行政 : 環境再生保全機構がインターン事業
独立行政法人環境再生保全機構が、国内・海外の環境NPOへ社会人を派遣するインターンシップ事業を開始した。社会人を対象としたインターンシップ事業は珍しく、年齢制限はなし。海外プログラムでは、往復旅費を支給するほか滞在費も一部補助する。募集期限は9月13日まで。
独立行政法人環境再生保全機構は、旧公害健康被害補償予防協会の全ての業務と、旧環境事業団の一部の業務を承継し、2004年4月1日に設立された。公害による健康被害の補償や予防、民間団体が海外及び国内で行う環境保全活動の支援事業などを展開している。
国の出資と民間からの寄附で構成する「地球環境基金」は、環境保全活動に取り組むNPOへ多くの助成を行ってきたことが知られているが、この事業も同機構へ移管されている。
同機構は、8月17日、社会人を対象とした「平成16年度地球環境基金インターンシッププログラム」を開始したと発表した。現在参加希望者を募集中で、期限は9月13日まで。
プログラムの特徴は、学生や大学院生ではなく、社会人を対象にしていること。環境NGO・NPOの職員のほか、その団体の趣旨に賛同して支援している個人会員なども対象としたことで、環境に関心のある多くの社会人が参加できるプログラムとなっている。
このプログラムは同機構でも初めての事業。プログラム設計にあたっては、環境NPOや、国内の同種事業を展開している団体、社員のボランティアを積極的にバックアップしている企業などのヒアリングを行い、アジアやヨーロッパなどへも調査にでかけた。
このような先行事例の経験を踏まえ、社会人が仕事を持ちながらでも参加しやすいように、プログラムに工夫をこらしたという。
プログラムは、国内NPO4団体、海外NPO2団体のどれかの活動に、2~5ケ月間、参加するというもの。受入団体が研修プログラムを提示しており、その条件にあうものを選んで応募するが、インターンの希望や、受入団体の状況を勘案して、柔軟かつ弾力的に進めることとされている。例えば、平日にはなかなか参加できなくても、土・日に継続的に活動できるようであれば参加可能な場合もあるとのことである。
国内の受入れ団体は、環境市民(京都府京都市)、日本ウミガメ協議会(大阪府枚方市)、財団法人オイスカ(東京都杉並区)、市民フォーラム21・NPOセンター(愛知県名古屋市)。海外は、IUCN-The World Conservation Union(タイ)、環境修復保全機構(ERECON)(タイ)。
国内インターンには、自宅から受入団体までの交通費や、期間全体で上限5万円までの活動費用が支給される。1団体1~2名程度で計5名程度募集している。
海外インターンには、往復航空旅費や一日当り3500円の滞在補助費、期間全体で上限5万円までの活動費用が支給される。募集人数は、1団体1名、計2名。
環境保全機構では、「この事業は、NPO・NGOへの理解や支援者の裾野を広げるとともに、NPO・NGO自身のレベルアップを目的としている。受入れ態勢を整えてもらっているので、その団体の取組みを深く知ることができるし、環境NPOの職員には研修の場として活用してもらいたい。今後もこの事業を継続し、たとえばリサイクルに取組む団体や、温暖化防止のための活動を展開する団体なども受入団体としていきたい。社会貢献事業の一環として社員のボランティアを推進する企業にも活用してもらえるプログラム。たくさんの応募を期待している」と参加を呼びかけている。
地球環境基金インターンシッププログラムの詳細は以下のURLから見ることができる。
http://www.erca.go.jp/jfge/