行政 : 自民、党改革でNPOと関係強化
自民党の党改革検証・推進委員会(委員長・安倍幹事長)は6月2日、党改革に関する中間提言をとりまとめ、7日の党役員会で承認された。これまで関係の薄かった団体との関係を強化するため、NPO関連では、地方でのタウンミーティングの開催により交流を深めていくことが盛り込まれた。また、11日に発表された自民党基本理念委員会(与謝野馨委員長)の答申、新綱領案にも「NPOとの交流」が掲げられている。
党改革検証・推進委員会は2003年12月に設置され、委員会、部会をあわせて計33回の会合を開き、検討してきたという。
このたび、「参議院選挙前に一定の方向を打ち出すべく(安倍幹事長)」、“よりオープンで信頼される自民党を目指して-党改革に関する中間提言-”を取りまとめ、6月7日の党役員会で了承された。
中間提言では、党改革の具体策として、候補者選考に公募制度を導入することや、盆暮れに幹事長から議員に現金で手渡される、いわゆる「モチ代」の手渡しの廃止(今後は口座振込み)、党独自のシンクタンクの創設、総裁に対して自己の関心分野、専門能力をアピールする「人事自己申告制度」、党の広報を一元的に担う常勤、常駐のスポークスマンの創設などを提案している。
また、「これまで関係の薄かった業界、団体等との関係強化」を掲げ、NPOとの関係強化や新産業、成長産業への支援体制の整備、労組のみならず、組合活動から距離をおくサラリーマンやOLとも交流を促進していくという。
具体的に、NPOとの関係強化策として提示されているのは、「NPO・NGO関係団体委員会によるタウンミーティング展開」。提言では、「地方に出向いてタウンミーティングを開催し、各種NPO・NGOとの交流を深め、政策対話と連携を通じ、地域社会、国際社会に貢献する」とされている。
このタウンミーティングの展開について、同党のNPO・NGO関係団体委員会では、「3月に当委員会が東京で開催したシンポジウムの地方版を開催してほしい、という声がたくさん寄せられたことを受けたもの。タウンミーティングは、今年の秋以降に開催していくことになるだろう。」と語っている。
一方、6月11日には、自民党の新綱領案も明らかになった。これは、党改革の中間提言とは別に、昨年12月に設置された基本理念委員会が検討してきたもの。このなかでも、「生きがいと潤いのある生活を!」というテーマの下、「NGO・NPO諸団体をはじめ、あらゆる団体との交流を深め」る、との方針が示されている。この方針は、「支持のウィングを広げるため」(自民党)としている。
自民党では、この新綱領案をもとに議論を進め、来年11月の結党50年にあわせて策定する予定としている。
“よりオープンで信頼される自民党を目指して-党改革に関する中間提言-”のNPOに関連する箇所は以下のとおり。
よりオープンで信頼される自民党を目指して-党改革に関する中間提言-
6.これまで関係の薄かった業界、団体等との関係強化
(2)NPO・NGO関係団体委員会によるタウンミーティング展開
- 新たな市民社会構築に向け、地方に出向いてタウンミーティングを開催し、各種NPO・NGOとの交流を深め、政策対話と連携を通じ、地域社会、国際社会に貢献する。
また、自民党新綱領案のNPO該当箇所は以下のとおり。
一、生きがいと潤いのある生活を!
私たちは、「ボランティア活動」や身近な「スポーツの振興」、「高齢者の社会参加」を促進し、「生きがいと潤いのある生活」をめざします。そのため、NGO・NPO諸団体をはじめ、あらゆる団体との交流を深め、また、労働組合を含め働く人たちの声を大切にします。