行政 : 石川県、NPOの実態と意識調査
6月25日、石川県(谷本正憲知事)は県内のNPOを対象とした、行政や企業との協働に関する意識調査の結果を発表した。県は、この調査結果を、今後のNPOとの協働やNPO活動の促進につなげるための基礎資料とする。
石川県は、今年1・2月に県内の500のNPOを対象として、「民間非営利組織(NPO)の協働に関する意識調査」を実施した。
対象としたNPOは「継続的、自発的に社会活動を行う、営利を目的にしない団体で、公益法人でないもの」。昨年、県内の市町村に依頼して行った基礎調査で把握した1,689のNPOから500団体を無作為抽出してアンケートを実施した。
調査内容は、活動概況、運営上の課題などのNPOの実態と、行政や企業との連携状態、協働に関する意識などについて。
294団体から回答を得て(回答率58.8%)、その結果を6月25日に公開した。
調査結果の概要は下記の通り。
- 石川県のNPO組織は小規模な団体が多い。会員数50人未満が全体の7割を占め、年間予算規模も30万円未満が約6割にのぼる。
- 活動の中心は中高年層。構成員で一番多い年齢層が50代以上と答えた団体が7割。
- 4割の団体には常勤の有給スタッフがおらず、回答したNPOの平均有給スタッフ数は0.8人にとどまっている。
- 団体の課題としては、複数回答で「困っている・やや困っている」と答えたのは、1位が「新規会員の確保が難しい」で56.1%。続いて「運営スタッフの不足」をあげたのが50.0%。「活動が拡大しない」が49.0%。
- 行政との協働を望む事業としては、複数回答で、「生涯学習」が24.1%。「自然環境保全」が21.8%。「地域おこし」が21.4%と上位を占めた。
- 行政との協働に関して行政に望むことについては、財政規模が小さい団体ほど無回答が多く、逆に大きくなるほど「非営利活動組織に対する理解」「情報の公開」「協働する目的の明確化」などほとんどの項目で要望の割合が高くなっている。
- 企業からの支援・援助については、財政規模が小さい団体ほど「何も受けていない」割合が高く、逆に財政規模が大きくなるほど「活動・事業資金援助」「企業の持っている技術の提供」等の割合が増加する。
- また、NPO法人格の取得意向について、現在NPO法人ではない団体の7割が「取得するつもりはない」と答えた。
今年5月末現在、石川県を所轄庁とするNPO法人の数は120。これらのNPO法人を含めて、石川県では市民活動の社会的重要性が高まっているという。そうしたなか、県は、この調査結果を、市民活動の環境整備を進める上での基礎資料としたいとしている。
この調査結果の詳細は、石川県NPO活動支援センターのサイト内、下記からダウンロードできる。
http://www.ishikawa-npo.jp/info/040625.htm