行政 : 市川市、1%条例案を提出
12月1日、千葉県市川市は、「納税者が選択する市民活動団体支援に関する条例」(案)を市議会に提出した。この条例案は、希望をすれば個人市民税の1%を納税者自身が選んだNPOの活動に対する助成金とすることができるというもの。可決されれば国内初の取り組みとなる。
千葉県市川市が来年度からの導入をすすめている「市民活動支援制度」は、市民が希望をすれば個人市民税の1%を納税者自身が選んだNPOの活動への助成金とすることができるというもの。この制度の目的は納税者意識の高揚と、市民活動の活性化のふたつ。
市は、今年7月に制度案の概要をまとめ、団体対象のアンケートやパブリックコメントを実施してきた。また、9月議会でも一般質問の中で質疑応答をおこなった。市はそれらを踏まえて条例案をまとめて、12月1日、議会に提案。8日より市議会が開催され、今後、審議に入る予定。
この制度により支援団体を選択できるのは、前年度分(平成17年4月実施予定分については、平成16年度分)の市川市の個人市民税の納税者で、それを完納している市川市民。支援の額は、納税者の前年度の個人市民税の1%に相当する額。
市民税によって支援を受けられるのは、市内のNPOが市内で実施する、市民を対象にした事業。福祉、環境、文化、スポーツ、青少年育成など、営利を目的としない公益的な活動で、市から平成17年度に別の補助金を受ける予定の活動でないことも要件。条例が可決されれば、1月から対象事業の募集を開始する。
申請できる支援の額は、対象となる活動にかかる経費の2分の1まで。申請額の上限は設けない。
納税者が、特に支援したい事業はないが市民活動を支援したい場合は、同時に創設が予定されている「市民活動団体支援基金」に入れるという選択も出来る。
市は、議案が可決されれば、この制度を運用するため「市民活動団体支援制度審査会」を設置する。審査会は学識経験者、公募に基づく市民委員など計7名で構成。市長は、審査会に対して、支援対象団体の決定や変更申請の諾否の審査、基金の運用などについて意見を求める。
このような方式の税制は、海外では、ハンガリー、スロバキアやリトアニアにおいて実施され、俗に「ハンガリー方式」と呼ばれている。ハンガリーでは1996年に「所得税1%法」が制定され、納税者が納める所得税の1%を、自ら選んだNPOへ献金することを認めている。もし、どこも支援したくないという場合には、その1%は政府の国庫に入る。
他にも、国内では、埼玉県志木市が個人住民税の1%の使途を市民アンケートの結果で決める「住民自治基金制度」の導入を目指してきたが、12月の市議会では時期尚早とされ、関連条例案の提案は撤回されている。志木市はパブリックコメント募集などを実施して、さらに市民の理解を深めた上で、あらためて再提案することを目指している。
なお、市川市が議案提出に際して発表した「記者会見資料」と条例案は以下の通り。
記者会見資料
「納税者が選択する市民活動団体支援への支援に関する条例」(案)について
平成16年12月 企画部
納税者が選ぶ市民活動団体支援制度については、7月に制度案の概要を纏めて以降、団体対象のアンケートやパブリックコメントを実施してきました。また、9月議会でも一般質問の中でご意見やご指摘をいただきました。それらを踏まえこのほど条例案がまとまりましたので、これを12月議会に提案いたします。
なお、7月に報道されて以来、全国の自治体やNPOからの電話照会、視察、シンポジウムの講師の依頼等も多く、また、各県の地方紙のインターネットでも紹介されており、条例のなりゆきが全国的な関心のもとに見守られております。
制度の目的
本制度は、このように納税者意識の高揚と、市民活動の活性化という、いわば一石二鳥を狙った制度です。
住宅都市である市川市は、約8割の納税者が給与からの源泉徴収であり、市民税の特別徴収も7割になります。このように、いわば給与から天引きにより納税している市民は、自らの納税額、ひいては税の使われ方に対しての関心も低いと思われます。現行の税制度では自らの納税について、納税者が直接的に使途を決めることはできませんが、その使い道について、意思表示することで、税についての関心を高めたいというのが制度の目的の一つであります。それにより「自らの地域は、そこに住む人々が自らつくる」という、市民主体の地域づくりを実感してもらうものです。
同時に、本制度はボランティア団体やNPO法人など市民活動団体との協働を促進する目的を持ちます。これまでも、市民活動団体は、行政の手の届かない部分、あるいは行政よりきめ細かな事業を実施してきました。市民活動団体ならではの地域に密着した活動も多くなっています。今後、高齢化がさらに進み、また、団塊の世代がリタイヤする時代を迎えると、市民活動のサービスの受け手としての需要や、また、これらの世代が、生き甲斐や社会貢献のためにサービスの担い手として参加していく受け皿としての需要も増していくでしょう。もちろん、行政にはできない団体独自の新たな事業展開も期待されます。したがって、これからのまちづくりのポイントは、市民活動団体をいかに活性化し、行政との協働の関係を強化していくことにあると考えられます。しかし、団体の財政基盤は非常に脆弱な場合が多い。これらの団体が設立目的に沿って十分な活動を展開するためには、市民からのサポートが必要になってきます。本来は、これらの団体は、市民が支えるという構図になることが望ましいですが、その体制が十分とはいえない現段階では、その一部を行政が支援するということも必要です。行政と市民とは対等な関係にありますが、行政が団体を支援するとなると、行政の下請け、上下の関係と誤解を受けます。そこで、支援先を決めるのは市民であるとしました。
