行政 : 3つの新たな認定法人が誕生
2005年5月31日、国税庁長官の「認定」を受け、3つの新たな認定NPO法人が誕生し、官報に公示された。これらは、「言論エヌピーオー」(東京都中央区)、「ぶどうのいえ」(東京都文京区)と「緑の地球ネットワーク」(大阪府大阪市)。これで、現在の認定NPO法人の数は34法人となった。
「認定NPO法人」とは、NPO法人のうち一定の要件を備えて国税庁長官の「認定」を受けた法人。認定を受ければ、当該法人へ寄附をした個人や、企業などの団体が納める税金が軽減される仕組みで、いわば寄附を促進する税制である。加えて、認定NPO法人の行う収益事業への法人税も軽減される。
今回認定を受けた「言論エヌピーオー(言論NPO)」(代表:工藤泰志)は、インターネットなど様々なメディアを通じて自由で質の高い議論の舞台を形成するほか、政策評価や政策課題の提言を社会一般に広く提供しているNPO法人。
「ぶどうのいえ」(代表:堀内昭)は、難病治療のため、地方から東京へ上京する子どもとその家族を滞在させる施設(11室)を運営しているNPO法人。活動自体は今年10周年を迎え、施設はこの年間5000人に利用されている。
「緑の地球ネットワーク」(代表:立花吉茂)は、国境を越えて地球環境保全の活動をしているNPO法人。砂漠化が進んでいる中国山西省大同市近隣の約4,600haに約1,600万本もの苗木を植えるなどの緑化運動を展開しており、現地でのワーキング・ツアーや講演などのイベント、出版なども行っている。
言論NPO代表の工藤泰志氏は、「独立型のメディアやシンクタンクをNPOで目指そうという私たちの所期のミッションの実現に大きな追い風になった。海外の事例なども研究して、申請の準備や認定までは一年以上もかかったが、その努力が実った思いだ」と語っている。
ぶどうのいえ代表の堀内昭氏は、「認定を受けたことは、社会的な評価を得たと重く感じている。活動意義を深めるためにも寄附の増大をはかり、認定にふさわしい施設の維持発展に努めたい」と、今後の抱負を述べた。
また、緑の地球ネットワークの高見邦雄事務局長は、「この認定を、これから寄附の増大に結び付けていきたい。ただ、認定を受けるにあたっては、準備から決定まで丸一年、申請してから7ヶ月半も時間を要した。認定要件のなかにはややこしい問題も含まれている。今後は認定制度の改善にも取り組んでいきたい」と、認定を受けた抱負とともに、制度の問題点を語った。
これら3つの法人の認定有効期間は、2005年6月1日から2007年5月31日まで。この期間内に、これら3法人に対して寄附をした個人や団体は、所得から寄附金額の一定部分を控除できる。
3つの法人のホームページアドレスは、以下のとおり。
- 言論NPO
http://www.genron-npo.net/index_jp.html - ぶどうのいえ
http://www6.speednet.ne.jp/~truevine/ - 緑の地球ネットワーク
http://homepage3.nifty.com/gentree/
認定NPO法人の一覧は、次の国税庁ホームページから見ることができる。
http://www.nta.go.jp/category/npo/04/01.htm