行政 : 国交省、景観法施行令の骨子案発表
国土交通省は、10月15日、今年6月に成立した「景観法」に基づく「景観法施行令」「景観法の施行期日を定める政令」などの骨子案を公表した。骨子案には、景観計画の策定を提案できるNPO法人などの基準なども盛り込まれている。同省は、11月5日までパブリックコメントを募集中。
今年6月11日、景観法を含む景観緑三法が成立した。景観緑三法とは、景観法、同法施行関係整備法、都市緑化保全法等の一部を改正する3つの法律をさす。
このうち景観法は、良好な景観を「国民共通の資産」として位置づけ、今まで条例などで自治体が独自に規制を設けてきた景観条例に、基本理念や規制などの法的根拠を与える包括的な基本法。今年12月17日に施行される。(一部来年6月から施行)
景観法では、都道府県との協議と同意を得た市区町村などを「景観行政主体」とし、「景観行政主体」が策定する「景観計画」区域内で建物の新築や工作物の設置、土地変更などを行う場合は事前に届出なければならなくなる。この届出の内容が景観計画に適合しない場合、「景観行政主体」は設計変更など必要な措置を取るよう勧告・協議・命令できるとしている。
また、NPO法人などに関しては、同法で自治体が策定する景観計画への提案主体となれること、景観重要建造物や樹木を管理したり、利用されない棚田などを耕作する景観整備機構になれることが盛り込まれている。
10月15日に国土交通省が公表した「景観法施行令案」は、自治体による景観計画策定の際の基準などを示したもの。
景観法施行令案では、景観計画によって景観行政主体である市町村などが開発者の行為を制限する場合の基準として、建築物や工作物が、一体として地域の個性や特色の伸長に資するものとなること、高さ、位置などが一体として地域の特性に相応しいものとなること、開発後の地貌が地域の景観と不調和にならないように定めることとし、あわせて、建築物や工作物の利用を不当に制限するものではないこと、などを求めている。
また、景観計画の策定を提案できるNPO法人などについては、提案の対象となる土地の規模を0.5ヘクタール以上とするとともに、NPO法人などによる景観形成の活動状況などを勘案して特に必要があると認められるときは0.1~0.5ヘクタールの範囲内で別に定められることとしている。
国土交通省では、寄せられたパブリックコメントを担当部局において取りまとめて検討を行い、11月中旬に閣議決定する。
「景観法施行令」及び「景観法及び景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」の制定に関するパブリックコメント(意見提出手続)の実施については、国土交通省サイト内、下記を参照のこと。
http://www.mlit.go.jp/pubcom/04/pubcomt41_.html