行政 : 大学受験、NPO関連知識は必須
1月21日に行われた大学入試センター試験において、NPOに関連する問題が「現代社会」「倫理」「政治経済」で合計5問出され、今年は「英語」でも1問の出題があった。
1月21日に行われた大学入試センター試験「現代社会」で出された3つのNPO関連問題のひとつは、カンボジアの戦後復興視察旅行に参加した大学生2人の会話文を読んで、NGOの基礎知識を問うもの。「NGOに関する記述として最も適当なものを、次のうちから1つ選べ。」という設問で、次のような4つの選択肢が示された。
- 地雷処理のように、特殊な技術が必要な分野出の協力は、ほとんど政府の専門家が担当しており、NGOの参加は困難である。
- 有力なNGOの中には、国境なき医師団のように、国連総会へ加盟国と同様に直接議案を提出する権利を認められているものもある。
- NGOの中には、国際赤十字のように、国家とは別の立場で各種の条約の作成において中心的な役割を果たしてきたものもある。
- NGOは民間組織であり、その財源は寄付や会費に依拠しており、政府や国際機関から公的な資金を受け取ることは認められていない。
正解は「3」。
「現代社会」では、他にも、高校生とNGOメンバーとの循環型社会に関する会話から企業の社会的責任(CSR)について答える問題と、バブル崩壊後の日本経済に関する設問でGDP・GNPとボランティア活動に関する問題(両指数の増減には関係しないということ)が出されている。
また、「倫理」では、「他者」に関する文章を読み、高齢化の進展と関連の深い事柄について、「NPO(民間非営利組織)」「ノーマライゼーション」「ホームヘルパー」「生涯学習」について正しい説明を選ぶ問題が出され、NPO法に関する知識が求められている。
「政治経済」では、企業の法令遵守(コンプライアンス)と社会的責任についての設問でNPO支援に関する記載があった。
さらに、「英語(筆記)」では、ボランティア国際年に関する問題文が出された。英文でボランティア参加率の都道府県別・活動分野別グラフが示されており、大学受験にもNPOに関連する知識が必須になってきている。
なお、昨年のセンター試験での出題は、「現代社会」で地域通貨に関する問題が1問のみ。一昨年の大学入試センター試験では、「現代社会」でNPOとNGOに関する問題が2問、「倫理」でボランティアに関する問題が1問出題されている。
今年の大学入試センター試験の問題・解答(速報版)は、次のホームページアドレスで見ることができる。
http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/