行政 : 外務省、津波救援NGOに3億2千万
外務省は、12月26日に発生したスマトラ沖大地震およびインド洋津波への対応のひとつとして、被害地域で活動するNPO(NGO)に対して、これまでのところ約3億2千万円の支援実施を決定した。これは、緊急人道支援NPO法人であるジャパン・プラットフォーム(代表:大西健丞)の参加団体(NGO)を通じて行われる。
外務省経済協力局民間援助支援室によれば、緊急人道支援組織ジャパン・プラットフォーム(JPF)傘下の6団体を通じて、合計約3億円規模の緊急人道支援活動の実施を1月12日までに決定した。初動調査分と合わせると、外務省のJPFを通じた支援額は、約3億2千万円となっている。
JPFは、外務省、経済界、NPO(NGO)の三者がパートナーシップを組み、迅速かつ効果的な緊急人道援助を可能とするためのシステムとして、2000年8月に組織され、翌年東京都の認証を得たNPO法人。現在、JPFに参加しているNPO(NGOユニット)は16団体となっている。
今回の地震・津波に関して、支援が決定した団体名称、事業名称、活動概要、活動地域、および外務省からの支援額は、次のようになっている。
【インドネシアでの活動】
- NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)
事業 「スマトラ島北部被災地域における食糧・物資配給ならびに医薬品供給事業」 概要 食糧・物資配給ならびに医薬品供給事業 地域 アチェ・バラット県ムラボ市およびナガン・ラヤ県の町村 支援 約7,600万円
【スリランカでの活動】
- NPO法人 難民を助ける会(AAR)
事業 「スリランカ・ゴール県避難民への生活用品緊急配布事業」 概要 台所用品および食器等の生活用品の配布 地域 ゴール県ハバラドゥーワ地区の32箇所の避難所 支援 約750万円
- NPO法人 日本紛争予防センター(JCCP)
事業 「スリランカ・トリンコマレー県環境整備等事業」 概要 避難用シェルター設置、住宅修理、トイレ修理、衣類、水・食糧、生活用品の配布 地域 トリンコマレー県のサッリ、サムドラガマ、ベッライマンナル、ナッチクダ村(4村) 支援 約4,230万円
- 社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)
事業 「スリランカ・マータラ県及びゴール県における日常生活物資配給事業」 概要 日常生活物資(ベッド・シート、蚊帳、調理セット、石鹸など) 地域 マータラ県ウェリガマ郡、及びゴール県ヒカドゥワ郡 支援 約2,790万円
【インドでの活動】
- NPO法人 アドラ・ジャパン(ADRA Japan)
事業 「伝染病予防教育及び緊急支援物資配布事業」 概要 テント、毛布、水タンク、蚊帳からなる基本生活キットの配布、及び避難所・コミュニティーでの感染症予防教育 地域 インド、アンダマン諸島、南アンダマン島南部 支援 1,440万円
- NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)
事業 「インド洋津波被害緊急支援」 概要 仮設住居の設置 地域 インド・タミルナドゥ州ナガバッティナム管区(マニクガンパング村とササングリ村)、同州カダロア管区(サラングダ・グンドゥパラヴァッディ村、テヴァナムバッティナム村、シンガラソップ村、ソナングッパム村、アッカライコリ村、ソシクッパム村、プドゥクッパム村) 支援 約1億2,600万円
なお、上記に続いて、以下の2つのNPO法人が、近日中に同様の緊急人道支援活動を実施する予定である。
- NPO法人 BHNテレコム支援協議会(BHN)
- NPO法人 ジェン(JEN)
外務省は、これまでにも、平成13年度に5億8千万円、14年度に6億1千万円、15年度に27億円、16年度に10億円を、ジャパン・プラットフォームを通じて、政府資金をNGOに拠出してきている。