行政 : 今日、シーズ結成10周年
今日、2004年11月5日、シーズ=市民活動を支える制度をつくる会(代表:武者小路公秀)は、結成10周年となる。シーズは、1994年11月5日に、NPO法とNPO支援税制の創設をめざして、21の団体により結成された。シーズは、このNPOWEBの運営団体である。
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会は、1994年11月5日に、3つの研究会を母胎にして、21の市民団体により結成された。
3つの研究会とは、「市民活動推進法研究会」(事務局:東京ランポ)、「NGO税制の改善に関する研究会」(事務局:(社)自由人権協会)、「NGO活動推進委員会」(事務局:市民フォーラム2001)。
結成時に目的としたのは、以下の3つの制度の創設である。(結成時規約より抜粋)
(1)法人格の簡易な取得
市民団体は、会社と同じように一定の要件を満たすことにより、法人となることができるようにする。
(2)市民活動を推進する税制の整備
市民の自発的社会活動を推進するため、税制を整備する。
i)寄付、ボランティア活動の経費などを
税の控除対象とすることii)市民団体に対する課税を軽減すること
(3)市民活動情報の公開
市民活動の発展と市民参加の促進のため、これら団体の活動情報などを公開する仕組みを創設する。
シーズは、結成直後から、議員立法と市民参加型の立法をめざして、市民活動推進法試案の発表、税制案の発表、全国各地でのフォーラム・集会や国会議員との学習会・シンポジウムの開催、ロビー活動を展開。
その活動の成果として、1998年3月には、特定非営利活動促進法(NPO法)が成立した。
この法律により、シーズの目的である「法人格の簡易な取得」と「市民活動情報の公開」の二つが実現。
また、NPO法の立法に至るシーズをはじめとする市民参加型の立法形態は、「市民&議員立法」と呼ばれ、新しい立法の姿として注目を集めた。
NPO法成立後、残った「市民活動を推進する税制の整備」の実現を求めて活動を継続。
2001年3月には、「認定NPO法人制度」が創設されることとなった(施行は2001年10月)。
これにより、シーズの目的である「市民活動を推進する税制の整備」のうち、i)の寄付税制の整備にあたる部分が実現された。
しかし、2001年時点では、ii)の「市民団体に対する課税を軽減すること」が実現しておらず、またせっかく施行された認定NPO法人制度も、その対象団体になるための要件が厳しすぎ、ほとんどのNPO法人が「認定」を受けられないことから、制度改正の運動を展開。
2003年4月には、認定NPO法人制度の改正を実現した。
この改正で、ii)の「市民団体に対する課税の軽減」の仕組みも創設され、設立当初の目的は一応達成することとなった。
しかし、いまだに認定NPO法人制度の要件が厳しすぎることや、新たに起こってきた公益法人制度改革の議論が、NPO法の意義を危うくしかねないという事態を受け、現在も活発に活動を継続中である。
なお、2004年の総会では、設立当時の目的が一定の達成をみたことから、規約を改正し、以下の二つを目的として新しい活動に乗り出している。(現行規約より抜粋)
(1)市民活動団体の財政的自立
市民活動団体が、市民社会から支持される団体としての財政的自立が果たせるよう、その基盤づくりをします。
(2)市民活動団体にかかわる制度の充実
市民活動団体が、より活発に活動できるよう、既存の法律や制度の改正、新しい制度づくりを行います。
シーズでは、この年末にかけて認定NPO法人制度改正の動きに集中するため、来年春頃に設立10周年記念イベントを実施する計画である。
シーズは、会員や支持者からの会費・寄付によって支えられ活動を展開する市民活動団体であり、現在、会員を広く募集中である。シーズへの入会については、次のページを参照のこと。
https://www.npoweb.jp/aboutcs/aboutcs3.php3