行政 : 第二次「白いリボン運動」開始
阪神淡路大震災の翌年から始まった「白いリボン運動」が、震災後10年の節目を迎え、新たな展開をみせている。「祈念、感謝、創生」の象徴として「白いリボン」を胸につけるこの運動を、全国的な募金運動に発展させ、集まった資金をNPOへの支援に活かそうというものだ。震災の月である1月を「白いリボン月間」とし、集中的に募金活動を行う。明日16日と30日には、全国一斉募金活動が行われる。
「白いリボン運動」は、関西学院ヒューマンサービスセンター(震災時の「関西学院救援ボランティア委員会」の後継組織)が呼びかけて震災の翌年にはじまった運動。震災の犠牲者への追悼や支援者への感謝の念をこめ、「白いリボン」を胸につけてお互いの気持ちを確認しようというもの。
全国のNPOやボランティア団体の協力もあって、この運動により、毎年数十万本の白いリボンが配布されてきた。しかし、震災の記憶が薄れる中にあって、単なる意思表示では運動が形骸化するのではないかと、2002年にいったん中止されていた。
この1月より、新たに始まった「第二次白いリボン運動」は、全国で募金運動を展開し、集まった資金を、地域再生やコミュニティの担い手として期待されるNPOへの支援に活用することが特徴。
募金をしてくれた人には、これまで同様、白いリボンを配布、着用してもらう。また、新たな運動展開を機に、500円以上寄付してくれた人には、キャラクターの白いかたつむりがデザインされたピンバッジも用意した。
毎年1月を「白いリボン月間」として、全国で募金活動をする。
すでに、1月6日に第一回目の全国一斉募金活動が行われており、明日16日と30日にも、全国一斉募金活動が展開される。
配分先は、2月に募集し3月に決定する方針。募集案内など詳細は、近日ホームページに掲載する予定という。
初年度は、防災、障害者・高齢者など災害弱者の支援に重点配分していくが、新潟中越地震や台風23号、スマトラ地震などの災害による被災者の救援活動などにも柔軟に対応していく。また、これに限らず、幅広い領域のNPOも支援していく。
配分する際は、募金者への信頼に確実に応える公開性と第三者チェックシステムを構築する。
この運動は、12人の市民団体関係者からなる実行委員会方式で運営されており、本部事務局はNPO法人ブレーンヒューマニティー内に設置されている。賛同者には、神戸、大阪、京都を中心に、全国の約150の団体、個人が名を連ねている。委員長は岡本仁宏関西学院大学法学部教授、同大ヒューマンサービスセンター運営委員。
本部事務局を務めるNPO法人ブレーンヒューマニティーの峯聖さんは、「震災は、NPOの重要性を一気に人々に認識させた出来事でもあった。その後、活動の幅を広げているNPOの支援の仕組みのひとつとして、白いリボン運動が役割を果たせたらと思う。市民の方には、募金に協力することでNPOの活動を知ってもらい、自分たちで支えていこうという意識を持っていただければと考えている」と抱負を語った。
白いリボン運動のホームページは以下。
http://www.brainhumanity.or.jp/whiteribbon/