行政 : 三重県、救助犬団体と協定締結
6月2日、三重県(野呂昭彦知事)は、県内で大規模地震などが発生した際の出動要請に答えてもらうために、災害救助犬を持つ団体と協定を交わした。災害時の出動に関する取り決めなど交わしておくことで、万が一の時に迅速な救助活動が出来るようにするのが目的。
災害救助犬は、災害によって瓦礫の中に埋もれた人や、雪山などで遭難して行方不明になった人を、嗅覚を頼りに捜し出すよう特別なトレーニングを受けた犬。ヨーロッパでは10世紀ごろから、救助犬の育成が行われている。日本では阪神淡路大震災時に海外から派遣された災害救助犬が活躍したことから認知度が高まり、各地の救助犬団体で育成のための訓練が行われて、災害現場での活躍が始まっている。
「災害救助犬」には、ゴールデンレトリバーやシェパードのような大型犬ばかりでなく、瓦礫に埋もれた人を探す時など、奥まで潜っていける小型犬も重要な役割を果たすことから、ヨークシャテリアなどの小型犬も多いとのこと。一般家庭で飼われている犬でも、訓練によって救助犬となることができる。
救助の内容は、主に、地震で倒れた家屋や瓦礫に埋もれた人の居場所を探し当て、吠えて知らせることだが、雪山の訓練を受けた救助犬は、雪崩による二次災害を防ぐために決して吠えず、雪を掘って知らせるという。 災害の種類、現場の状況に合わせた訓練が、犬の特性に合わせて行われている。
三重県が2日に協定を交わしたのは、NPO法人「災害救助犬協会富山」(富山県富山市)、NPO法人「日本レスキュー協会」(兵庫県伊丹市)と社団法人「ジャパンケネルクラブ」(東京都千代田区)。同日、三重県庁で土橋伸好出納長と3団体の代表者が調印した。
県は、地震のほか、集中豪雨時の土石流災害にでの出動も想定している。
三重県防災対策室の担当者は、「イラン大地震の折には日本の災害救助犬が現地に赴き活躍したと聞いている。国内で育成された災害救助犬の力を借りて迅速な救助活動が行えるように、あらかじめ救助犬活動の団体と協定を結ぶことにした。備えあれば憂い無しということだ。」と語っている。