行政 : 林野庁、企業の森づくり活動促進策
4月19日、林野庁は、NPOとの連携などによる企業の社会的責任(CSR)活動としての森づくり活動について、その促進策を示す報告書「企業の森林整備・保全活動の促進について」(素案)を公開。この素案について5月19日まで意見募集を行っている。
林野庁によれば、近年、企業の社会的責任(CSR)への関心が高まっているなかでCSR活動の分野も多様化しているが、多くの企業にとって、森林整備・保全活動は、文化・芸術、学術・研究等の他の分野と比べると、未だ馴染みが薄い分野であり、本業との関連性、シナジー効果など具体的なイメージがわきにくいとのこと。
他方、国内の森林ボランティア団体は、平成9年の277団体から平成15年の1165団体へと大幅に増えており、活動内容も、植付け、下刈り、間伐等の森林の整備のほか、歩道整備、シカ防護ネット設置、間伐材を利用した炭焼き、森林内の清掃活動、環境教育活動など多岐にわたっている。しかしながら、多くの森林ボランティア団体は、活動資金や活動場所の確保に苦労しているのが実情。
こうした状況を踏まえて、林野庁は企業の森林整備・保全活動の促進のあり方について検討。NPOとの連携などを盛り込んだ促進策を示す報告書「企業の森林整備・保全活動の促進について」(素案)をまとめて、4月19日に公開した。
この報告書では、企業の森づくりの基本的な考え方として、以下の3点が重要だとしている。
- 企業の自主的かつ多様なアプローチで進められること。
- 企業のステークホルダー(利害関係者)から理解を得、加えて地域の活性化に配慮しつつ地域と連携していくこと。
- 森づくり活動が長期的、継続的な活動となることを踏まえ、企業、NPO、森林所有者、地元関係者など関係者の意向やビジョンを反映し、意識の共有を図ること。
また、企業の森づくり活動への参加を促すためには、企業、NPO、森林所有者等を結び、活動場所の確保など、活動に係る様々な手助けをするサポート役が必要だとして、フィルムコミッションのように森づくり活動に熱意のある人や地元を愛する人たちが集まる「森づくりコミッション」を立ち上げることを提案している。
林野庁は、この案について5月19日まで意見募集を行っている。
「企業の森林整備・保全活動の促進について」(素案)に関する意見・情報の募集については、林野庁サイト内、下記を参照のこと。
http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h18-4gatu/0419Public-comment.html