行政 : 中央三井信託、HCR協会と提携
中央三井信託銀行株式会社(取締役社長:田辺和夫)は、認定NPO法人である日本国連HCR協会(代表理事:赤野間征盛)と提携。同法人への遺言寄附を支援する制度を先月末にスタートさせた。
日本国連HCR協会(東京都渋谷区)は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の援助活動に協力・支援するNPO法人で、2000年10月に東京都の認証を受けて設立されている。
その後、2003年には国税庁長官の「認定」も受けて「認定NPO法人」となったため、同法人へ寄附をした個人や団体などは一定の税の軽減を受けることが可能となった。また、同法人へ相続財産を寄附した場合にも、その分の相続税は免除される。
この制度を利用した形で、先月、中央三井信託銀行は同法人と提携。遺言による寄附で難民支援活動に協力したいという希望者のために、手続き面などの便宜を図るサービスを開始した。
サービスの概要としては、日本国連HCR協会に遺贈寄附希望の申し出があった場合、希望者の同意を得たうえで同協会が中央三井信託を紹介。同社が、遺贈を含む遺言書全般にわたるコンサルテーションを行い、作成された遺言書の保管と将来の遺言執行を一貫して引き受けるというもの。遺言書の作成・保管、遺言執行に係る所定の費用・報酬は遺贈希望者の負担となる。
同社広報室では、「これまでも私立大学等を中心に数多くの法人と『遺贈による寄附支援サービス』の提携を進めてきたが、NPO法人との提携はこれが初めて。もともと当社では公益的な活動にも力を入れており、今回の提携も社会貢献のひとつとしても意識している。」と述べている。
また、日本国連HCR協会の事務局長・山本浩氏は、「難民支援の必要性はますます増大しており、寄附受け入れの強化の一環として今回の提携にいたった。寄せられた寄附は、世界各地でのUNHCRの活動に使われる。今後も、積極的に募金活動を展開していく予定で、他の銀行とも同様の提携ができればと考えている」と抱負を述べた。
提携においては、NPO法人が国税庁長官の「認定」を受けていることが鍵となるが、現在の認定NPO法人の数は全国で24法人のみ。今後は、こうした提携が一般的になることが期待されるが、そのためには認定NPO法人の増加も必要要件だろう。