人民政府の民政部門が所轄する基金会の業務を指導監督する責務を負う主務官庁となる。
第二章 設立、変更と解散
(設立)
第八条 基金会を設立する場合は、下記の各号のいずれにも該当する団体であること。
- 特定の公益活動を目的とすること。
- 設立するための基本財産として、全国公募型基金会の場合は800万元以上、地域公募型基金会の場合は400万元以上、非公募型基金会の場合は200万元以上であること。基本財産は団体名義の貨幣資金のことをいう。
- 正式名称、定款、運営体および専任職員を有すること。
- 固定の所在地を持つこと。
- 単独で民事責任を負う能力を持つこと。
第九条 基金会の設立をしようとする者は、所轄庁に下記の書類を提出しなければならない。
- 設立申請書
- 定款草案
- 基本財産についての監査証明書と所在地証明書
- 理事の名簿、身分証明書及び理事長、副理事長、事務局長候補者の略歴書
- 主務官庁が発行した設立許可書
(定款)
第十条 基金会の定款は、基金会の公益性を明らかにしなければならない。
特定の個人、法人、またはその他の組織を受益者にしてはならない。
基金会の定款には下記の内容を明記しなければならない。
- 名称及び所在地
- 設立する主旨と公益活動の業務範囲
- 基本財産の金額
- 理事会の構成、職責・権限と議事規則、理事の資格、就任手続きと任期
- 法定代表者の職責
- 監事の職責、資格、就任手続きと任期
- 財務会計報告書の作成、監査に関する事項
- 財産の管理と運用に関する事項
- 基金会の解散とその手続き、また、解散後の残余財産の処理に関する事項
(認証と登記事項)
第十一条 所轄庁は、この条例の第九条に定めるすべての書類を受理した日から60日以内に、登記認証もしくは不認証を決定しなければならない。申請を認証する場合は、「基金会法人登記証」を発行し、不認証の場合は書面をもってその理由を説明しなければならない。
基金会の設立登記事項として、団体名称、所在地、種類、設立主旨、公益活動の業務範囲、基本財産の金額と法定代表者名を含むものとする。
(出先機構と支部)
第十二条 基金会が出先機構または支部を設立する場合、本部を所轄する所轄庁に認証申請を提出しなければならない。また、認証申請にあたって、設立する予定の機構名、所在地と責任者等の状況を説明する書類を提出しなければならない。
所轄庁は、前項に定めるすべての書類を受理した日から60日以内に、登記認証もしくは不認証を決定する。登記を認証する場合は「基金会出先(代表)機構登記証」を発行し、不認証の場合は書面をもってその理由を説明しなければならない。
基金会の出先機構または支部の登記事項として、機構の名称、所在地、公益活動の業務範囲と責任者を含むものとする。
基金会の出先機構または支部は、基金会より与えられた権限に基づき活動することはできるが、法人としての資格はないものとする。
(海外基金会)
第十三条 海外の基金会が中国本土に代表機構を設立する場合、主務官庁の同意を得た上で、所轄庁に下記の書類を提出しなければならない。
- 申請書
- 基金会が本国の法律に基づき登記していることの証明書と基金会の定款
- 設立する予定の代表機構の責任者の身分証明書と略歴書
- 所在地証明書
- 主務官庁が発行した設立許可書
2 所轄庁は、前項に定めるすべての書類を受理した日から60日以内に、登記認証もしくは不認証を決定しなければならない。登記を認証する場合は「海外基金会代表機構登記証」を発行し、不認証の場合は書面をもってその理由を説明しなければならない。
海外基金会代表機構の登記事項は、機構の名称、所在地、公益活動の業務範囲と責任者を含むものとする。
海外基金会の代表機構は、中国政府の認める公益活動に従事するものとする。海外基金会の本部は、その中国本土における代表機構の民事行為に対して、中国の民法に基づく責任を負うこととする。
(税務登録)
第十四条 基金会、海外基金会の代表機構は、この条例によって登記手続きを完了した後、法に基づき税務登録をしなければならない。
