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2004年08月18日 10:00

行政 : 政府、男女共同参画でNPOに期待

 7月21日、政府の「男女共同参画会議影響調査専門調査会」(会長:大澤眞理東京大学教授)は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼす政府の施策などに関する報告書「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行についての報告」をとりまとめ、発表した。報告書では、NPOを女性の雇用の受け皿と位置づけると同時に、その現状・課題が示され、その解決のための提言をおこなっている。

 

 平成13年1月、政府は男女共同参画社会基本法に基づき、内閣府に男女共同参画会議を発足させた。同年5月、同会議の下に政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響の調査をおこなうための「影響調査専門調査会」が設置された。

 7月21日、同調査会は「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行についての報告」をとりまとめ発表した。

 報告書では、女性の就業先としてのNPOの現状と課題について、次のように指摘している。

  • NPOには女性スタッフが多く、その4割は女性のみ又は女性がほとんどの団体であることから、NPOは女性の新たな雇用の受け皿として注目されている。
  • 雇用の受け皿とされる一方で、法人格を取得したNPO法人であっても、有給のスタッフを有する団体は約5割で、スタッフの平均賃金は低いのが現状。家計を支えていない女性の補助的な収入にとどまり、就業調整も行われている。
  • NPOでは有給スタッフでも、雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金に加入していない場合が多い。
  • NPOの構成員間に給与、働き方に対する意見の相違がある。有償の労働を提供していることを重視するか、利他的な奉仕を供給するボランティア性を重視するかによって、低賃金の現状で処遇の改善を必要とするか否か意見が分かれる。

 そして、報告書では上記の課題を解決するために、以下の提言をしている。

  • ボランティアと雇用者の働き方を区別し、関係制度の適用関係を明確化する。具体的には、ボランティアには労災保険のかわりとしてNPO保険の普及を図るべきだ。
  • 雇用者については最低賃金法等の労働法制を遵守すること。
  • 一般にNPOの規模は小さく賃金供給の円滑化が課題となることから、公的な支援策のほか、企業なども加えた社会全体の支援が必要。
  • 国、地方公共団体の一部ではNPOによる雇用創出に補助金を出している例もあり、それをさらに進めるべきだ。

 その他、報告書では、一般的に進んでいる女性の就業形態の多様化や共働きに対応するため、個人単位で加入する所得比例年金など「個人単位の社会保障制度の構築」を検討課題として指摘している。

 「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行についての報告」の全文は、内閣府男女共同参画局サイトに掲載されている。

 URLは、http://www.gender.go.jp/

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