行政 : NPO法改正は公益法人改革を踏まえて
昨年12月より、NPO法人制度の見直しを行っている「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討委員会」は、4月5日に5回目の委員会を開いた。今後の予定として、8月ごろに「中間とりまとめ」を策定し、最終報告に向けた方針を出すことが確認されたが、公益法人制度改革の進行状況を踏まえながらの検討となる模様だ。
国民生活審議会は、内閣府のもとに置かれ、「重要事項を調査審議」して「内閣総理大臣又は関係各大臣に意見を述べること」を目的としている。
昨年10月7日、第20次(平17年9月9日~平19年9月8日)国民生活審議会の第1回目会合としての総会が開催され、NPO法の見直しを検討する「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討委員会」が設置された。
この委員会では、昨今のNPO法人制度を濫用した営利目的と見られる活動や詐欺などの違法行為などを背景に、公益法人制度改革における新たな非営利法人制度の枠組みもにらみながら、NPO法人に関する制度の見直しの検討を進めている。
「国民生活審議会総合企画部会NPO法人制度検討委員会」は、これまで、昨年の12月20日、今年にはいってからは2月9日、2月28日、3月20日の計4回開催されてきた。
4月5日には、第5回目の委員会が、「国民生活審議会総合企画部会」との合同会議の形式で開催され、これまでの議論の整理と中間とりまとめに向けた方針が議論された。
これまでの議論のポイントは以下の6点。
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制度の見直しは、市民の自由な社会貢献活動をさらに促進することが目的。
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NPO法人制度と新たな非営利法人制度が並存することを前提に、NPO法人制度をどのように意味づけるかという視点が重要。
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「特定非営利活動促進法」という名称の変更をどう考えるか。
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認証・監督については、所轄庁の裁量や法人の組織運営への関与をできる限り抑制するという法律の趣旨を尊重すべき。
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ガバナンスについては、NPO法人の柔軟な組織運営を確保しつつ、監事機能の強化等を通じて自律性を高めることが必要。
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情報公開については、個人情報に関する一定の配慮は必要としつつ、インターネットの活用等により透明性を高めるべき。
これらのポイントから、NPO法人制度の見直しに関する考え方、NPO法人制度の協調すべき独自性、認証・監督のあり方、NPO法人の自律的で透明性の高い活動運営、NPO法人に対する支援のあり方などが整理されている。
ただし、これらの整理を進めるに際しては、現在、政府が進めている公益法人制度改革を踏まえた議論が必要であるとされ、その進行状況を見据えた上での展開となる模様。具体的には、3月10日に国会に提出された「公益法人制度改革関連法案」における「一般社団法人・公益社団法人」と「NPO法人・認定NPO法人」との相違点などが論点となっている。
今後の予定としては、5月に「公益法人制度改革関連法案の制度設計を踏まえた検討を行い、6月にはNPO法人に対する支援のあり方を議論し、7月には「中間とりまとめ(案)」を策定。8月には「中間とりまとめ」および「最終報告に向けた方針」を委員会として提出する予定。
これまでのNPO法人制度検討委員会における議事の要旨、議事録、配布資料などは、内閣府サイト内、下記を参照のこと。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/shingikai/kikaku/20th/npo/