行政 : 内閣府、NPO税制改正を要望
内閣府は、8月29日、財務省に「平成18年度税制改正要望」を提出した。「認定NPO法人制度の一層の活用増進を図るため、特定非営利活動法人の実態を踏まえ、認定要件の緩和等を要望する」とし、パブリックサポートテスト(PST)の見直し等を図るよう求めている。
国の予算編成の仕組みは、例年、各省庁は、8月末までに、翌年度の予算要望および税制改正要望を財務省に提出し、9月以降12月まで、各省庁と財務省の間で調整し、翌年度の予算や税制改正が決まるというシステムになっている。
今年は、NPO税制に関しては、所管する内閣府の他に、外務省、厚生労働省、経済産業省、環境省の4省が共同要望として、認定NPO法人制度の要件緩和などを求める要望書を、8月29日、財務省に提出した。
(ただし、地方税については、総務省と折衝することになる)
これにより、来年度にむけた認定NPO法人制度の改正へのスタートが切られたことになる。
今年は、「PSTの改正など抜本的改正が期待できる」(与党関係者)と言われており、それだけに、市民サイドからのより強力な働きかけも重要となってきている。
内閣府など5府省が、提出したNPO税制改正の要望は以下の通り。
NPO活動の促進
● 特定非営利活動法人に係る税制上の特例措置(所得税の寄附金控除、法人税の寄附金に係る損金算入の特例等)〔拡充・延長〕
<税目>
(国税)法人税、所得税及び相続税
(地方税)個人住民税、法人住民税法人税割及び法人事業税
概要
特定非営利活動法人の活動を促進する観点から、法人に対し寄附をした者等に税制上の特例措置を与える認定NPO法人制度が設けられているが、平成17年7月末現在で認定NPO法人の数は34法人にとどまっている。認定NPO法人制度の一層の活用増進を図るため、特定非営利活動法人の実態を踏まえ、認定要件の緩和等を要望する。
要望内容
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認定要件の緩和
基準値に係る時限措置(1/3⇒1/5)の延長を含め、パブリックサポートテストの算定式の見直しなど、認定要件の緩和を図る。 -
申請手続きの負担軽減
申請書類の簡素化及び認定の適用期間(現行2年間)の延長など、申請手続きの負担軽減を図る。 -
閲覧情報範囲の見直し
個人情報保護の観点から、20万円以上の寄附者の氏名・住所・寄附金額など閲覧情報の範囲を見直す。 -
その他
所得税の寄附金控除における適用下限額(1万円)の引き下げ、個人住民税における寄附金控除の適用範囲の拡大など、寄附金税制全般の見直しに際し、認定 NPO法人についても必要な措置を講じる。
<内閣府、外務省、厚生労働省、経済産業省、環境省共同要望>