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2006年01月20日 10:00

行政 : 公益法人改革のパブコメに意見続々

 シーズ=市民活動を支える制度をつくる会の事務局長・松原明は本日、内閣官房の公益法人制度改革推進室に対して、公益法人制度改革に関する意見書を提出した。また、公益法人協会、さわやか福祉財団、山岡義典氏(日本NPOセンター)などから意見書が提出された。

 

 内閣官房行政改革推進事務局の公益法人制度改革推進室は、現在進めている公益法人制度改革に関して、12月26日に新制度の概要を公開。本日1月20日を期限として、概要に関する意見を募集していた。

 (http://www.gyoukaku.go.jp/pub/pub_comment.html)

 シーズ事務局長・松原明は、1月20日に、この概要に対して意見書を提出した。意見書の重要ポイントは、概ね次の6点。

  1. 原案では、行政庁による不要な規制が細部まで書き込まれており、それぞれの法人の自治を阻害するおそれがある。民間活動の自治を重んじ、こうした詳細にまでわたる規制はかけるべきではない。

  2. 法人解散時の残余財産を、構成員に帰属させることができないこととする法人類型を別途設けるべきである。

  3. 公益性の認定を行う有識者委員会は民間人から構成されるものとし、認定は有識者委員会の決定で行われることとし、また、法人の監督についても有識者委員会の意見に基づいて行うことすべきである。

  4. 公益性の認定基準は、規制色が強すぎる。自由な公益活動を促進できる内容とすべきである。

  5. 公益性の認定・不認定にあたっての理由等の透明性を確保し、市民への説明責任を果たす仕組みにすべきである。

  6. 今回公表された「概要」は、明かでない点が多く、税制もセットされていない。法案か要綱の時点で税制の概要を合わせて、再度パブリックコメントを実施すべきである。

 また、公益法人協会やさわやか福祉財団、山岡義典氏(日本NPOセンター)なども意見書を提出した。

 それぞれの意見書は以下のホームページで読むことができる。

 松原が内閣官房に提出した意見書の全文は以下のとおり。(意見書は、内閣官房の求めている項目に沿って書かれている)


「公益法人制度改革(新制度の概要)に関する意見」

松原 明(個人)

シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長

【意見の概要】

I 総論

1 「意見募集」の方法について

 今回の「概要」では、新制度について分からない点が多すぎて、的確な意見が言えない。法案もしくは要綱の段階で、意見募集を再度行うべき。

2 「新制度」の基本的骨格について

 民間の自発的非営利活動や市民社会の自治という考え方がほとんど見られない。制度改正の趣旨を明確にし、再度抜本的にやりなおすべきである。

3 税制について

 税制についても、法案もしくはその要綱程度をセットで公表すべき。法人制度を作ってから、税制を後付けしていく方法は問題がある。

4 「意見募集」の期間について

 大きな制度改正に関する意見募集であるので、意見募集の期間をもっと十分とるべき。今回は短い。また、受けた意見は原則公開すべき。

II 各項目に関する意見

1 一般的な非営利法人制度

1-1 総則的事項

 「一般的な非営利法人」の意味が不明。組合等の非営利法人、社会福祉法人等との関係を明確にすべき。残余財産の構成員への帰属を禁じる類型も設けるべき。

1-2 社団形態の法人

 団体のガバナンスは、定款等による団体自治に原則委ねるべきであり、法律で規制を多く設けることはすべきでない。

1-3 財団形態の法人

 団体のガバナンスは、定款等による団体自治に原則委ねるべきであり、法律で規制を多く設けることはすべきでない

1-4 清算

 一般的な非営利法人の残余財産の帰属先に「国庫」は不要。残余財産を構成員に帰属させることを禁止する類型が必要。

1-5 合併

 社団法人、財団法人以外の他の非営利法人との合併の規定も設けるべき。

1-6 大規模な法人における会計監査人の設置義務

 大規模法人を判断する基準は、負債ではなく、総資産と年間の事業規模の双方から判断すべきである。

1-7 雑則等

 社員による代表訴訟制度の導入は、選択制として、団体の自治に委ねるべき。

2 公益性を有する法人の認定等に関する制度

2-1 総則的事項

 閣議決定に従い、有識者は「民間」によるものとすることを明記すべき。認定権者は、有識者会議の決定に拘束されることを明記すべき。

2-2 認定基準等及び遵守事項

 認定基準は、民間の自由で多様な公益活動を促進するよう、規制色が強い現在の案は全面的に見直すべき。異議申し立ての手続きを定めるべき。

2-3 認定の手続等

 認定申請にあたっては、関係行政機関の長からの意見聴取はすべきでない。また、認定期間は設けるべきではないが、要件確認のための一定の期間は設けるべき。

2-4 行政庁による監督

 行政庁の監督においても、有識者会議に諮ることとすべきである。また、行政庁の監督内容や処分内容について公開すべきである。

2-5 有識者からなる委員会等

 有識者は「民間」によるものとし、有識者の任命は議会の承認が必要とすべきである。また、議事録は記名公開することと定めるべき。

2-6 その他

 ホームページを通じた情報公開を一元的に行う体制を定めるべき。税制上の措置は、寄付税制(地方税含む)を認定とセットにすべき。

2-7 公益的事業

 民間公益活動の多様化を促進する視点から、分野の限定は設けるべきではない。設ける場合は、必ず「その他」を入れるべきである。

3 現行公益法人等の新制度への移行

3-1 現行公益法人の存続

 旧制度の社団法人・財団法人と新制度の法人が並存することになるので、法人名称は、社会に誤解を招かない名称とすべき。

3-4 特例民法法人から公益認定法人への移行

 公益認定法人への移行は、主務官庁を経由しなくてもできることとし、活動実績等は問わない仕組みとすべきである。

3-5 特例民法法人から通常の社団等への移行

 旧主務官庁を経由せずとも申請できるようすべき。申請時に保有していた財産等の帰属先として、NPO法人などの他の公益非営利法人も含めるべきである。

3-6 特例民法法人の合併

 特例民法法人は、その他の公益法人等やNPO法人と合併できる規定を設けるべきである。

3-7 中間法人の新制度への移行

 中間法人のうち、とりわけ無限責任中間法人が不利にならない取扱いを講じるべきである。

3-8 その他

 NPO法に関しては、現在の民法から準用されている部分をそのままNPO法に書き込む改正とすべきである。

4 その他

 一定期間後の見直しを付則に書き込むべき。

【意見(本文)】

I 総論

1 「意見募集」の方法について

 今回発表された「概要」では、新制度について分からない点が多すぎる。とりわけ、公益認定の方法や基準は抽象的で運用次第でどうでもなりそうな内容となっている。法案もしくは要綱の段階で、抽象的な部分には解釈を付記した形で、再度公開して、意見募集を行うべきである。これでは国民の声を聞いたとは言えない。

2 「新制度」の基本的骨格について

 民間の自発的非営利活動や市民社会の自治という考え方がほとんど見られない。新制度の法人に関して、本来団体の内部自治に委ねられるべきである内容が細かに法律で規定されすぎている。これでは、民間の自発的で自由な活動を阻害するおそれが強い。また、非営利法人とはどうあるべきか、財産の分配はどうすべきかについても検討が不足している。制度改正の趣旨を明確にし、制度全体を再度抜本的にやりなおすべきである。

3 税制について

 税制についても、法案もしくはその要綱程度をセットで公表すべきである。制度を利用する側からすれば、税制と法人制度は一体のものである。法人制度を作ってから、税制を後付けしていく方法は問題がある。

4 「意見募集」の期間について

  1. 大きな制度改正に関する意見募集であるので、意見募集の期間をもっと十分とるべきである。今回は短かすぎるし、発表も年末ぎりぎりで国民に周知する時期としては良くない。再度詳細な内容を示して意見募集すべきであるし、その期間は最低1ヶ月程度とるべきである。
  2. 受けた意見は個人情報を除き原則公開すべきである。また、多く寄せられた意見に対しては、政府の一定の見解を示し、説明責任を果たすべきである。

