行政 : 障害者芸術賞 寄附不足で休止
1998年から毎年、優れた芸術活動に取り組んでいる障害者を表彰して、その活動支援を行ってきた「エイブル・アート・アワード」が、寄附金不足によって今年は休止となった。主催する「エイブル・アート・ジャパン」では、障害者の作品によるカレンダーを販売し、その収益を同賞再開の資金にするとして、10月13日からネットで注文受付けを開始した。
「エイブル・アート・ジャパン」(嶋本昭三会長)は、「日本障害者芸術文化協会」として1994年に設立され、2000年6月に現在の名称に変更。障害を持つ人たちが表現活動を通じて生きる尊厳を獲得すると同時に、感性あふれる作品を通じて、社会に新しい芸術観や価値観を創ることを目的に活動を展開している。
同団体は、1998年から、障害者の創作活動に対して資金的なバックアップと展覧会の開催支援を行う「エイブル・アート・アワード」を実施してきた。
この賞には、毎年およそ100万円の費用がかかり、「エイブル・アート・ジャパン」ではおもに企業からの寄附金を財源として運営してきたが、今年は寄附が集まらなくなり賞の中止を余儀なくされた。
「エイブル・アート・ジャパン」は同賞の再開を目指して、今年初めてオリジナルカレンダー(2006年)を製作。10月13日から同団体のホームページで販売を開始した。販売収益は来年度の同賞再開の資金に充てられる。
このカレンダーは壁掛けタイプ。見開き1ヶ月ごとに、障害をもつ蔵本裕士氏のユーモラスな絵画作品が掲載されている。
販売価格は、1,050円(税込/送料無料)。個人の一冊の注文から受け付けているが、委託販売も可能。販売条件など詳細は事務局まで問い合わせて欲しいとのこと。
「エイブル・アート・ジャパン」事務局長の太田好泰氏は、「エイブル・アート・アワードは、障害のある人たちの芸術活動を支援するだけでなく、障害者の芸術活動への理解を拡げる場ともなっていた。来年度の再開を目指して、個人の方々からのご寄附やご支援を求めていきたい。その一環としてオリジナルカレンダーを製作した。このカレンダーは、エイブル・アート・ジャパンの主宰する『アトリエ・ポレポレ』に参加する蔵本氏のユーモアたっぷりの魅力的な作品からなるもの。多くの方に購入していただき、その販売代金によって、来年はアワードを再開したい。」と語っている。
オリジナルカレンダーの詳細、購入方法などは、下記の「エイブル・アート・ジャパン」ホームページを参照のこと。
http://www.ableart.org/