行政 : NPO法、今日で7周年
NPO法は、2005年12月1日をもって、施行7周年を迎えた。今年10月末時点で、24001のNPO法人が認証を受けて活動している。すっかり社会に定着してきているが、一方で、見直しの議論も始まろうとしている。
NPO法は、1990年代初頭から立法の必要性が社会的に議論されるようになり、1994年11月には、NPO法の立法を目的として「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会」が設立されている。
1995年1月に起こった阪神・淡路大震災でボランティア活動支援の重要性が高まり、政府や与野党で立法についての検討が始まった。
1996年12月に「市民活動促進法案」として、当時の与党3党(自民、社民、さきがけ)が、議員立法として国会に提出。1998年3月に参議院で、名前を「特定非営利活動促進法案」に変えるなどの修正後、3月19日に成立した。3月25日に公布された。1998年12月1日に施行されている。
NPO法の立法過程では、法人制度だけでなく、税制優遇措置も一緒につくるべきかどうかで、各政党で意見が分かれ、結局、「3年後に見直す」という付則と付帯決議をつけて、成立にこぎつけた経緯がある。
この付則に則り、その後、検討が進められ、2001年10月1日には、税制優遇措置である「認定NPO法人制度」が施行された。また、2003年5月には、それまで12分野だった活動分野を17分野に増やすなどのNPO法の改正も行われている。
内閣府の発表では、2005年10月末時点で、認証を受けているNPO法人の数は、24001法人。累計不認証数が187法人。累計の解散法人数が543法人となっている。2005年度に入ってからの認証法人数の増加は、月平均388法人となっている。2003年度は、平均毎月458法人増加していたが、2004年度は平均毎月427法人の増加となり、増加率はマイナスに転じたが、その傾向は強まっている。
一方、解散法人の数は増えており、今年度に入ってからすでに161法人が解散している。昨年度一年の解散数は、208法人だったので、これを上回るのは確実な情勢だ。
NPO法人による不適正な活動も増加はしていないが、引き続き報告されている。
また、NPO法は、民法の公益法人制度の法文をかなり準用しているが、来年には、その本法である民法の大幅改正が予定されている。
このような情勢から、NPO側、政府側ともに、NPO法の改正に向けて準備を始めている。
シーズでは、外部報告のあり方や会計基準についての検討を進めるとともに、信頼性担保に関するシンポジウム等を開催し、改正の論点の洗い出しを進めている。シーズが世話団体を務める「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」でも、来年度の活動として、NPO法の改正議論を進める見込みだ。
また、内閣府は、国民生活審議会の下に、NPO法の改正を検討する委員会を設けて、12月から検討を本格化する。
7周年を迎え、本格的なNPO法見直し論議が起こりそうな情勢だ。