II 各項目に関する意見

1 一般的な非営利法人制度

1-1 総則的事項

  1. 総則的事項として、この法律の目的が明確化される必要がある。目的としては、民間非営利活動の活性化と自由な活動の促進が明記されるべきである。
  2. 「一般的な非営利法人」とされているが、他の特別法の非営利法人との関係が不明確である。現概要を見るに、非営利法人の一般法というより特別法的な内容が強くなっている傾向がある。他の特別法の法人の法文等の解釈にも、影響を与えることから、他の特別法との関係を、提案理由等で明確にしておくべきである。
  3. 社団形態と財団形態に分ける他に、残余財産が構成員等に帰属させることができる法人形態とできない形態の2つに分けるべきである。残余財産が構成員に帰属させることができれば、実質上の利益の分配につながる。そのような形態を禁止する区分を法律上明確に設けることが、寄付者の信頼につながるものである。

1-2 社団形態の法人

  1. 一般的な非営利法人は、準則で登記のみで設立でき、監督する行政庁がない。このことから、法律で細かな監督規定をおくことは、法律と実際の運用との乖離・矛盾を広げる結果になるだけであり、国民を混乱させるだけである。定款による団体自治に基本的に任せ、細かな規定は不要とすべきである。
  2. 社員の経費支払い義務、理事会の権限、理事の報告義務等は、法令で定める必要はないと思われる。これらは団体の自治に委ねることを原則とすべきである。
  3. 社員総会に代わり代議員会をおけるようにすべきである。大規模な法人にあっては、年に一度の社員総会での意志集約は難しい場合がある。この場合、代議員制がそれを補う手法として有効であり、消費生活協同組合等ではそのような手法を取り入れている。本案でも取り入れるべきである。
  4. 理事等の役員の任期の制限は、上限を規制すれば十分であって、一律何年と決める必要はない。
  5. 監事しかおかない法人にあっては、監事が会計監査もできる規定を設ける。
  6. 基金の返還の決定を定時社員総会に限定する理由が不明。臨時社員総会でも、理事会でも定款で可能にすべき。

1-3 財団形態の法人

  1. 一般的な非営利法人は、準則で登記のみで設立でき、監督する行政庁がない。このことから、法律で細かな監督規定をおくことは、法律と実際の運用との乖離・矛盾を広げる結果になり、国民を混乱させるだけである。定款による団体自治に基本的に任せ、細かな規定は不要とすべきである。
  2. 財団法人の設立時の最低財産が300万円であるという規制は不要。300万円では、最低財産としての意味がない。この基準は、もともと有限会社の規定にあったものを、中間法人法が利用したものだが、現在では、その元法となった有限会社法が廃止され、最低資本金が1円でも良いこととなっている。300万円という数字に意味はなくなっている。ただし、財団として、基本基金がいくらあり、それを維持していく義務があるということを明確にするために、永久拘束的な財産を区分する義務、それを維持していく義務、また取り崩す際のルールを設けるべきである。
  3. 理事等の役員の任期、理事等の選任、理事会の設置義務などは、定款による自治に委ねるべきである。
  4. 定款等の変更について、変更規定を定款に置かなければ変更できないとする規定は不要。団体の自治の問題。

1-4 清算

  1. 残余財産の帰属先が定まらない場合は、国庫に帰属させるとの規定は不要。団体の自治の問題。
  2. 残余財産を構成員に分配できない類型を設ける必要がある。今のままでは、実質残余財産を構成員に帰属させることで、利益の分配が可能となり、非営利法人としては問題がある。

1-5 合併

  1. 社会福祉法人やNPO法人など他の非営利法人との合併に関する規定を設けるべき。
  2. 法人の分割の規定も設けるべき。今後ニーズが増加してくることが予想される。

1-6 大規模な法人における会計監査人の設置義務

 大規模法人を判断する基準は、負債ではなく、総資産と年間の事業規模の双方から判断すべきである。

1-7 雑則等

 社員による代表訴訟制度は、法人によって選択的に導入できるようにすべきである。非営利法人の範囲は広く、社員と法人との関係も多様である。組合的で、社員同士が共同事業者であるようなケースから、社員が単なる支援者的存在であるような法人までさまざまなタイプの法人が設立されると考える。社員権が重要な意味を持つ法人にあっては、社員の代表訴訟は重要な意義を持つと考えるが、小規模で社員が寄付者的位置づけにあるような法人にあっては、代表訴訟権はかえって混乱の原因となる。よしんば代表訴訟権を原則設ける場合でも、その制限についても定款に定めがおけるようにすべきである。

