行政 : 佐賀県、CSOとの協働指針策定
佐賀県は、10月29日、「県民協働指針」を策定し発表した。指針では、協働の対象を「市民社会組織(Civil Society Organization=CSO )と行政との協働」としている。県によれば、NPOとの協働が各地で展開されているなか、協働のパートナーとして「CSO」を位置づけたのは佐賀県が初めてとのこと。
佐賀県は、平成16年度を県民協働元年と位置づけ、「県民協働指針」の策定を目指してきた。
県は「協働」について、「異種・異質の組織が、共通の社会的な目的(公益の実現)を果たすためにそれぞれの特性を持ちより対等な立場で協力して共に働く」ことと定義。指針の対象は、「市民社会組織(Civil Society Organization=CSO )と行政との協働」とした。
県によれば、NPOとの協働が各地で展開されているなか、協働のパートナーとして「CSO」を位置づけたのは佐賀県が初めてとのこと。県は、「市民社会組織=CSO」とは、NPOやボランティアグループなどのように興味や関心で集まる団体・組織としての「志縁組織」と、自治会、PTA、婦人会、老人クラブなど地域を基盤とした「地縁組織」をあわせたものを意味するとし、それらを公共サービスの新しい担い手と位置づけた。
この指針策定に当たって、県は民間人からなる「CSO推進機構」を設置。今年5月から県民が自由に参加できる県内4地区での全体会議、ワークショップ、出前講座、市町村への説明会などを開催してきた。また、10月には指針案を公開して、パブリックコメントを実施した。
それらの結果をもとに、県は「県民協働指針」をとりまとめて、10月29日に発表した。
指針では協働のための基本原則を「対等な関係」、「相互理解」、「目的の共有と明確化」、「情報公開と守秘義務」としている。
また、協働のための環境整備として、職員研修、協働事業の提案募集、県内のCSOリストの整備、CSO活動支援オフィスの整備、NPO法人への会計や労務などの専門家派遣といった促進策が盛り込まれている。
佐賀県県民協働課の担当者は、「県民に参加してもらった『CSO推進機構』を設置して、各地で説明会を開催するなど、この指針策定の過程自体に県民との協働理念を取り入れた。あえてNPOではなくCSOという語を採択したのは、佐賀県には地域住民が参加する地縁組織がしっかりと根づいており、そういった主体との連携も重要だと考えたから。この指針をもとに協働の実践を積み重ね、行政自身が行財政改革、地方分権の推進、規制緩和といった自己改革を進めると同時に、CSO自身も組織内部のマネジメント能力を高め、いきいきと活動できるよう、環境整備を進めて、共に活力ある市民社会づくりをめざしたい。」と抱負を語った。
佐賀県の「県民協働の指針」は、同県サイト内、下記を参照のこと。
http://www.pref.saga.lg.jp/portal/ty-contents/WH/FWHM000601Action.do?CNT_ID=2510&contentSetId=CID070&categoryId=254&showCrumbList=true