行政 : NGO、「国際協力省」創設を共同提言
2月15日、国際協力NGOセンターなど、4つのNGOのネットワーク団体が、政府開発援助(ODA)の改革に関する共同提言を発表した。提言では、途上国の要請に一元的に対応する政策立案や援助実施のため、国際協力省(仮称)の設置を求めている。
政府は、昨年11月29日に経済財政諮問会議で決定された「政策金融改革の基本方針」にもとづいて、12月12日に「海外経済協力に関する検討会」(座長:原田明夫)を設置。現在、ODA改革の一環として、国際協力銀行(JBIC)が行っている円借款を国際協力機構(JICA)に統合するなど、援助実施機関の一元化を検討している。
政府のODAの実施体制見直しが進むなか、援助の現場をよく知るNGOや援助の受益者からの意見聴取が不十分なまま、今後の方向性が決まってしまうことを懸念して、国際協力NGOセンター、関西NGO協議会、名古屋NGOセンター、ODA改革ネットワークの4団体は、2月15日に政府開発援助(ODA)の改革に関する共同提言を発表した。この4団体には、合計180のNGO団体が加盟している。
提言書のタイトルは、「JBIC解体・ODA一元化議論に関する国際協力NGOの共同提言」。
提言書には、「現在、13省庁に分散しているODAの内容と予算を整理・統合し、責任所在の明確化・透明性の確保・一貫性の強化を実現し、途上国のニーズ・国際的課題に一元的に応える政策立案および開発援助を実施するために国際協力省の設置が望ましい」と、国際協力省(仮称)の設置が盛り込まれた。
4団体は、2月15日に記者会見を開催。1月20日に行われた、原田明夫「海外経済協力に関する検討会」座長との非公式意見交換の内容や、JBIC解体に対するNGOの賛否、ODA政策に市民が参加するために何が必要か、外交ツールとしてのODAをどのように考えるかといった点について質疑応答が行われた。
4団体は、同日、この共同提言書を、安倍晋三官房長官、原田明夫「海外経済協力に関する検討会」座長に提出。今後も援助の現場のニーズに即したODAのあり方を求めていく予定。
この提言書の詳細は、国際協力NGOセンターのサイト内、下記を参照のこと。
http://www.janic.org/janic/advocacy/odahearing0512.html