2 公益性を有する法人の認定等に関する制度

2-1 総則的事項

  1. 「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的とする事業」(公益的事業)があり、かつ、「公益的事業」に関して、分野列挙があるという形式はNPO法の形式をそのまま踏襲しているように見受けられる。NPO法との整合性をどう考えているのか不明である。明らかにされたい。
  2. 内閣総理大臣等による認定・監督は、行政の恣意的判断を防ぐ意味合いから、有識者委員会の意見に拘束されることとすべきである。

2-2 認定基準等及び遵守事項

  1. 認定においては、実績を要件とせず、新法人設立後ただちに認定申請できるようにすべきである。また、認定の効力(法人税の課税における優遇措置)は、認定された場合、設立時にさかのぼって適用できるようにすべきである。
  2. 「社員等の特定の者に対し特別の利益を与えるような事業を行わないこと」は、社員を対象とした特別な事業や社員に対する特典をつける活動などを制限する可能性があり、このような規定は設けるべきではない。
  3. 「公益的事業として営利事業と競合する性質を有する事業活動等を行わないこと」という要件は問題である。「営利事業と競合する性質を有する事業」は、どこまでの範囲を指すのか。たとえば、介護保険事業や福祉サービス、出版業などを行おうとする公益目的の団体は多いが、その活動を制限することになると問題である。この規定は削除すべきである。営利事業と競合する事業には、営利法人と同等の課税を行えば、公平性(イコールフッティング)は担保できるので、禁止する必要はない。
  4. 「社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さない」との規定と同様の規定がNPO法にあり、運用上問題となっている表現である。「不当な条件」の解釈が行政庁によって分かれてくる結果を生み、行政の恣意的な判断の原因ともなる。NPO法より広い範囲の法人を対象としている本法では、このような規定は不要と考える。
  5. 財務等の要件のうち、「株式等の保有の制限」「内部留保の制限」「資産維持の制限」などは不要である。団体の自治の範囲であり、公益性の確保とは関係がない。行政庁がここまで民間公益事業を父権的に監督していく必要はない。
  6. 区分会計は、法人の全体会計を分かりにくくするので、設けてもいいが、付属書類として設けることとし、原則は、法人一体で会計報告を作成することとすべきである。

2-3 認定の手続等

  1. 認定にあたっては、認定・不認定の理由、有識者の意見、会議の議事録を公開すべきである。また、不認定の場合の異議申し立ての手続きを法文に明記するとともに、その手続きにおいて、有識者会議での聴聞、各委員の意見表明などの機会を不認定を受けた者からの要請により行うこととすべきである。
  2. 認定における審査期間を明確にすべきである。4ヶ月程度が望ましい。また、審査中に、申請書類の一定のものの公開を義務づけるべきである。
  3. 認定に当たっての行政庁による関係行政機関の長からの意見徴収は主務官庁制の復活のように見える。不必要であり、削除すべきである。
  4. 認定には有効期間を設けるべきではないが、一定期間(5年程度)を経過した時点で、認定要件を満たしているかどうかを検査する制度を設けるべきである。5年程度に一度の検査で確認する要件と、毎年の報告・監督で確認する事項を分け、毎年の事務における法人の負担を軽減すべきである。この期間は、4年を下回らないようにすべきである。

2-4 行政庁による監督

  1. 行政庁による監督に関しては、改善命令や認定の取消などの処分においては、有識者会議に諮ることとし、とりわけ、取消においては有識者会議に異議申し立てできる手続きを設けるべきである。また、取消においては、取消を受ける者の申請により公開で聴聞できるようにすべきである。
  2. 行政庁による監督内容や処分内容についても、公表することとすべきである。

2-5 有識者からなる委員会等

  1. 有識者委員会の委員については、民間人(行政OBも除く)であることとし、国会承認を経て選任されるようにすべきである。また、委員の任期の制限を明確にし、長期の委員の固定を防ぐべきである。
  2. 委員会には、認定・不認定や監督に関して、独立した調査権を持たせるべきである。

