行政 : 国交省、路上地域活動指針策定へ
国土交通省(石原伸晃大臣)は、今年度、道路を柔軟に活用して街の賑わいを創出するために、NPOなどが路上で継続的に行う地域活動のためのガイドラインを策定する。5月28日には「道を活用した地域活動円滑化のためのガイドライン検討委員会」を発足させ、同日、第一回委員会が開催された。
昨今、既存の公共施設を民間の知恵で活用することが地域の活性化に有効だとされ、道路に関しては街に活気を与えるイベントやオープンカフェなどの取組みが各地でおこなわれている。
また、昨年12月22日に政府の総合規制改革会議から提出された第三次答申では、道路など公共施設の活用を推進するため、道路占用許可の弾力化などの施策を講じるべきとされている。
今年度、国土交通省は、道路空間をより柔軟に活用してまちの賑わいを創出することを重点施策と位置づけ、施策の実現に向けて、道路空間を活用して継続的に行う地域活動(美化活動、イベント開催など)の円滑化のためのガイドラインを策定することとした。
ガイドライン策定にあたり、5月28日、国土交通省は「道を活用した地域活動円滑化のためのガイドライン検討委員会」を発足。同日、第一回委員会が開催された。
この委員会では、地域の合意に基づいてNPO、企業などが道路をつかって継続的な活動を行う仕組み、その収益を道路の維持管理活動などに還元することを可能とする仕組みについて検討し、検討内容や成果をガイドラインとして取りまとめる。
委員会は、NPO関係者、研究者などの有識者から構成され、オブザーバーとして警察庁交通局が参加する。
5月28日に開催された第一回委員会では、ガイドラインの位置づけとして、道を活用した地域活動を継続的に行いたいNPOなどの団体のために、現行法にもとづいて地域活動を行う際の基本的な考え方や手続きなどを示して解説するものとした。あわせて、許認可の運用について、各地の実施状況をみながら運用改善に努めていくこととした。
また、対象とする地域活動としては、オープンカフェ、歩行者天国、朝市、祭りなどの「道路活用活動」と、清掃、美化、防犯などの「公益活動」の2分野を想定することとした。
委員からは、道路が交通機能に特化したのは近年のことであり、「多様な道の活用」は道が本来持つ機能の復元といえる、地域活動は地域の特性を踏まえることが重要で全国で同じようなことをしても成功しない、 地域活動により生じる収益について、全てを公益的な活動に還元させるとインセンティブが削がれるからプライベートな利益にも還元できる方が地域活動の活性化につながるだろう、といった意見が出た。
また、路上イベントによる道路占有の好事例として、大阪府堺市の市道上のオープンカフェ、宇部市の国道・市道上のオープンカフェが紹介された。
国土交通省では、今年度に4回の委員会を開催し、社会実験を実施して検証した上で年度内にガイドラインを策定する予定。
「道を活用した地域活動円滑化のためのガイドライン検討委員会」については、国土交通省サイト内、下記を参照のこと。
http://www.mlit.go.jp/road/road/guide_line/