基金会、海外基金会の代表機構は、登記証をもって団体の納税コードを申請し、印鑑を作り、銀行口座を開設しなければならない。また、それに関連する資料をすべて所轄庁に提出しなければならない。
(登記後の変更)
第十五条 基金会、基金会の出先機構、支部または海外基金会の代表機構は、登記事項に変更が発生する場合、所轄庁に変更の申請を提出しなければならない。
また、定款変更をする場合は、主務官庁の同意を得た上で、所轄庁に報告して認証を得なければならない。
(解散)
第十六条 基金会、海外基金会の代表機構は、下記のいずれに該当する場合、所轄庁に解散の申請をしなければならない。
- 定款で定めた解散事由の発生
- 目的とする公益活動に係る事業の成功の不能
- その他の原因による解散
第十七条 基金会がその出先機構または支部を解散する場合は、所轄庁に出先機構または支部の解散を申請しなければならない。
また、基金会本部が解散する場合は、その出先機構、または支部も同時に解散することと見なす。
第十八条 基金会は、登記の取消しをするまでに、主務官庁の指導の下に清算組織を設立し、清算業務を完成しなければならない。
基金会は、清算を完了する日から15日以内に、登記取消しの申請をしなければならない。また、清算期間中に、清算以外の活動をしてはならない。
第十九条 基金会、基金会出先機構,支部及び海外基金会の代表機構の設立、変更、登記の取消しなどは、社会一般に公告しなければならない。
第三章 組織管理
(理事)
第二十条 基金会は理事会を設けることとする。理事の数は5人から25人までとする。理事の任期は、5年以内において定款で定める期間とする。ただし、再任を妨げない。
個人財産によって設立した非公募型基金会は、理事のうち、親族が理事総数の1/3を上回ってはならない。その他の基金会は、親族関係にある者が同じ理事会の理事を務めてはならない。
理事のうち、報酬を受ける理事の数は、理事総数の1/3を上回ってはならない。
理事会は、理事長、副理事長と事務局長を設け、理事の中から選出されることとする。理事長が基金会のすべての業務の法定代表者とする。
(理事会)
第二十一条 理事会は、基金会の業務決定機構であり、定款に定める職権を行使する。
理事会は、毎年2回以上招集し、2/3以上の理事の出席をもって成立するものとする。理事会の決議事項については、下記のいずれにも該当しない限り、出席した理事の過半数をもって決する。
以下のいずれかの重要事項に該当する場合、出席した理事の2/3以上をもって決する。
- 定款の変更
- 理事長、副理事長、事務局長の任免
- 定款に定められている大きな寄付または投資行為
- 基金会の分割と合併
理事会の内容を反映する議事録を作成し、出席した理事の署名を必要とする。
(監事)
第二十二条 基金会には監事を置くこととする。監事の任期は理事と同じとする。理事、理事の親族または基金会の会計にかかわる職員が監事を兼任してはならない。
監事は定款に基づき、基金会の財産の運用状況、会計書類および理事会の業務執行の状況を監査する。
監事は、理事会に出席し、理事会に対して、質疑と提案を提出する権限を有する。また、監事は基金会の主務官庁及び所轄の税務、会計機関に監査の状況を報告しなければならない。
(理事長)
第二十三条 政府公務員は、基金会の理事長、副理事長または事務局長を兼任してはならない。基金会の法定代表者は、他の組織の法定代表者を兼任してはならない。公募型基金会と、拠出財産が中国本土より提供された非公募型基金会の法定代表人は、本土の住民でなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、基金会の理事長、副理事長、事務局長になることができない。
- 犯罪をしたことで拘束を受け、禁固、あるいは懲役刑に処せられ、その執行を終わった日から5年を経過しない者
- 政治権利を剥奪され、その執行を受けている者、或いは政治権利を剥奪されたことがある者
- 違法な行為が原因で、設立の認証を取り消された基金会の理事長、副理事長または事務局長を務めた経歴がある者で、認証を取り消されたことに対して法的責任を負い、かつ基金会の認証が取り消された日から5年を経過しない者
