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2006年06月08日 10:00

行政 : 公益法人改革関連法公布、NPO法も改正

 6月2日、公益法人制度改革関連3法が公布された。これにより、もっとも遅くても平成20年12月1日までに新制度が施行されることになった。これにより、NPO法も改正される。この改正で、総会での電磁的表決が明確に可能になる。

 

 6月2日に同日付官報(号外 第125号)で公布された公益法人制度改革関連3法は下記のとおり。

  • 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
  • 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
  • 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

 公益法人制度改革3法の施行については、法文内で、「この法律は、公布の日から起算してニ年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること」とされており、遅くとも平成20年12月1日までに施行されることになった。

 約2万6千ある現行の公益法人については、法律施行後は「特例民法法人」として存続し、施行日から5年以内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行い、新制度への移行する。

 この3法の一つ「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下、整備法)は、関連法としてNPO法の整備も定められている。

 このことから整備法が施行されると、NPO法も改正されることになる。

 NPO法の改正を定めているのは、整備法の第164条と第165条。

 基本的には、NPO法が準用している現行民法の規定をそのままNPO法に書き込む改正となっているが、一カ所、今回の民法改正とは別に新たな改正となっている点がある。

 それは、社員総会における社員の表決権行使の方法として、電磁的方法を可能としている点だ。

 「社員の表決権」について、「社員は、定款で定めるところにより、前項の規定に基づく書面による表決に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものをいう。)により表決をすることができる。」としている。

 これにより、メールでの表決が可能になる。

 内閣府によれば、整備法の施行前であっても、NPO法人が、定款で電磁的方法で表決を行う旨の規定を定めておくことは可能とのこと。ただし、実際に、この定款が機能するのは、整備法が施行されてからになる。そのため、定款で電磁的方法で表決を行う旨の規定を施行前に定める場合は、定款の「附則」で整備法が施行された後にその定めが有効になる旨を記すことが望ましいとしている。

 「電磁的方法」については、電子メールなどが想定されるが、具体的な定義は、新法施行前に「内閣府令」が出されるとのことである。

 整備法の第164条、第165条の全文は以下の通り。


(特定非営利活動促進法の一部改正)

第百六十四条 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)の一部を次のように改正する。

目次中「第十五条」を「第十四条の二」に改める。

第八条を次のように改める。

(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)

第八条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第七十八条の規定は、特定非営利活動法人について準用する。

第十一条第三項第二号を次のように改める。

二 公益社団法人又は公益財団法人

第十四条を次のように改める。

(財産目録の作成及び備置き)

第十四条 特定非営利活動法人は、成立の時に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。

第二章第三節中第十五条の前に次の七条を加える。

(通常社員総会)

第十四条の二理事は、少なくとも毎年一回、通常社員総会を開かなければならない。

(臨時社員総会)

第十四条の三 理事は、必要があると認めるときは、いつでも臨時社員総会を招集することができる。

2 総社員の五分の一以上から社員総会の目的である事項を示して請求があったときは、理事は、臨時社員総会を招集しなければならない。ただし、総社員の五分の一の割合については、定款でこれと異なる割合を定めることができる。

(社員総会の招集)

第十四条の四 社員総会の招集の通知は、その社員総会の日より少なくとも五日前に、その社員総会の目的である事項を示し、定款で定めた方法に従ってしなければならない。

(社員総会の権限)

第十四条の五 特定非営利活動法人の業務は、定款で理事その他の役員に委任したものを除き、すべて社員総会の決議によって行う。

(社員総会の決議事項)

第十四条の六 社員総会においては、第十四条の四の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

(社員の表決権)

第十四条の七 各社員の表決権は、平等とする。

2 社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができる。

3 社員は、定款で定めるところにより、前項の規定に基づく書面による表決に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものをいう。)により表決をすることができる。

4 前三項の規定は、定款に別段の定めがある場合には、適用しない。

(表決権のない場合)

第十四条の八 特定非営利活動法人と特定の社員との関係について議決をする場合には、その社員は、表決権を有しない。

第十六条に次の一項を加える。

2 理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第十七条の見出しを「(業務の執行)」に改め、同条の次に次の三条を加える。

(理事の代理行為の委任)