この制度には、市民活動団体への財政的支援ということではなく、行政と市民との協働の時代にあって、市民活動が、多くの市民に理解され、地域に根付いて、さらに活性化し、行政の単体では出来ないような事業を、民の力で展開してもらいたいという期待が込められています。
制度の仕組み
(納税者)
この制度により支援団体を選択できるのは、前年度分(平成17年4月実施予定分については、平成16年度分)の市川市の個人市民税の納税者で、それを完納している市民とします。
(対象となる団体)
支援の対象となる団体については、市内に事務所を有し、市内において活動していること、営利を目的とせず、市民の福祉の増進に寄与することを目的とする活動を自主的に行っていること、など具体的に条例で定めています。
(対象となる活動)
支援の対象となる事業は、市内で実施する、市民を対象にした事業に限定する。福祉、環境、文化、スポーツ、青少年育成など、営利を目的としない公益的な活動で、市から平成17年度に別の補助金を受ける予定の活動でないことも、支援の要件とします。
(支援の対象経費と支援の額)
支援の対象となる活動に要する経費で、申請できる支援の額は、対象となる活動にかかる経費の2分の1まで。申請額の上限はありません。
(集計・計画変更)
各団体への支援の額は、その団体を選択した納税者の前年度の個人市民税の1%に相当する額を基本に市が予算の範囲内で決めます。(納税者は、特に支援する団体はないが、市民活動を支援したい場合は、後述する市民活動団体支援基金に入れるという選択も出来ます。)市は支援額を団体ごとに集計し公表しますが、その結果により団体が支援額に応じて事業の変更を希望する場合は、計画変更の申請ができます。
(事業の実施)
団体は補助金の額の決定の通知を受け事業を実施した後に、事業の成果を記載した実績報告書等の必要書類を添付して精算することとなります。なお、団体は事業の実施前に概算払いの補助金の交付を受けることができます。
市民活動団体支援制度審査会
この制度を適切に運用するため市民活動団体支援制度審査会を設置する。審査会は学識経験者、公募に基づく市民委員など計7名で構成します。市長は、支援対象団体の決定や変更申請の諾否の審査、基金の運用などについて意見を求めます。
市民活動団体支援基金
NPOなど市民活動を市民が支えていくための資金の受け皿として創設します。この基金は、個々の団体の申請額(活動にかかる経費の2分の1)を超えた支援額、納税者が基金への指定をした支援額、市民や法人等からの寄付などを積み立てます。将来的には、団体への支援もこの基金を活用します。
スケジュール
平成16年12月市議会に条例案、ならびに年度内に先行して行う審査会にかかる報酬等の経費の補正予算を提案します。
議案が可決されれば、条例の施行は平成17年4月1日、ただし、団体の募集、審査会に係る規定は公布の日から施行とします。平成17年1月には団体から事業提案を募り、同時に1月に市民活動支援制度審査会の市民公募委員の公募をします。3月までに支援対象団体を選びます。平成17年度予算は見込みで計上します。
平成17年4月に、候補となる団体を掲載した広報特集号(各団体からの活動PRの原稿をそのまま写真製版する)を発行します。納税者等(具体的には16年度市民税の納税者等)が選択をするのは4月から5月になります。集計結果は6月までに出し、その後、各団体へ概算払い、当該活動終了次第、事業報告を提出することになります。
詳細問合せ
総務部審議監 小川 内線2410
企画部次長 杉山 内線2330
企画政策課長 岡本 内線2301
議案第41号
市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例の制定について
市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例を次のように定める。
平成16年12月8日提出
市川市長 千葉 光行
市川市条例第 号
市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、納税者が選択する市民活動団体に対し、納税者の個人市民税額等を考慮して定める市川市市民活動団体支援金(以下「支援金」という。)を交付する制度(以下「市民活動団体支援制度」という。)を設けることにより、市民の納税に対する意欲を高めるとともに、市民活動団体の活動の支援及び促進を図り、もって市民の福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 納税者 第7条第1項の規定による届出時において、本市に住所を有し、かつ、支援したい市民活動団体の選択をしようとする年度の前年度に課税された本市の個人市民税でその納期が到来しているものを完納している者をいう。