3 基金会が、決議する事項において、理事の私的利益と関連がある事項を決議するにあたっては、当事者がその議決に参加してはならない。理事、監事及びその親族が基金会と商業取引をしてはならない。
4 監事と常務理事以外の理事が基金会から報酬を受けてはならない。
第二十四条 基金会の理事長、副理事長または事務局長を務める香港、マカオ、台湾の住民、外国人及び海外基金会代表機構の責任者は、年3ヶ月以上中国本土に滞在しなければならない。
第四章 財産の管理と運用
第二十五条 基金会は、定款で定めた活動内容と範囲において募金活動をし、また寄付を受けることができる。海外基金会の代表機構は、中国本土において募金活動をしたり、または寄付を受けたりしてはならない。
公募型基金会が募金活動する場合は、募金の用途およびその運用計画を社会一般に公開しなければならない。
第二十六条 基金会及びその寄付者と受益者は、法律、条例の定めに基づき税制上の優遇対象者に該当する。
第二十七条 基金会の財産及びその他の収入は、法律によって守られ、他の組織または個人は、いかなる理由でも配当、横領、流用をしてはならない。
基金会は定款で定めた活動の範囲において、財産を運用することができる。また寄付者との間の書面による協議によって、その寄付金の用途が予め指定された場合、その協議に基づいて運用しなければならない。
寄付として受けた物品がその主旨に合う用途に使うことができない場合、基金会が法に基づき物品を有償で第三者に移譲し、または販売に出すことができる。いずれの場合も、その収入を寄付金と見なす。
第二十八条 基金会は、合法、安全、有効の原則に基づき基本資産を増やすための活動をすることができる。
第二十九条 公募型基金会は、定款に定めた本来活動のための支出が、毎年、前年度総収入の70%を下回ってはならない。非公募型基金会は、前年度基金の残高の8%を下回ってはならない。
職員の賃金と福利厚生と事務費の支出は、その事業年度の総支出の10%を超えてはならない。
第三十条 基金会は、公益活動に助成する場合、助成事業の種類及び申請から審査までの手続きを社会一般に公開しなければならない。
第三十一条 基金会は、助成対象者と、助成方法、金額、活動内容ならび助成金の用途、方法について、予め書面をもって協議することができる。
基金会は、助成金利用の状況を監督する権限を有する。助成対象者が基金会との間の協議に違反した場合、基金会は助成計画を中止することができる。
第三十二条 基金会は、一般に使われている会計基準に基づき経理を行い、法に基づき決算を行い、内部の会計監督制度を整備しなければならない。
第三十三条 基金会が解散した後の残余財産は、定款で定めた公益の目的に用いなければならない。定款の規定によって処理できない場合、所轄庁は、解散した基金会と同じ性格、主旨の社会公益組織を、残余財産の寄付先として選定する。またその過程は社会一般に公開するものとする。
第五章 監督
第三十四条 基金会の所轄庁は以下の監督を行う。
- 基金会、海外基金会の代表機構に対する年度検査。
- 基金会、海外基金会の代表機構が、この条例及び団体の定款に基づき活動を行う状況に対する日常の監督。
- 基金会、海外基金会の代表機構が、この条例に反する行為を行った場合、法律に基づく罰則の適用。
第三十五条 基金会の主務官庁は以下の監督を行う。
- 基金会、海外基金会の代表機構が、法律および定款に基づき、公益活動を行う状況に対する指導、監督。
- 基金会、海外基金会の代表機構に対する年度検査の初審。
- 基金会、海外基金会代表機構が、本条例に反する行為をする場合、所轄庁およびその他の法律の執行部門と協力の上、行為者への罰則の適用。
第三十六条 基金会、海外基金会代表機構は、毎年3月31日までに、前年度の事業報告書を所轄庁へ提出し、年度検査を受けること。なお、事業報告書を所轄庁へ提出する前に、主務官庁の審査を受け、同意を得ること。
事業報告書は会計決算報告書、公認会計士による監査報告書、募金活動および助成活動の状況および組織の人員の異動状況などを含むものとする。
第三十七条 基金会の税務、会計業務においては、税務、会計の主管部門の監督を受けること。
