行政 : 公益法人改革、税制の議論は来年に
政府税制調査会の石弘光会長は、10月19日の記者会見で、公益法人制度改革における税制の検討は、来年の検討になるとの見通しを示した。記者からの質問に対して、今年11月に出る有識者会議の改革案を見た上で、年明け以降に慎重に進めたいと語った。
政府は、当初、今年末までに、内閣官房におかれた有識者会議の報告書と政府税制調査会での議論をまとめて、公益法人制度改革に関する政府案を作成したいとしていた。
しかし、有識者会議の検討は、今年にはいってからスローダウン。
具体案が決まらない状況が続き、今年11月に報告書を出すという運びとなっている。
一方、政府税制調査会の下の「非営利法人課税ワーキンググループ」は、今年に入ってから一回も開かれず、税制部分の議論がいつ再開されるのかが注目を集めていた。
10月19日開かれた税制調査会基礎問題小委員会終了後の記者会見で、石弘光会長は、「公益法人等々は年が明けてからの議論になる」と語り、公益法人改革においての税制の議論は、来年になるとの見通しを語った。
また、昨年税調で行われた「非営利法人は原則課税である」というような議論の仕方は、問題があったとの認識も示した。そして、「大上段で原則課税だ、原則非課税だとかいう形で一刀両断的に整理しちゃうというのについては、ちょっと今度は慎重にやらなきゃいけない」と、慎重に議論を進める考えを示した。
また、まだまったく議論になっていない寄附金税制についても議論をはじめたいという考えを示した。
記者会見の全文は以下のホームページで読むことができる。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/kiso_b23.htm
公益法人課税に関する、記者会見での石会長と記者とのやりとりは以下の通り。
(石会長)
それから、公益法人等々は年が明けてからの議論になると思いますけれども、それとの関連において寄附金税制というのをそろそろ検討しなきゃいけない、そういう時期が来るかもしれないという議論でございます。
(中略)
(記者)
あと、公益法人の課税の関係は、今日はどうでしたか。
(石会長)
公益法人につきましては皆さんかなり関心がありまして、これまでの経緯から見て、今内閣官房の有識者会議でやっておるのが、今年中ぐらいに出てくるんでしょうかね、税を抜いたところで。それを受けて、中間法人を含めたり等々でどういう議論をしようかという議論をしておりますが、今日あった中で、大上段で原則課税だ、原則非課税だとかという形で一刀両断的に整理しちゃうというのについては、ちょっと今度は慎重にやらなきゃいけない。昨年、たしか一時議論になった、非営利法人は原則課税であるというような話があって、かなりの反響というか、かなりの抵抗を受けたということもあって、そこら辺は慎重にやりたいと思いますが、とりあえず公益法人の枠自体がはっきりしないと、その中で税というものがどういうふうに位置付けられるか分からないので、それを待っている状況です。いずれにしてもわれわれのところに来るのが目に見えておりますから、それは本格的に、来年以降になると思いますけれども、議論したいと思っています。
(記者)
今の確認ですけど、やはり公益法人の部分も来年度税制改正でやるのですか。
(石会長)
これは、年明けてからと思っているんですよ。税の問題が起きるのは。そういう意味では来年の税制改正には特別入らないけど、ただ、引き続き公益法人というものについては議論しなきゃいけないという問題意識等々は、ちゃんと中長期的視点から整理して、答申案には書き込みたいと思います。