行政 : 総務省、公益法人に関する年次報告
総務省は、7月30日、国や都道府県が所管する社団法人と財団法人の現状をまとめた「2004年度公益法人に関する年次報告」を発表した。報告書によれば、国所管法人の33%に公務員出身の理事がおり、依然として天下り先となっていることが明らかになった。また、公益法人に関する最近の施策として、公益法人制度改革にも触れている。
公益法人に関する年次報告は、平成8年9月20日の閣議決定に基づき、公益法人の実態及び状況等を明らかにする目的で、平成9年度から毎年出されている。
7月30日に発表された平成16年度の年次報告の構成は、第1章公益法人制度の概要、第2章公益法人の現況、第3章公益法人と行政とのかかわり、第4章公益信託制度について、となっている。
また、今年度は各章の終わりにコラムを設け、大阪コミュニティ財団、妻籠を愛する会、斎藤報恩会、日本国際交流センターの4財団を取り上げ、その活動を紹介している。
報告書によれば、平成15年10月1日現在、公益法人の総数は25,825法人。その内訳は、社団が12,836法人で、財団が12,989法人。総数では前年度より218法人減少しており、平成10年のピーク時(26,380法人)からの減少傾向が続いている。
新設法人数についても、近年のピークであった平成8年の434法人と比べると、15年は144法人と大幅に減少している。
いわゆる「天下り」については、国所管の公益法人の33%にあたる2,325法人に公務員出身の理事がおり、総数は5,889人。前年より66法人、理事数で138人減少したものの、依然として「天下り」先となっていることを示している。
「天下り」については、都道府県所管の法人でも、27%に当たる5,095法人に公務員出身の理事がおり、前年より170法人減っただけ。理事数は13,005人で546人減だった。
政府の公益法人指導監督基準では、所管官庁出身の「天下り」理事を、全理事の3分の1以下に抑えるとしているが、国所管では10法人(前年度と同数、今年7月までに、9法人が改善済み)が、都道府県所管では441法人(前年比82法人減)が基準を満たしていなかった。
また、平成14年から始まった公益法人制度改革にも触れている。平成17年度末までに法制上の措置などを講じる予定で、現在、行政改革担当大臣の下に設置された「公益法人制度改革に関する有識者会議」と、有識者会議の下に設置された「非営利法人ワーキング・グループ」が、新たな非営利法人制度について検討を進めているとしている。
「平成16年度公益法人に関する年次報告」の概要は、総務省サイト内、下記ページに掲載されている。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040730_1_g1.html