行政 : 自民、NPO税制の抜本検討を公約
自由民主党は8月19日、マニフェスト「自民党からの120の約束」(政党公約2005)を発表した。22番目、23番目に、公益法人制度改革とNPO法人に関する公約を盛り込んだ。また、8月20日には、政策解説(参考資料)である「重点施策2006」も発表し、NPO支援策を説明している。
自由民主党が8月19日に発表したマニフェスト「自民党からの120の約束」(政党公約2005)は、次の5つのテーマに分かれている。
テーマ1:
「日本の改革」
改革の流れに勢いを。(1~27の約束)
テーマ2:
「国際競争力・成長分野」
日本の産業に、たくましさと活力を。(28~68の約束)
テーマ3:
「安心・安全」
誰もが不安なく暮らせる日本へ。(69~92の約束)
テーマ4:
「われわれの子どもたち」
子どもたちに、確かな未来を。(93~104の約束)
テーマ5:
「世界の中の日本」
世界に胸を張れる日本へ。(105~120の約束)
このうち、テーマ1の「日本の改革」には、「日本の社会を変える。『新しい日本社会』の担い手を応援します。」という副題のもと、公益法人制度改革とNPO法人に関連する次のような公約が含まれている。
022.公益法人制度改革の促進
民間の寄附文化の育成等を通じ、民間非営利部門の活動を促進するため、公益法人制度を明治以来百年ぶりに抜本的に改革することとし、現行の主務官庁による公益法人の設立認可制度の廃止、新たな非営利法人制度の創設などを内容とする法案を次期通常国会に提出する。
023.NPOなど社会活動・ボランティア組織の育成と支援
福祉、教育、文化、環境、国際協力など、さまざまな分野のNPOの健全な育成のため、制度の改正、税制優遇策の抜本的検討を行う。
また、翌日発表された自由民主党政務調査会の「重点施策2006」の12の重点政策のうち、10項目として、独立した一項目をたて「NPO支援」を打ち出し、次のような説明している。
10.NPO支援
特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)の施行後、この法律に基づき認証されたNPO法人数は2万件を超え、福祉、教育文化、まちづくり、環境、国際協力など様々な分野で、市民による自由な社会貢献活動が広がっています。より活力があり豊かで安心できる社会を築く上で、多様な市民の参加とつながりをもたらすNPO(民間非営利組織)は、新たな社会づくりの担い手として重要な役割が期待されます。
こうしたNPO活動の促進を図るため、市民からの寄付を促す税制上の仕組みである認定NPO法人制度をより多くのNPO法人が活用できるよう、その活動実態を踏まえ認定要件の緩和などを検討しています。また、NPOが市民からの信頼を得て、企業、地縁組織、学校、行政など様々な主体との協働の下で十分に活躍できる環境を整備するため、人材育成や情報提供の充実など様々な支援策を積極的に実施します。
なお、「重点政策2006」では、NPO税制に関して、「6.税制改革」でも、以下のように触れられている。
6.税制改革
(経済社会の変化への柔軟な対応)
寄附金税制については、公益的な活動を行う団体等への寄附を行いやすくする観点から、所得税の寄附金控除の限度額を総所得の25%相当額から30%相当額に引き上げるとともに、特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)の活動を支援するため、認定NPO法人の認定要件の緩和等を行いました。
公益法人に関しては、「重点政策2006」の「3.行政改革」の項目で、以下のように言及されている。
3.行政改革
(1)国・地方を通ずる公務員の改革
[1] 総人件費削減(定員の純減、給与の見直し、公的部門全体の人件費抑制)
- 財政改革の一環として、国・地方を通じて公務員の総人件費を大幅に削減します。
- 事務事業を徹底的に見直し、国家公務員について、これまでの実績(過去5年間で2,535人)を大幅に上回る純減目標を策定します。また、地方公務員についても、過去5年間の実績(4.6%)を大幅に上回る総定員の純減を実現します。
- 民間賃金の改革や地域の賃金の状況を踏まえ国家公務員の給与・退職手当体系を見直します。また、地方公務員の給与・手当等の適正化を強力に推進します。
- 特殊法人、独立行政法人、地方公社、公益法人その他の公的部門の人件費については、原則として、国家公務員・地方公務員の総人件費削減に準じて厳しく削減します。
[3] 再就職の適正化
営利企業への再就職者の行為規制を厳格化するとともに、独立行政法人、公益法人等も含めた再就職全体について、明確なルールに基づき、内閣が責任をもってチェックします。
(3)公益法人制度改革
「民間が担う公共」の重要性を踏まえ、民間の寄附文化の育成等を通じ、民間非営利部門の活動を促進するため、公益法人制度を明治以来100年ぶりに抜本的に改革します。
現行の主務官庁による公益法人の設立許可制度を廃止し、新たな非営利法人制度の創設などを内容とする法案を次期通常国会に提出します。
(4)政府関係法人の合理化、効率化
[3] 行政代行法人等の改革
行政代行法人等については、官民の役割分担、規制改革、国の関与等の透明化・合理化及び財政支出の抑制等の観点から、厳格な見直しを行います。
自民党のマニフェスト「自民党からの120の約束」ならびに「重点施策2006」の全文は、次の自民党のホームページで読むことができる。
http://www.jimin.jp/