2-6 その他

  1. 監督行政庁で、公益認定法人の事業報告書等をホームページで公開することとし、また、内閣総理大臣の下で、一元的に閲覧できる制度とすべきである。
  2. 税制上の優遇措置は、関係官庁と調整することなく受けられるようにすべきであり、認定を受ければ寄付税制の優遇対象とすることを明記すべきである。

2-7 公益的事業

  1. 一般法としての性格を有している本法について、分野の限定を設けるべきではない。公益的事業は、行政がつくった分野に合致するものとは限らず、新しい活動の芽を摘むことになりかねない。このような分野が掲げられないと、認定の予見可能性が向上しないような制度となるのであればその方が問題である。
  2. さらに分野限定は、その文言で運用上大きな問題を引き起こす可能性もある。たとえば「国民の健康の保護」とあるが、在日外国人はどうするのか、保護することは公益的でないのかといった問題が生じる。したがって、分野の限定はさけるべきである。
  3. 百歩譲って、分野の列挙を行う場合は、「その他」の項目を設けるべきである。

3 現行公益法人等の新制度への移行

3-1 現行公益法人の存続

 新しい「一般的な非営利法人」の名称がどうなるかがこの概要からは不明だが、移行期間中は旧制度の社団法人・財団法人と新制度の法人が並存することになるわけなので、それぞれの法人名称は、社会に誤解を招かない名称とすべき。

3-4 特例民法法人から公益認定法人への移行

  1. 公益認定法人への移行手続きは、旧主務官庁を経由せず、直接行政庁に申請できるようにすべきである。新規の「一般的な非営利法人」は、直接行政庁に申請できるわけであり、それとのバランスを欠くと同時に、主務官庁制が持っていた行政の恣意的判断による公益性の認定という問題が、経由時に起きないとは限らない。主務官庁による事前選別の道具として使われる危惧がある。
  2. 過去の実績等の審査は不要である。新たな制度による社団または財団と同一の基準でなければ、制度の公平性を欠く。また、新たな制度による社団・財団が、設立後直ちに公益認定を申請できるようにすべきで、そのためには、活動実績は要件とすべきではない。
  3. 特定民法法人のNPO法人や社会福祉法人への移行も認め、手続きの整備をはかるべきである。

3-5 特例民法法人から通常の社団等への移行

  1. 通常の社団等への移行手続きに関しても、旧主務官庁を経由する必要はないと考える。公益認定法人への移行とバランスをとるためにも、直接行政庁に申請できるようにすべきである。
  2. 通常の社団等への移行認可を受けた法人が、移行時に保有している財産の取扱いについては、法人の運営に支障を来さないように規定すべきである。また、その寄付先としては、同種の目的を持つ公益認定法人やNPO法人も含めるべきである。
  3. 通常の社団への移行認定においては、認定の内容、認定時の貸借対照表等、移行時に保有している財産の取扱い方法について、情報公開するとともに、行政庁の監督の内容、監督がなくなった時点での財産処分の結果等についても情報公開する定めを設けるべきである。

3-6 特例民法法人の合併

 特例民法法人は、その他の公益法人等やNPO法人と合併できる規定を設けるべきである。

3-7 中間法人の新制度への移行

  1. 中間法人については、本概要でも扱いが少なすぎて、公益法人と比べてバランスを欠き、不公平である。中間法人はできるだけ簡易な手続きで新制度に移行できるようにすべきである。
  2. 通常の社団形態の法人は、有限責任中間法人に近い形態として作られている。したがって、数は少ないといえ、無限責任中間法人の移行が問題となるが、無限責任中間法人に不利にならないような措置をとるべきである。

3-8 その他

 関連法規の整備において、NPO法の民法準用部分は、現行民法の条文をそのままNPO法に全部書き込む形で改正を行うべきである。議員立法によって作られた法律であり、その時点での立法趣旨がある。それを整合性を持たない新制度からの準用は行うべきではない。また、新法の解釈がNPO法に影響を与えない配慮が必要。

4 その他

 非営利法人制度の大きな改正となるので、施行後一定期間内に見直す規定を付則で明記するべきである。

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