行政 : 公益法人制度改革法案、参院審議入り
公益法人制度改革関連3法案を含む行政改革関連5法案は、4月20日に衆院本会議で可決され、4月24日に参院で審議入りした。
4月24日に参院で審議入りした「行政改革関連5法案」とは、行政改革の方向性と目標を定めた「行政改革推進法案」、官民が受注を競い合う市場化テストの手続きなどを定めた「公共サービス改革法案」に加えて、公益法人制度改革に関連する「公益法人認定法案」、「公益法人認定法等整備法案」、「一般社団・財団法人法案」からなる。
公益法人制度改革関連3法案の概要は、下記、3月22日付「NPOWEB」のニュースを参照のこと。
https://www.npoweb.jp/news/news_info.php?article_id=2425
「行政改革関連5法案」は、4月3日から衆議院の行政改革に関する特別委員会(伊吹文明委員長)で一括して審議され、4月20日に衆院本会議で可決された後、参議院に送付された。(なお、衆院行政改革特別委員会では、公益法人制度改革関連法案について5項目からなる附帯決議が採択されている。附帯決議の全文は、後掲のとおり。)
参院はそれに先立つ4月19日の本会議で、行政改革推進法案を審議する「行政改革に関する特別委員会」の設置を議決。自民党の尾辻秀久前厚生労働相を委員長に選出した。
4月24日、参院本会議で、小泉純一郎首相と中馬弘毅行革担当相ら関係閣僚が出席して、5法案について趣旨説明と質疑が行われた。本会議に引き続き、参院行政改革特別委員会でも提案理由の説明を実施、参院での審議に入った。
「行政改革関連5法案」は、早ければ5月中旬には成立される見通し。
<附帯決議全文>
行政改革を進める上で、「民間が担う公益」の重要性がますます増大し、その担い手である非営利法人の役割が今後の我が国の社会を活力あるものとするには不可欠であることにかんがみ、政府は、公益法人制度改革関連三法の施行に当たっては、次の諸点について十分配慮し適切な措置を講ずること。
一 本法の立法趣旨や各条項の解釈について、現在、社会の各所で公益活動に従事している公益法人等の関係者を中心に十分周知徹底すること。
一 公益性の認定を行う公益認定等委員会の運営に関しては、その重要性にかんがみ、中立性・独立性に配意するとともに、専門的知見に基づく判断を可能とするよう、その構成等に万全を期すること。また、事務局については、委員会を適切に補佐し、認定の審査及び事後の監督に遺漏なきよう、その体制の整備に努めること。ただし、主務官庁による許可主義を廃止した今回の改正の趣旨にかんがみ、公益性の認定に際してはその影響力の排除に留意すること。
なお、現行の公益法人が新制度下で公益法人に移行するに際して、これまでの活動実績を積極的に評価するなどの配慮を行うこと。
一 本法に定める政令及び府省令の制定に際しては、本委員会における審議及び公益法人等の関係者を含め広く国民からの十分な意見聴取を踏まえ、上記の立法趣旨に適合するよう、適切に定めること。
一 一般社団法人及び一般財団法人に対する法人所得課税のあり方に関して、当該制度に包含される法人の性格の多様性に配慮した適切な税制の導入を検討するとともに、公益社団法人及び公益財団法人に対する法人所得課税及び寄附金にかかる税制に関して、適正な規律の下、民間の担う公益活動の促進及び寄附文化醸成を図る観点から、新たな制度における第三者機関による統一的な公益認定を受けた法人について、適切な税制上の措置を講ずること。
一 この法律の状況に変化が生じたときは、広く国民の意見を聴き、直ちに見直しを行うこと。