(2) 市民活動団体 ボランティア活動を行う団体、特定非営利活動法人その他の非営利活動を行う団体であって、福祉、環境、文化、スポーツ、青少年育成その他の社会貢献に係る分野の活動をしているものをいう。
(交付資格団体)
第3条 支援金の交付を受ける資格のある市民活動団体は、次に掲げる要件を満たしている市民活動団体とする。
(1) 市内に事務所を有し、市内において活動をしていること。
(2) 規約、会則、定款等を有していること。
(3) 第5条の規定による申請書の提出時において、1事業年度以上継続的に活動をしていること。
(4) 法令、条例等に違反する活動をしていないこと。
(5) 公の秩序又は善良の風俗を害する活動をしていないこと。
(6) 宗教的活動又は政治的活動をしていないこと。
2 前項の規定にかかわらず、同項第3号の要件を満たしていない市民活動団体であっても、その設立の経緯等を考慮して、同号の要件を満たしている市民活動団体に準ずるものとして市長が認める市民活動団体については、支援金の交付を受ける資格のある市民活動団体とする。
(交付を受けることができる事業)
第4条 支援金の交付を受けることができる事業は、次に掲げる要件を満たしている事業とする。
(1) 市内において実施するものであること。
(2) 福祉、環境、文化、スポーツ、青少年育成その他の社会貢献に係る分野のものであること。
(3) 営利を目的としないものであること。
(4) 市民を主たる対象とするものであること。
(5) 市民活動団体を構成する者のみを対象とするものでないこと。
(6) 支援金の交付を受けようとする年度に本市から別の補助金等の交付を受けていないこと。
2 前項の規定にかかわらず、同項第1号、第4号又は第5号の要件を満たしていない事業であっても、市民活動団体支援制度を設けた趣旨に合致しているものとして市長が認める事業については、支援金の交付を受けることができる事業とする。
3 一の市民活動団体がこの条例に基づき支援金の交付を受けることができる事業は、1年度につき1件とする。
(交付申請)
第5条 支援金の交付申請をしようとする市民活動団体は、申請書に次に掲げる書類を添付して市長に提出しなければならない。
(1) 団体概要調書
(2) 規約、会則、定款等の写し
(3) 申請事業計画書
(4) 申請事業収支予算書
(5) その他市長が必要と認める書類
(支援対象団体の決定等)
第6条 市長は、前条の規定により支援金の交付申請を受けたときは、市川市市民活動団体支援制度審査会の審査を経た上で、当該交付申請をした市民活動団体について、第4条に規定する要件を満たしている事業(以下「支援対象事業」という。)を実施する第3条に規定する要件を満たしている市民活動団体(以下「支援対象団体」という。)とするか否かを決定するものとする。
2 市長は、前項の規定により支援対象団体とすることの可否を決定したときは、その旨を当該決定に係る市民活動団体に対して通知するものとする。
3 市長は、第1項の規定により支援対象団体を決定したときは、規則で定めるところにより、その内容を公表するものとする。
(納税者の選択等)
第7条 納税者は、規則で定めるところにより、支援したい支援対象団体を1団体選択し、その旨を市長に届け出ることができる。ただし、特定の支援対象団体を選択することを希望しない納税者は、市川市市民活動団体支援基金に積み立てることを選択し、その旨を市長に届け出ることができる。
2 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出がこの条例及びこれに基づく規則に適合しているか否かを確認するものとする。この場合において、市長は、当該届出がこの条例及びこれに基づく規則に適合していないと認めるときは、当該届出を無効とすることができる。
(支援対象団体等の遵守事項)
第8条 支援対象団体は、納税者の支援を得るために、過度な広報活動又は不正若しくは不当な行為をしてはならない。
2 納税者は、支援対象団体に対し、自らが利益を受けるために、不正又は不当な働きかけをしてはならない。
(支援対象団体を選択した納税者の人数等の公表)
第9条 市長は、第7条第1項の規定による届出の受付を終了したときは、その結果を集計し、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を公表するものとする。
(1) 支援対象団体の名称
(2) 各支援対象団体を選択した納税者の人数
(3) 各支援対象団体を選択した納税者の前年度の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額
(4) 各支援対象団体の支援金の交付申請額
(5) 各支援対象団体に対する支援金の交付予定額
(6) 市川市市民活動団体支援基金に積み立てることを選択した納税者の人数