第十七条の二 理事は、定款又は社員総会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

(仮理事)

第十七条の三 理事が欠けた場合において、業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならない。

(利益相反行為)

第十七条の四 特定非営利活動法人と理事との利益が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。この場合においては、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

第二十六条第二項及び第二十八条第二項中「において準用する民法第五十一条第一項の設立の時」を削る。

第三十条を次のように改める。

第三十条 削除

第三十一条の次に次の十一条を加える。

(解散の決議)

第三十一条の二 特定非営利活動法人は、総社員の四分の三以上の賛成がなければ、解散の決議をすることができない。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

(特定非営利活動法人についての破産手続の開始)

第三十一条の三 特定非営利活動法人がその債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には、裁判所は、理事若しくは債権者の申立てにより又は職権で、破産手続開始の決定をする。

2 前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

(清算中の特定非営利活動法人の能力)

第三十一条の四 解散した特定非営利活動法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

(清算人)

第三十一条の五 特定非営利活動法人が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、定款に別段の定めがあるとき、又は社員総会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。

(裁判所による清算人の選任)

第三十一条の六 前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

(清算人の解任)

第三十一条の七 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

(清算人の届出)

第三十一条の八 清算中に就任した清算人は、その氏名及び住所を所轄庁に届け出なければならない。

(清算人の職務及び権限)

第三十一条の九 清算人の職務は、次のとおりとする。

一 現務の結了

二 債権の取立て及び債務の弁済

三 残余財産の引渡し

2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

(債権の申出の催告等)

第三十一条の十 清算人は、その就任の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。

2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、判明している債権者を除斥することができない。

3 清算人は、判明している債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4 第一項の公告は、官報に掲載してする。

(期間経過後の債権の申出)

第三十一条の十一 前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、特定非営利活動法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

(清算中の特定非営利活動法人についての破産手続の開始)

第三十一条の十二 清算中に特定非営利活動法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。

2 清算人は、清算中の特定非営利活動法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。

3 前項に規定する場合において、清算中の特定非営利活動法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

4 第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。

第三十二条の次に次の七条を加える。

(裁判所による監督)

第三十二条の二 特定非営利活動法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

2 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3 特定非営利活動法人の解散及び清算を監督する裁判所は、所轄庁に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

4 所轄庁は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

(清算結了の届出)

第三十二条の三 清算が結了したときは、清算人は、その旨を所轄庁に届け出なければならない。

(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)

第三十二条の四 特定非営利活動法人の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(不服申立ての制限)

第三十二条の五 清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(裁判所の選任する清算人の報酬)

第三十二条の六 裁判所は、第三十一条の六の規定により清算人を選任した場合には、特定非営利活動法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。

(即時抗告)

第三十二条の七 清算人の解任についての裁判及び前条の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

(検査役の選任)

第三十二条の八 裁判所は、特定非営利活動法人の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

2 前三条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、第三十二条の六中「清算人及び監事」とあるのは、「特定非営利活動法人及び検査役」と読み替えるものとする。

第四十条を次のように改める。

第四十条 削除

第四十四条の三中「において準用する民法第五十一条第一項」を削る。

第四十九条第二号中「において準用する民法第五十一条第一項」を削り、同条第六号から第九号までを次のように改める。

六 第三十一条の三第二項又は第三十一条の十二第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをしなかったとき。

七 第三十一条の十第一項又は第三十一条の十二第一項の規定に違反して、公告をせず、又は不正の公告をしたとき。

八 第三十五条第一項の規定に違反して、書類の作成をせず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

九 第三十五条第二項又は第三十六条第二項の規定に違反したとき。

(特定非営利活動促進法の一部改正に伴う経過措置)

第百六十五条 前条の規定による改正後の特定非営利活動促進法第十一条第三項第二号に規定する公益社団法人又は公益財団法人には、第四十二条第一項に規定する特例社団法人又は特例財団法人を含むものとする。

2 この法律の施行の際現に存する特定非営利活動法人の定款における旧民法第三十四条の規定により設立された法人を残余財産の帰属すべき者とする旨の記載は、公益社団法人又は公益財団法人(特例社団法人又は特例財団法人を含む。)を残余財産の帰属すべき者とする旨の記載とみなす。