理事の交代、または法定代表者に変更がある場合、事前に財務監査を行わなければならない。
第三十八条 基金会、海外基金会の代表機構は、所轄庁の年度検査を受けた後、提出した事業報告書を主務官庁が指定する媒体で公開し、社会一般の諮問または監督を受けなければならない。
第三十九条 寄付者は、基金会に寄付した財産の運用および管理情況に対して、問い合わせまたは意見を出すことができる。寄付者の問い合わせがあった場合は、基金会は直ちに実情に基づき回答しなければならない。
基金会が寄付者との間の協議に違反した場合、寄付者が基金会に協議を守ることを要求し、または裁判所に寄付の取り消しと協議を解除することを求めることができる。
第六章 罰則
第四十条 認証登記の手続きをせず、または認証が取り消されたにもかかわらず、基金会、基金会の出先機構、代表機構または海外基金会の代表機構の名義で活動する者については、所轄庁は、取り締まり、非合法に得た財産を没収し、社会に公告するものとする。
第四十一条 基金会、基金会の出先機構、代表機構または外国基金会の代表機構は、次の各号の一に該当する場合、所轄庁によってその認証を取り消す。
- 認証を取るため、申請書に不実の記載をした者。または認証された日から12カ月以上が経っても定款に基づき活動を行っていない者。
- 主務官庁が認証を取り消す判断を行ったにも関わらず、本条例に基づき取り消しの手続きをせず、引き続き活動を行う者。
第四十二条 基金会、基金会の出先機構、代表機構または海外基金会の代表機構が、次の各号の一に該当する場合、所轄庁は警告をし、活動の中止を要求することができる。重大な違反がある場合は、認証を取り消すこともできる。
- 定款に定める活動趣旨と業務範囲に基づいて活動を行わなかったとき。
- 会計書類に不実な記載をしたとき。
- この条例の規定に定めた登記変更の手続きを怠ったとき。
- この条例の規定に定めた本来事業への支出額が最低限を満たさなかったとき。
- 本条例の規定に基づき、年度検査を受けなかったとき、または年度検査の結果が不合格になったとき。
- 情報公開の義務を執行せず、または虚偽な情報を開示したとき。
2 基金会、海外基金会の代表機構が前項に述べた過失があった場合、所轄庁は、その違法行為が発生している期間中に受けた減税金額を税務機関に還付するよう税務署に求めることができる。
第四十三条 基金会の理事会が、この条例および団体の定款に違反して、資金の運用方針に誤りがあった場合、その運用方針の決定に参与した理事が、基金会の財産損失に対して賠償責任を負うこと。
基金会の理事、監事及び事務局スタッフが、基金会の資産を不正に配当、横領、流用をした場合、その不正に占用した財産を基金会に返却すること。また、その重大さが犯罪に該当する場合は、法に基づき刑事責任を追究しなければならない。
第四十四条 基金会、海外基金会の代表機構は、活動の中止を要求された場合、所轄庁がその登記証、印鑑および税務登録証を保管することとする。
第四十五条 基金会の所轄庁および主務官庁の職員が、職権を濫用し、または職務を疎かにし、不正を働き、その重大さが犯罪に該当する場合、その刑事責任を追究するものとする。犯罪行為まで及ばなかった場合は、法に基づき行政処分または紀律処分に処する。
第七章 附則
第四十六条 本条例において「海外基金会」とは、外国及び中華人民共和国香港特別行政区、マカオ特別行政区と台湾地区に合法な資格を持つ基金会を指す。
第四十七条 基金会認証登記の申請書、年度報告および定款の書式は民政部門で制定する。
第四十八条 この条例は、2004年6月1日から施行する。同時に、1988年9月27日に国務院が発表した「基金会管理条例」が廃止する。
この条例を施行する前に設立した基金会および海外基金会の代表機構は、この条例の施行日から6ヶ月以内に、この条例の規定に基づき、認証登記証の交換申請をすること。
注:訳文の中の括弧内の記述については、訳者が便宜のために付き加えたものである。訳文中、中国本土とあるのは、香港、マカオ、台湾を除く中国の地域的領域を指すものとする。