行政 : NPOが津波被災者にラジオ
「BHNテレコム支援協議会」(東京)は、昨年12月26日に起きたインド洋大津波(スマトラ沖地震・津波)によって通信手段を失った被災者が、生活情報や肉親の安否情報を得られるようにと、現地に携帯ラジオを送る計画を進めている。
「BHNテレコム支援協議会」は、1992年に通信関連会社の社員やOBによって任意団体として設立され、1999年にNPO法人となった。
電気通信を活用した途上国人道支援、電気通信による難民・大規模災害国際的緊急支援、途上国電気通信関係者の人材育成に取り組んでいる。
「BHN」とは、「Basic Human Needs(ベーシック・ヒューマン・ニーズ)」の略で、衣食住、初等教育、医療衛生、生活基盤分野のことを示す。電気通信網の整備に長い間関わってきた者が、その技術を活かして、世界中で「BHN」の向上を必要としている人々を支援してこうと団体名につけたとのこと。
「BHNテレコム支援協議会」は、これまでにも多くの被災地で情報通信面の支援を行ってきたが、今回の津波でも、災害発生直後にスリランカにスタッフを派遣。臨時の安否連絡用電話サービスを実施しながら各地を巡回して現地調査を行った。この調査によって、家ごと流された被災者が情報収集手段を失っていることを知り、電池で動くラジオが1台あれば、水や食料などの配給、診療のスケジュール、肉親の安否など多くの情報を得ることができ、流言などによるパニックも避けられると考え、ラジオの提供を決めた。
同協議会は、インドネシア、スリランカ、モルディブなどの被災地に20万台の携帯ラジオを送るとして、現在、「BHNインド洋ラジオ募金」を募っている。また、現地では放送局も被害を受けているため、数百万円程度で可能なミニFM局の設置も検討している。2月末にも初回分をスリランカに届ける予定。
BHNテレコム支援協議会のホームページは下記。
http://www.bhn.or.jp/