行政 : 宮城県、遊休施設を公募で貸出
宮城県が、遊休施設をNPOに貸出す事業をスタートさせた。今回の対象は県所有の校舎や職員宿舎など3施設で、貸出し先選定にあたって、公開コンペを実施する。申請受付は11月15日まで。同時に、住所の非公開が必要なシェルター事業などを展開する団体からも相談、提案を受付ける。
今回、NPOを対象に貸出すのは技術専門校の校舎(延床面積570.92平米、月額164,938円)、警察署長宿舎(延床面積95.70平米、月額28,590円)、養護学校職員宿舎(延床面積160.68平米、月額27,651円)の3施設。いずれも、選定されれば5年間借りることができるのが特徴だ。
公有の財産には大きく分けて、行政上の目的のために供される「行政財産」と、特定の行政目的のために用いられず、貸付や処分などをして財政収入とすることもできる「普通財産」の2種類がある。
行政財産は、一般的に目的外使用や普通財産への変更といった名目の変更は難しく、国の補助金を受けて作られた施設などは所管大臣の承認を得なければならないことになっている。このことが障害になり、社会情勢の変化で施設が使われなくなっても用途変更が難しく、問題となっていた。
宮城県では、遊休化し、状態のよかったこれら3施設が県所有施設であったことから、県知事の承認を経たうえで普通財産に変更。情報を公開して貸出先を募ると発表した。同県では国の補助金を受けた施設であっても、条件が整い次第、順次貸出していく方針。
県では、参加の公平性を担保するため、公開コンペで貸付団体を選定する。審査基準は、社会的必要性、緊急性があり、ニーズに応える手法が的確で、施設全体、立地条件を有効利用し、安定的に事業を供給できること。これらの評価が一番高いところに貸出すことで、公益サービスの総体量増加をねらう。
技術専門校と、養護学校職員宿舎は、ほかのNPOへの転貸も認める。
23、24日の両日、各施設で現地説明会を開催し、11月15日まで申請を受け付ける。現地説明会の申し込みは20日の午後5時まで。
県では同時に、シェルター事業など、住所の非公開が必要な事業を展開する団体からも相談、提案を受け付けている。企画内容によっては、他部署などとの協働事業として展開できないか調整する予定。
募集案内や施設の詳細は以下のURLを参照のこと。
http://www.pref.miyagi.jp/npo-seisyou/purom2.htm