(7) 市川市市民活動団体支援基金に積み立てることを選択した納税者の前年度の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額
(支援金の額)
第10条 支援対象団体に交付する支援金の額は、第7条第1項本文の規定により当該支援対象団体を選択した納税者の前年度の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額(その額が支援対象事業に要する経費の額の2分の1に相当する額を超えるときは、当該2分の1に相当する額)を限度として、予算の範囲内において市長が定める額とする。
(交付申請内容の変更等)
第11条 支援対象団体は、交付申請をした支援金の額の変更を伴う申請内容の変更又は交付申請の取下げをしようとするときは、第9条の規定による公表が行われた日の翌日から起算して14日以内に、市長に対し、当該変更の申請又は当該取下げの届出をしなければならない。
2 市長は、前項の規定により支援金の額の変更を伴う申請内容の変更申請があったときは、速やかに、市川市市民活動団体支援制度審査会の審査を経た上で、当該変更申請の全部又は一部の承認をするか否かを決定し、当該変更申請をした支援対象団体に通知するものとする。
(交付決定等)
第12条 市長は、第9条の規定による公表を行った日の翌日から起算して14日を経過したとき(前条第1項の規定により支援金の額の変更を伴う申請内容の変更申請があったときは、同条第2項の規定による通知を行ったとき)は、速やかに、支援金の交付決定をするものとする。
2 市長は、前項の交付決定をしたときは、速やかに、当該交付決定を受けた支援対象団体(以下「支援決定団体」という。)にその旨を通知するとともに、規則で定めるところにより、これを公表するものとする。
3 市長は、第1項の交付決定をする場合において、支援金の交付の目的を達成するため必要があると認めるときは、条件を付することができる。
(支援決定事業の遂行)
第13条 支援決定団体は、支援金の交付決定の内容及びこれに付した条件その他市長の指示に従い、当該交付決定に係る支援対象事業(以下「支援決定事業」という。)を行わなければならず、いやしくも支援金を他の用途に使用してはならない。
(支援決定事業の遂行の指示)
第14条 市長は、支援決定事業が支援金の交付決定の内容及びこれに付した条件に従って遂行されていないと認めるときは、支援決定団体に対し、これらに従って当該支援決定事業を遂行すべきことを指示することができる。
(実績報告等)
第15条 支援決定団体は、支援決定事業が完了したときは、速やかに、当該支援決定事業の成果を記載した実績報告書に支援決定事業収支決算書その他市長が必要と認める書類を添付して市長に提出しなければならない。
2 市長は、前項の規定により実績報告を受けたときは、規則で定めるところにより、その内容を公表するものとする。
(支援金の額の確定)
第16条 市長は、前条第1項の規定により実績報告を受けたときは、当該実績報告に係る支援決定事業が支援金の交付決定の内容及びこれに付した条件に適合しているか否かを調査し、市川市市民活動団体支援制度審査会の審査を経た上で、適合していると認めたときは、交付すべき支援金の額を確定し、当該実績報告をした支援決定団体に通知するものとする。
(交付の請求等)
第17条 支援決定団体は、前条の規定により支援金の額の確定の通知を受けたとき又は次項の規定により概算払による支援金の交付を受けようとするときは、支援金の交付請求書を市長に提出しなければならない。
2 市長は、必要があると認めるときは、支援金を概算払により交付することができる。
3 前項の規定により概算払による支援金の交付を受けた支援決定団体は、前条の規定により支援金の額の確定の通知を受けたときは、速やかに、当該額の確定に基づく精算をしなければならない。
(交付決定の取消し)
第18条 市長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、支援金の交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1) 支援決定団体が偽りその他不正の手段により支援金の交付決定を受けたとき。
(2) 支援決定団体が支援金を他の用途に使用したとき。
(3) 支援決定団体が支援決定事業を中止し、又は廃止したとき。
(4) 支援決定団体が支援金の交付決定の内容又はこれに付した条件に違反したとき。
(5) 支援決定団体が市長の指示に従わないとき。
(6) 支援決定団体が第3条に規定する要件を満たさなくなったとき。
(7) 支援決定事業が第4条に規定する要件を満たさなくなったとき。
(8) その他支援決定団体がこの条例又はこれに基づく規則に違反したとき。
2 市長は、天災地変その他支援金の交付決定後に生じ、又は判明した事情により支援金を交付することが適当でなくなったと認めるときは、支援金の交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。
