行政 : 内閣府、NPOとの協働に関する調査
7月20日、内閣府は「コミュニティ再興に向けた協働のあり方に関する調査」の結果を発表した。調査結果では、都道府県と大都市においてはNPOとの協働が進む一方で、小規模な市区町村では協働が進んでいないことが明らかになった。
内閣府は今年2月から3月にかけて、都道府県、市区町村及びNPO法人・ボランティア団体等を対象に、「コミュニティ再興に向けた協働のあり方に関する調査」を実施した。この調査の目的は、都道府県、市区町村、NPO、それぞれの協働に対する意識や実態を把握して、今後の望ましい協働体制のあり方について検討すること。
なお、この調査では、「協働」の定義は、「自治体とNPOやその他の団体との幅広い連携を指し、自治体からNPOへの事業委託、NPO主催事業に対する自治体の後援名義、自治体とNPOとの事業共催等を含む。」とされている。
調査の対象は、都道府県、市、人口2万人以上の町村、東京特別区及び、これら自治体に対するアンケートにおいて協働している団体として紹介があったNPOなど。合計1,054の自治体及び1,105のNPO団体から回答を得た。
7月20日の発表された調査結果によると、都道府県では回答のあった全てで協働事業が行われており、約5割の都道府県が協働に関する指針・条例等を策定済みで、策定予定を含めると8割に及ぶ。協働の内容については、イベント実施、調査研究、専門的な相談事業が多く、分野では「環境保全」、「福祉」、「まちづくり」が多かった。
一方で、市区町村では、全体としては66%で協働が実施されているものの、規模別でみると、人口30万人以上の市区町村では98%が実施しているのに対し、3万人未満のところでは36%にとどまっており、人口規模が小さい市区町村では協働が進んでいない実態が明らかになった。
協働を実施していない市町村の「協働しない理由」としては、「NPOに関する情報が足りない」、「NPOとの協働事業になじむ事業が思い当たらない」などが多くあげらた。
NPOからの回答を見ると、協働の意義としては「地域での社会的責任を果たす」、「多様な団体との連携で活動が拡がる」、「地域住民の認知度の上昇」をあげた団体が多かった。
また、NPOから行政への要望としては、「対等なパートナーシップをつくる」が最も多く、次いで「市民活動を促すための広報・普及活動」、「公共施設や機材の利用に関する便宜供与」が求められている。
今後の協働事業についての考え方としては、97.5%の都道府県、63.3%の市町村、66.1%のNPOが「重要性を感じており実施していく」と回答しており、今後、自治体とNPOの協働がさらに推進していく可能性を示している。
「コミュニティ再興に向けた協働のあり方に関する調査」の結果は内閣府サイト内、下記で読むことができる。
http://www.npo-homepage.go.jp/report/h15a-1.html