行政 : 大阪府、心肺停止から救う講習会
大阪府は、8月20日から、心肺停止状態の患者の救命率を向上させるため、心臓マッサージなどの心肺蘇生法(BLS)と自動体外式除細動器(AED)の使用方法を府民に教える講習会を開始した。この講習会は、昨年7月より、医療従事者以外でもAEDによる救命活動が行えるようになったことを受けて、NPO法人「大阪ライフサポート協会」と協働して開催される。
心臓突然死の多くは病院の外で発生するため、心肺停止状態の患者を救命するためには、医療従事者だけでなく、救急車が到着する前に、周囲の一般市民が迅速に救命処置を行うことが重要とされている。
救命処置のなかでも、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillators=AED)による電気ショックを行うことが効果的だとされている。しかし、日本では、医師法によってAEDを医療従事者以外が使用することが禁止されており、それによって救える命が失われていることが問題となり、平成16年7月から救命の現場においては非医療従事者であっても使用することが可能になった。
非医療従事者のAED使用が可能になったことで、国内では、公共施設だけでなく、スポーツクラブ、学校、遊戯施設、コンビニ、事業所等でAEDを設置するところが増えてきている。愛知万博では、会場内に100台のAEDが用意され、6月2日までに4回使用され救命につなげている。
AEDについては、設置箇所を増やすこととあわせて、AEDを使った救命活動ができる人を増やすことが求められている。そこで、大阪府は、8月20日から、心臓マッサージなどの心肺蘇生法(Basic Life Support=BLS)とAEDの使用方法を府民に教える講習会「救命都市大阪戦略事業 大阪府AED・BLS講習会」を開始した。
この講習会は、NPO法人「大阪ライフサポート協会」と協働して開催される。
NPO法人「大阪ライフサポート協会」は、救命救急医療に携わる医師、看護師からなる任意団体「ACLS大阪」が設立したNPO法人。心肺蘇生法の普及・啓発活動を通じて、心臓突然死患者をはじめとした救急処置を必要とする傷病者の救命率、さらには救命後の生活の質を向上させることを目的としている。「ACLS」とは、「Advanced Cardiovascular Life Support」の略で、アメリカ心臓協会が提唱する一連の救命処置法のこと。
「ACLS大阪」は、これを日本に普及するために、医療従事者を対象にして、勉強会、講習会を開催してきたが、AEDを一般の人が使えるようになったことから、一般の人を対象とした活動をおこなうために、今年、NPO法人「大阪ライフサポート協会」を立ち上げた。
講習会は、8月20日から9月11日まで計8回開催され、400人が参加する予定。さらに、大阪府は10月以降も講習会を開催する計画で、今後は年間1800名の受講をみこんで、「救命都市大阪」の実現をめざしている。
「救命都市大阪戦略事業 大阪府AED・BLS講習会」については、大阪府サイト内、下記を参照のこと。
http://www.pref.osaka.jp/fumin/html/07398.html
NPO法人「大阪ライフサポート協会」のホームページは下記。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-gm/acls_osaka/olsa%20homepage/top/toppage.htm
「ACLS大阪」のホームページは下記。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-gm/acls_osaka/