行政 : 自民調査、85%がPSTが問題
9月8日、自由民主党は、今年5月から7月にかけて実施した、認定NPO法人制度に関するアンケート調査の結果を公表した。分析結果によれば、現在の認定要件のうち、日本版パブリック・サポート・テスト(PST)、共益性排除(会員等対象の活動が半分未満)の要件緩和や、認定有効期間の伸長などの規定を改正することによって、現在の10倍の法人が認定を受けられるようになると見込んでいる。
「認定NPO法人制度(NPO支援税制)の実態調査」を実施したのは、自由民主党組織本部 団体総局 NPO・NGO関係団体委員会(委員長:熊代昭彦衆議院議員)。
調査の目的は、「市民活動の環境整備の一環として、NPO法人の実態を把握し、税制改正にあたっての基礎資料とする」こと。つまり、今年の末に決定する来年度税制改正にあたって、認定NPO法人制度について、自民党として、NPO支援の一環として認定要件の緩和などを進めていくための検討資料という位置づけだ。
アンケートは、5月中旬に無作為抽出された全国5,484のNPO法人に送付された。そのうち回答があったのは1,507法人。うち、有効回答数は1,424法人で、有効回答率は26%となっている。
アンケート結果によれば、「認定」を受けない理由としてもっとも多い回答は「認定要件を満たすことができないから」で63.1%。次に「認定要件が複雑すぎて理解できないから」が26.3%、3番目には「認定の制度のことをよく知らないから」が21.5%となっている(複数回答)。
具体的に満たすことができない要件や、認定を受けることを躊躇させる制約や手間などに関する質問に関しては、「日本版パブリック・サポート・テスト(PST)」と回答した法人が85.0%でもっとも多く、次に「認定の有効期間が2年のみ」が47.5%、3番目に「会員等を対象とする活動が50%未満でなければならない要件」が30.1%と続いている(複数回答)。
また、この調査により、もっとも困難な要件とされる日本版パブリック・サポート・テスト(PST)をクリアできると考えられるNPO法人のうち、約4分の3の法人が年間予算規模1千万円以下の小規模法人だということも明らかになった。規模が小さい法人の方がパブリック・サポート・テストはクリアしやすいが、手間やメリットから申請できないでいるという現状が出てきている。
こうした結果から、「調査結果分析報告」では、日本版パブリック・サポート・テストを大幅に緩和し、「会員等を対象とした活動は50%未満」とする要件を廃止し、かつ認定の有効期間を伸長した場合には、現在の認定の10倍のNPO法人が国税庁長官「認定」を受けられるという試算をしている。
自民党では、この調査結果をもとに、認定要件の緩和に向けて、今年末の税制改正に向けて党内で議論をしていきたいとしている。
この調査結果分析報告は、次の自民党のホームページから読むことができる。
http://www.jimin.jp/jimin/saishin04/index023.html
(PDFファイル)