行政 : 千代田区、ボランティアチケットを開始
夜間人口約4万人に対し、昼間人口は約100万人とも言われるほど、東京都千代田区には企業が林立しているが、こうした企業の社員を地域の活動に結びつける「ちよだボランティアチケット」が今月スタートした。参加企業社員のボランティア活動1時間につき、ボランティアチケットを1枚交付。参加企業は、1枚につき千円を区の社会福祉協議会に寄付する仕組み。
東京都千代田区では、企業とその社員の参画を得て、人とお金の両面で福祉施設やNPO・ボランティア団体を応援する全国初の新しい仕組み「ちよだボランティアチケット」をこの7月1日から開始した。
参加する企業の社員がボランティア活動を行うと、その活動時間数に応じて企業が寄付をする仕組み。社員は、ボランティアを行うと1時間あたり1枚のボランティアチケットを受取り、それを企業に提出。企業は、そのチケット1枚につき千円を千代田区社会福祉協議会に寄付する。同社会福祉協議会では、参加しているNPOやボランティア団体などにその寄付を配分する。
千代田区では、昨年度、ボランティア活動促進のために「地域通貨」導入の検討を行ったが、昼間人口が夜間の20数倍にも及ぶ同区の特色をより生かすため、区内在勤者と企業の存在を生かした「ちよだボランティアチケット」の仕組みを構築することになった。この仕組みを考える際には、社員が寄付した団体に企業も寄付をする欧米で盛んな「マッチングギフト」制度を参考にし、「社員の寄付」を「社員のボランティア活動」に置き換えた。
千代田区によれば、参加企業にとっては、社員のボランティア活動実績を把握することができ、その活動や寄付の実績を株主や消費者向けのCSR(企業の社会的責任)報告書に区が認めたものとして掲載できることがメリットとなるという。
現在の参加企業は、明治安田生命保険相互会社、丸紅株式会社、住友生命保険相互会社、三井住友海上火災保険株式会社の4社だが、千代田区では、今後も参加企業の募集を継続する。
ボランティアは、同区内に事務所を置く23のNPOや市民活動団体、区の施設などが受け入れる。これら23団体のボランティア募集情報は、「ちよだボランティアセンター」のホームページに網羅されている。
千代田区では、本日7月12日(火)の午後6時半から、参加企業の社員を対象に、「ボランティア活動紹介&相談DAY」を開催する。会場は「いきいきプラザ一番町」(千代田区一番町12)の地下一階カスケードホール。
ちよだボランティアチケットや、「ボランティア活動紹介&相談DAY」に関する問い合わせ先は、ちよだボランティアセンター(電話:03-5282-3716)の梅澤さんまで。