行政 : 四国労金がNPO融資開始
四国労働金庫(香川県高松市)が、11月1日より、四国4県に主たる事務所を有するNPO法人向けに「NPO事業サポートローン」を開始した。すでにNPOを対象とした助成事業や、手数料免除制度を実施してきたが、さらにNPO支援策を拡充させる。
四国労働金庫は、すでに2002年度からボランティア団体やNPO法人向けに助成事業を開始、送金手数料や一般業務手数料の一部を免除する取組みも実施していた。
これらの実績をふまえ、さらにNPO支援を拡充させようと、11月1日より、「NPO事業サポートローン」を開始した。これにより、労働金庫の理念である勤労者・市民が安心して暮らせる地域社会づくりをめざす。
全国労働金庫協会が、2004年度の業態機能強化計画にNPO施策の取組み強化を盛り込んだことも背景にある。この計画では、全国の労働金庫で、NPOに対する一定水準の取り組みが今年度中にできるよう全体の底上げを図ることを目標としている。
具体的には先進事例情報の紹介や、担当者が交流できる研究会の開催、資金の貸し手と借り手の関係にとどまらず、協働の関係を構築する視点からのNPO向け融資制度について商品性の改善などに取り組むことが掲げられている。
すでにメーリングリストによる先進事例等の情報共有や「ろうきんNPO協働研究会」での事例研究、情報交流がはじまっているという。また、NPOの信用力を補完するスキームとして、(1)第三者による当該NPO事業の社会性等評価を加味した商品スキーム、(2)融資の担保預金を市民に提供してもらう商品スキームの成案化など、NPO向け融資制度の改善も検討中とのことである。
このほど開始された四国労働金庫の「事業サポートローン」の対象団体は、活動開始後3年以上経過していることが条件。しかし、法人格取得前の活動実績もカウントされ、法人格取得後1事業年度の決算が確定している団体であれば、分野を問わず対象となる。
また、資金使途は、運転資金、設備資金で、行政・助成団体等からの委託金や助成金が支給されるまでのつなぎ資金も対象となる。
融資限度額は、無担保の場合は500万円(つなぎ資金は、委託金、助成金の範囲内)、有担保の場合は、担保評価の範囲内で、3000万円が上限。返済期間は、運転資金の場合は1年、設備資金の場合は原則5年で、担保があれば10年。不動産取得の場合は20年までも可能。
無担保の場合は固定(1年以内 3.375%、1年超5年以内 3.875%)、有担保は変動金利(5年以内 2.575%、5年超 2.875%、11月1日現在)となり、この利率は、会員向けと変わらないものとした。
融資申込み法人の代表者を含む2名以上の連帯保証人が必要。
同金庫にはすでに、数件の問い合わせが入っているという。
「NPO事業サポートローン」の詳細は以下のURLを参照のこと。
http://www.shikoku-rokin.or.jp/