3 前2項の規定は、第16条の規定による支援金の額の確定があった後においても適用があるものとする。
(支援金の返還)
第19条 市長は、前条の規定により支援金の交付決定を取り消した場合において、支援決定事業の当該取消しに係る部分に関し、既に支援金が交付されているときは、期限を定めて、その返還を命ずるものとする。
2 市長は、第16条の規定により支援決定団体に交付すべき支援金の額を確定した場合において、既に当該確定額を超える支援金が交付されているときは、期限を定めて、その返還を命ずるものとする。
(市川市市民活動団体支援制度審査会の設置)
第20条 市民活動団体支援制度及び市川市市民活動団体支援基金の運用について、市長の諮問に応じ調査審議するとともに、第6条第1項、第11条第2項及び第16条の審査をするため、市川市市民活動団体支援制度審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、前項に規定する調査審議及び審査のほか、市民活動団体支援制度及び市川市市民活動団体支援基金の運用について、市長に対し、意見を述べることができる。
3 審査会は、非常勤の委員7人で組織する。
4 委員は、次の各号に掲げる者のうちから市長が委嘱するものとし、その人数は、当該各号に定める人数とする。
(1) 学識経験のある者 4人
(2) 市民 3人
5 市長は、前項第2号に規定する市民のうちから委員を委嘱しようとするときは、公募の方法により選定するものとする。
6 委員の任期は、1年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 委員は、再任されることができる。
8 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
9 市は、委員に対し、市川市特別職の職員の給与、旅費及び費用弁償に関する条例(昭和31年条例第26号)の定めるところにより、報酬を支給し、職務を行うための費用を弁償する。
10 審査会の事務は、市民生活部において処理する。
11 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(市川市市民活動団体支援基金の設置)
第21条 市民活動団体の活動の支援及び促進を図るため、市川市市民活動団体支援基金(以下「基金」という。)を設置する。
2 基金として積み立てる額は、次に掲げる額とする。
(1) 第7条第1項本文の規定により支援対象団体を選択した納税者の前年度の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額が当該支援対象団体に係る支援決定事業に要する経費の額の2分の1に相当する額を超えた場合における当該超えた額、同項ただし書の規定により基金に積み立てることを選択した納税者の前年度の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額及び支援金に係る予算の不用額を考慮して市が積み立てる金額その他の市の積立金額
(2) 市民等が基金への積立てを指定した寄附金額及び市長が基金への積立てを適当と認めた寄附金額
(3) 第7項の規定により編入される金額
3 前項の金額は、一般会計歳入歳出予算で定めるところによる。
4 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により保管しなければならない。
5 基金に属する現金は、必要に応じ、最も確実かつ有利な有価証券に代えることができる。
6 基金の運用から生ずる益金は、一般会計歳入歳出予算に計上して第1項に規定する目的を達成するための事業に要する経費に充当する。
7 基金の運用から生ずる益金が前項の経費を超えるときは、当該超過部分の金額は、この基金に編入するものとする。
8 市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる。
9 基金は、第1項に規定する目的を達成するための事業に要する財源に充てる場合に限り、一般会計歳入歳出予算に計上して処分することができる。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。ただし、第3条から第6条まで及び第20条並びに次項の規定は、公布の日から施行する。
(市川市特別職の職員の給与、旅費及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 市川市特別職の職員の給与、旅費及び費用弁償に関する条例の一部を次のように改正する。
別表第2に次のように加える。
市民活動団体支援制度審査会委員 〃 9,600円
理由
市民の納税に対する意欲を高めるとともに、市民活動団体の活動の支援及び促進を図るため、納税者が選択する市民活動団体に対し納税者の個人市民税額の1パーセントに相当する額を合計した額を限度として支援金を交付する市民活動団体支援制度を設ける必要がある。
これが、この条例案を提出する理由である。