行政 : NPOは大切、でも参加はしてない
１０月２９日、内閣府は「ＮＰＯ（民間非営利団体）に関する世論調査」の結果を発表した。調査結果では、ＮＰＯの活動について８割が「大切」と評価する一方で、過去５年間にＮＰＯ活動に「参加したことがある」人は、7.2％にとどまっていることが明らかになった。
今年８月に内閣府が実施した「ＮＰＯ（民間非営利団体）に関する世論調査」の目的は、ＮＰＯ（民間非営利組織）に関する国民の意識を調査して今後の施策の参考とすること。
調査項目は、(1)ＮＰＯに関する周知度と期待、(2)ＮＰＯ活動への参加実態及び意識、(3)ＮＰＯに関する情報提供の実態、(4)ＮＰＯなどに対する寄附、(5)ＮＰＯ法人に対する信頼、(6)ＮＰＯの課題、(7)行政に対する要望、の７つ。
８月１１日から２１日にかけて、、全国の２０歳以上の男女３千人を対象に個別面接聴取を実施した。
有効回収数(率)は、1,863人（62.1％）。
１０月２９日に公表された調査結果では、営利目的でないＮＰＯのような取り組みについて、「大切だ」と回答した人は、「大切である」（33.4％）と「ある程度大切である」（46.2％）を合わせると、79.7％に上った。これに対して、「意味がない」とした人は、「あまり意味がない」（7.8％）と「意味がない」（2.0％）を合わせても、9.8％にとどまった。
しかしながら、過去５年間にＮＰＯ活動に「参加したことがある」と答えた人は7.2％にとどまり、「参加したことがない」人が91.8％にも上った。
参加しなかった理由としては、「きっかけ・機会がない」が最も多く50.5％。次いで「情報がない」（29.6％)、「時間がない」(28.8％)などとなっている（複数回答）。
過去５年間のＮＰＯ活動参加経験者に対して、具体的な活動内容を聞いたところ、「福祉・介護」が37.0％、「まち、むらづくり」（23.7％）、「環境保護・リサイクル」（22.2％）、「文化・芸術・スポーツ振興」（21.5％）の順だった（複数回答）。
調査では、この１年間の寄附についても質問。何らかの寄附をしたことがある人は70.5％に上り、金額は千円未満が45.8％と最も多かった。しかし、寄附先については、ＮＰＯに対する寄附者は4.0％だけだった（複数回答）。
また、ＮＰＯに寄附するとしたら、どのような点を重視して寄附先を選ぶかを聞いたところ、「寄附金の使いみちが明らかであること」をあげた人の割合が63.4％と最も高く、以下、「ＮＰＯの活動の目的や内容に賛同できること」（41.1％）、「活動を行うための業務・運営組織が十分に整っていること」（17.9％）、「社会一般の評価が高いこと」（13.0％）の順になっている（複数回答）。
さらに、昨今、詐欺などの違法行為を行うＮＰＯ法人が問題となっていることから、ＮＰＯ法の悪用事例への対策をたずねたところ、「悪用事例が発生しないように行政が審査・監督を厳しくするべき」と答えた人が61.5％と最も高かった。以下、「悪用事例が発生した時点で行政が速やかに対処すべき」（40.4％）、「ＮＰＯ法人の情報公開を徹底し、市民がＮＰＯ法人を十分にチェックできるようにすべき」（35.2％）、「ＮＰＯ法人の役員に対する責任を重くすることで悪用を抑制すべき」（21.6％）などの順となっている（複数回答）。
内閣府「ＮＰＯ（民間非営利団体）に関する世論調査」の結果は、内閣府サイト内、下記に掲載されている。
http://www8.cao.go.jp/survey/h17/h17-npo/
