行政 : 情報公開度、第1位は鳥取県
3月24日、全国市民オンブズマン連絡会議は、「第10回全国(都道府県・政令市)情報公開ランキング」を発表した。総合ランキング1位は鳥取県、2位が宮城県、3位が岩手県。今回は、今秋本格導入される指定管理者制度に関する項目も加えられた。同連絡会議では、指定管理者の選定先が、私企業であれ公益法人・NPO法人であれ、その選定過程から財務情報などについて、等しく透明性を求めたいとしている。
「全国市民オンブズマン連絡会議」は、1994年に結成。国や地方公共団体等の不正・不当な行為の監視と是正活動に取り組んでいる全国84の市民オンブズ団体が加盟。情報交換や共同研究等を行っている。
同連絡会議では、1996年より、自治体の情報公開制度が使いやすいものか、市民が知りたい情報はどの程度開示されているかをチェックするため、年1回、全国一斉に情報公開請求を行い、「情報公開度ランキング」を発表している。
同連絡会議は、3月24日に「第10回全国(都道府県・政令市)情報公開ランキング」を発表した。
今回の評価対象自治体は47都道府県、14政令市のほか、地域の市民オンブズが任意に情報公開請求した31の市。
公開度の評価対象項目は、首長交際費、指定管理者の選定に関する文書、設計業務委託の入札結果調書、政務調査費、県警の捜査報償費(県費分)、公安委員会の議事録、交際費情報と指定管理者情報の自治体webページ上での公表状況。
このうち、今回からあらたに調査対象となった項目は、指定管理者の選定過程文書、公安委員会の議事録、自治体のwebページでの公表状況。
なかでも指定管理者については、2003年の地方自治法の改正で、公共施設の管理について、従来の管理委託制度に代わって指定管理者制度が創設され、今年の9月から本格導入される。
現在、各地で指定管理者の選定作業が行われており、選定過程の透明性が求められてくることから、指定管理者の財務状況、選定過程や選定理由のわかる資料を公開請求するとともに、これら指定管理者の募集に関する情報が自治体のwebページに記載されているかどうかを評価対象とした。
これらの項目に関して、昨年11月25日、全国市民オンブズマン連絡会議に所属する各地のグループが自治体宛に情報の公開請求を実施し、開示資料に追加調査結果を加味して一次評価を実施。その一次評価に対する自治体の意見を聴取したうえで、最終的な評価を決定した。
今年の総合ランキング1位は鳥取県(昨年3位)。2位が宮城県(昨年1位)、3位が岩手県(昨年1位)と、上位は定着している模様。三県とも県警の情報を除いて、各部門で満遍なく得点をとり上位を占めた。
一方、最下位45位は静岡県(昨年43位)、44位が群馬県(昨年26位)、43位が愛知県(昨年30位)、41位が奈良県(昨年41位)と山梨県(昨年41位)。
また、今回の調査であらたに評価の対象とされた指定管理者制度に関しては、39都道府県と12の政令市については私企業(株式会社、有限会社)を指定管理者に選定した例を対象としたが、宮城、山口、和歌山の三県と横浜市ではNPO法人を対象とし、沖縄県は自治体出資の財団、岩手県は社会福祉法人、鹿児島県は社団法人、栃木県、鳥取県、静岡市は組合などを対象とした評価となった。
これについては、第三セクターやNPOなどは、もともと公共性が強く、ノウハウや財務情報などの内部情報の情報公開にも積極的であることから、私企業の場合と公開度について同一の評価を行うのは不相当ではないか、という意見が多くの自治体から寄せられたとのこと。
これに対して、同連絡会議では、私企業であろうと、指定管理者となる以上は、業務の持つ公益性には差はなく、むしろ自治体としては、指定管理者に対して経営の安定性に関する情報は、住民のためにできるだけ公開するように指導することを求めている。
「第10回全国(都道府県・政令市)情報公開度ランキング」の結果は、下記のNPO法人「情報公開市民センター」サイトで公開されている。
http://www.jkcc.gr.jp/