行政 : 5議員が参加して認定制度改正の集会開催
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(以下、連絡会)は、11月17日、「認定NPO法人制度改正を求める東京決起集会」を開催した。集会には、自民、民主、公明、共産、社民の5党からNPO担当国会議員が出席。「認定NPO法人制度の改善に関する要望書」と、全国から集められた約2600名の要望書への賛同署名が手渡された。
2001年10月に施行された認定NPO法人制度は、施行後すでに丸3年が経つにもかかわらず、この制度で税制上の支援が受けられる「認定NPO法人」は、わずか25法人。 認定要件が厳しすぎ、実態に合っていないことから改善が強く求められている。
シーズも参加する全国のNPO支援センターのネットワーク組織「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」(以下、連絡会)は、11月17日午後6時半から、日本青年館(東京都新宿区)にて、「認定NPO法人制度改正決起集会」を開催した。
この決起集会には、全国から約180人のNPO関係者が集まり、与野党の5名のNPO担当国会議員が登壇。また、2名の国会議員が参加者として来場し、集会は熱気に包まれた。
この集会に登壇者として出席したのは、次の5名の国会議員。
- 熊代昭彦 衆議院議員(自由民主党)
- 若井康彦 衆議院議員(民主党)
- 山本 保 参議院議員(公明党)
- 吉川春子 参議院議員(日本共産党)
- 福島みずほ 参議院議員(社会民主党)
参加者として来場したのは、小宮山泰子衆議院議員(民主党)と山本たかし参議院議員(民主党)。
冒頭、集会に先立って連絡会が行った改正に向けての全国キャンペーンについて、大阪ボランティア協会の早瀬昇事務局長から報告があった。全国のNPO法人代表者に「認定NPO法人制度の改善に関する要望書」への賛同署名を募り、集会当日に、2,597通の署名を添えた改正要望書を230名の国会議員に手渡したこと、全国各地で改正を求める集会を開催していることが報告された。
早瀬氏は、認定要件の問題点として、パブリックサポートテスト、 共益団体排除の規定、単年度主義、情報公開基準、申請書類の煩雑さなどを挙げ、「これらを総合的に抜本的に改正しなくては解決しない」と訴えた。
つづいて、全国各地で改正を求める声が高まっていることが、各地のNPO支援センター関係者から報告された。
集会では、日本NPOセンター山岡義典氏が「認定NPO法人制度の改善に関する要望書」を読み上げた後、賛同署名名簿とともに各党の国会議員一人ずつに手渡して、制度改善の必要性を訴えた。
要望書を受け取った国会議員からは、各党のNPO施策と認定NPO法人制度改正への決意が表明された。
「おおらかな寄附文化の醸成のためにも、要件を緩和して認定NPO法人を増やしたい。」(熊代議員)、「前回の改正から2年経ち、今年は改正のチャンス。」(山本議員)、「NPOの経済的自立のために、みなし寄附金制度を拡充すべき。」(若井議員)、「社会福祉法人並みの税制優遇を実現したい。」(吉川議員)、「単年度主義では、活動を積み上げていくことが難しいので見直したい。」(福島議員)、といった発言があった。
また、参加した認定NPO法人の関係者は、「事務手続きの煩雑さで活動が損なわれてしまう。手続きの簡便化と認定期間の伸長が必要。」などと、制度改正を強く求めた。
連絡会は、10月から認定NPO法人制度改正のための全国キャンペーンとして、奈良、大阪、神戸、長野、北海道において集会を開催。今後も引き続き、岐阜(11/23)、青森(11/27)、広島(11/29)、茨城(12/4)、福岡(12/5)、熊本(12/11)、仙台(12/18)、新潟(日程調整中)で集会を行い、全国各地でも改正要望書と賛同署名を地元国会議員に届けて制度改善を求めていく。