行政 : 「認定要件緩和は疑問」財務大臣が答弁
10月26日、衆議院の財務金融委員会で熊代昭彦衆議院議員が、認定NPO法人制度について「米国のように設立後4年間はパブリックサポートテストを課さず、団体の成長を見た上で4年後に厳格なテストを課すという仮認定の仕組みを設けてはどうか」と質問したことに対し、谷垣禎一財務大臣は「要件をゆるめて認定数を増やすという措置は適切かどう疑わしい」と要件緩和に否定的な見方を示した。
このやりとりは、10月26日、朝10時から衆議院の財務金融委員会で行われた。
この日の財務金融委員会は、まず、冒頭、台風23号及び新潟中越地震の被災者への黙祷から始まった。その後、熊代昭彦衆議院議員(自民党)は、認定NPO法人制度が十分に活用 されていないことを述べ、認定要件の緩和について、財務大臣に対して質問を行った。
熊代議員は冒頭、台風の被災地や中越地震に触れ、災害対策や海外の援助活動に、政府と共に、NPO法人が活躍していることを指摘。
NPO法人が1万8千を超えている中、認定法人はわずか25法人と少ないことを指摘、「政府の財政状態が厳しくなる中、活発な民間の活動は重要である」と、NPO活動の重要性を強調した。そして現在、毎月500法人以上のNPO法人が認証を受けている一方で、寄附優遇が受けられる認定 NPO法人がわずか25法人という、認定制度が十分活用されていないことを説明した。
その上で、アメリカのパブリック・サポート・テスト(PST)の制度の実例を引 用して、「日本におおらかな寄附文化を根付かせるためには、例えばアメリカのように設立後4年間は厳しいPSTを課さず、団体の成長を見た上で4年後に 厳格なテストを課すなどの措置を検討しては。」と、PSTの緩和施策について、谷垣禎一財務大臣に質問を行った。
この質問に対し、谷垣財務大臣は、「認定NPO法人制度は、寄附金が増えることで租税を減免しようとする措置であり、PSTは、広く一般からの寄附を受け入れているという公益性を担保する客観的な指標と考えている。当初の認定のみといっても要件を緩和することに疑問を感じている。平成15年に要件を緩和しているので、まず、これを十分活用していただきたいと考えている。」と答弁した。
これに対し熊代議員は、「おおらかな寄附文化の醸成は大切であり、団体を育てる意味でもアメリカに負けない制度を日本につくるという視点で制度を検討し ていただきたい。」と発言。
財務大臣も、「今後制度を勉強していきたい。」とコメントした。