行政 : 国際子ども学校、第1回レナト賞受賞
10月31日、社会的弱者の立場に立って人道活動などを続ける個人や団体を表彰する「第1回ステファニ・レナト賞」が、在日フィリピン人の子どもを支援する愛知県の市民グループ「国際子ども学校」(池住圭代表)に贈られる。この賞は、昨年十月六日に東ティモールで活動中に事故死した名古屋NGOセンター元理事長のイタリア人神父、ステファニ・レナトさんの精神を後世に伝えるためNPO法人名古屋NGOセンター(山下政一理事長、加盟43団体)が創設したもの。
「ステファニ・レナト賞」は、昨年東ティモール支援中に交通事故死したステファニ・レナト神父(享年66歳)の遺志を継ぎ、「人間の尊厳を守るため地道な活動を行っている」個人や団体を表彰するもの。ステファニ・レナト神父の呼びかけで95年設立されたNPO法人名古屋NGOセンター」(山下政一理事長、加盟43団体)が創設した。
ステファニ・レナト神父は日本滞在37年を経て、2002年1月から東ティモールの山岳地帯の古い教会へ赴任し、独立後の東ティモールの人々のために尽くした。
日本での生活中は、ニカラグアへの医療支援や外国人の指紋押なつ拒否に取り組み、1992年には「人権派神父」として、名古屋弁護士会から「人権賞」を授与されている。2003年10月6日、東ティモールの首都ディリからアッサベに戻る途中、雨と深い霧のため運転する車のタイヤが穴にはまり、がけから転落して他の同乗者2人と共に逝去した。
「第1回ステファニ・レナト賞」には愛知県内を中心に13件の推薦があり、有識者6人の選考委員会が審査した結果、在日フィリピン人の子どもを支援する愛知県の市民グループ「国際子ども学校」(池住圭代表)の受賞が決まった。
「国際子ども学校」は名古屋学生青年センター(名古屋市昭和区)が1998年に設立。就学の機会のない在日フィリピン人を受け入れ、フィリピン語や英語、算数といった授業のほか、健康診断なども行っている。
現在は4-12歳までの20人が通学。これまでに登録した子どもは100人を超えるが、月2万円の授業料すら払えない子が多いという。同校は募金で運営され、フィリピンから招いた教員やボランティアが授業や課外活動の指導にあたっている。
授賞式は10月31日、名古屋市で行われる。
「国際子ども学校」の池住圭代表は、「この不況の中、国際子ども学校は運営に苦慮しながらも頑張ってきた。ステファニ・レナト賞の受賞によって、学校に行きたくても行けない日本に住む外国人の子どもたちについて、より多くの方々に関心を持っていただければと思う。これからも、そうした子どもたちのために国際子ども学校をより充実したものにし、またできる限りたくさんの子どもたちに継続して通学してもらえるように活動していきたい。」と語った。
国際子ども学校のホームページは下記。
http://www.nskk.org/chubu/nyc/elcc/elcc.html