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2004年07月14日 10:00

行政 : いわてNPO基金が特定公益信託に

 岩手県の公益信託いわてNPO基金が、7月1日、特定公益信託になった。これにより、同基金に寄付をした企業は、その寄付金額を一般寄附金の枠内で、損金算入することが認められるようになる。

 

 公益信託いわてNPO基金は、2001年8月に岩手県の拠出により設置されたもの。基本財産は1億3百万円で、NPOのみならず個人も対象として県内のさまざまなNPO活動を支援している。

 岩手県は、7月1日、いわてNPO基金を受託している三菱信託銀行に対し、同基金を「特定公益信託」とする証明書を発行した。

 「特定公益信託」とは、信託終了時に信託財産がその委託者に帰属しないこと、信託契約が解除できないものであり、かつ、信託契約の条項を変更するときには、主務大臣の許可が必要とされていることなど一定の要件を満たしている場合に認められる公益信託で、「特定公益信託」に寄付をした企業は、「一般寄附金枠」の範囲内で、その寄附額を損金算入することができるようになる(※)。

 岩手県では、税制上のメリットを享受してもらうことができるようになったことで、企業の支援を広く呼びかけていく方針。

 NPOの支援基金で「特定公益信託」になったのは、全国でも初めて。

 岩手県では、今後、寄附の受け入れ方法などの詳細をつめ、改めて企業などに向けて広報し、基金を充実させていきたいとのことである。

※ 「公益信託」には、税制上の地位として、3つの種類がある。普通の「公益信託」、主務大臣(都道府県知事)の証明を受けた「特定公益信託」、主務大臣の認定を受けた「認定特定公益信託」の3つ。

 普通の「公益信託」の場合、寄附者は、個人でも法人でも寄附金を所得控除や損金算入はできない。

 「特定公益信託」となると、個人の寄附者は寄附金を所得控除できないが、普通法人が寄附者の場合は、寄附金を「一般寄附金の枠」内で損金算入することができる。

 さらに、「認定特定公益信託」であれば、個人も特定寄付金の控除枠内で所得控除を受けることができ、企業(普通法人)も一般寄附金の倍額を限度として損金算入が可能となる。ただし、「認定」になるには政令で定める分野の目的に関し、相当と認められる業績が持続できるなどの要件が設定されており、ハードルが高い。NPOを支援する目的の基金が「認定特定公益信託」になるのは政令の改正がないと難しい。

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