 6月2日に同日付官報(号外 第125号)で公布された公益法人制度改革関連3法は下記のとおり。

  • 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
  • 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
  • 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律

 公益法人制度改革3法の施行については、法文内で、「この法律は、公布の日から起算してニ年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること」とされており、遅くとも平成20年12月1日までに施行されることになった。

 約2万6千ある現行の公益法人については、法律施行後は「特例民法法人」として存続し、施行日から5年以内に、一般社団法人、一般財団法人への認可申請、公益社団法人、公益財団法人の認定申請を行い、新制度への移行する。

 この3法の一つ「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下、整備法)は、関連法としてNPO法の整備も定められている。

 このことから整備法が施行されると、NPO法も改正されることになる。

 NPO法の改正を定めているのは、整備法の第164条と第165条。

 基本的には、NPO法が準用している現行民法の規定をそのままNPO法に書き込む改正となっているが、一カ所、今回の民法改正とは別に新たな改正となっている点がある。

 それは、社員総会における社員の表決権行使の方法として、電磁的方法を可能としている点だ。

 「社員の表決権」について、「社員は、定款で定めるところにより、前項の規定に基づく書面による表決に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものをいう。)により表決をすることができる。」としている。

 これにより、メールでの表決が可能になる。

 内閣府によれば、整備法の施行前であっても、NPO法人が、定款で電磁的方法で表決を行う旨の規定を定めておくことは可能とのこと。ただし、実際に、この定款が機能するのは、整備法が施行されてからになる。そのため、定款で電磁的方法で表決を行う旨の規定を施行前に定める場合は、定款の「附則」で整備法が施行された後にその定めが有効になる旨を記すことが望ましいとしている。

 「電磁的方法」については、電子メールなどが想定されるが、具体的な定義は、新法施行前に「内閣府令」が出されるとのことである。

 整備法の第164条、第165条の全文は以下の通り。


(特定非営利活動促進法の一部改正)

第百六十四条 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)の一部を次のように改正する。

目次中「第十五条」を「第十四条の二」に改める。

第八条を次のように改める。

(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)

第八条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第七十八条の規定は、特定非営利活動法人について準用する。

第十一条第三項第二号を次のように改める。

二 公益社団法人又は公益財団法人

第十四条を次のように改める。

(財産目録の作成及び備置き)

第十四条 特定非営利活動法人は、成立の時に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。

第二章第三節中第十五条の前に次の七条を加える。

(通常社員総会)

第十四条の二理事は、少なくとも毎年一回、通常社員総会を開かなければならない。

(臨時社員総会)

第十四条の三 理事は、必要があると認めるときは、いつでも臨時社員総会を招集することができる。

2 総社員の五分の一以上から社員総会の目的である事項を示して請求があったときは、理事は、臨時社員総会を招集しなければならない。ただし、総社員の五分の一の割合については、定款でこれと異なる割合を定めることができる。

(社員総会の招集)

第十四条の四 社員総会の招集の通知は、その社員総会の日より少なくとも五日前に、その社員総会の目的である事項を示し、定款で定めた方法に従ってしなければならない。

(社員総会の権限)

第十四条の五 特定非営利活動法人の業務は、定款で理事その他の役員に委任したものを除き、すべて社員総会の決議によって行う。

(社員総会の決議事項)

第十四条の六 社員総会においては、第十四条の四の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

(社員の表決権)

第十四条の七 各社員の表決権は、平等とする。

2 社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができる。

3 社員は、定款で定めるところにより、前項の規定に基づく書面による表決に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものをいう。)により表決をすることができる。

4 前三項の規定は、定款に別段の定めがある場合には、適用しない。

(表決権のない場合)

第十四条の八 特定非営利活動法人と特定の社員との関係について議決をする場合には、その社員は、表決権を有しない。

第十六条に次の一項を加える。

2 理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第十七条の見出しを「(業務の執行)」に改め、同条の次に次の三条を加える。

(理事の代理行為の委任)

第十七条の二 理事は、定款又は社員総会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

(仮理事)

第十七条の三 理事が欠けた場合において、業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならない。

(利益相反行為)

第十七条の四 特定非営利活動法人と理事との利益が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。この場合においては、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

第二十六条第二項及び第二十八条第二項中「において準用する民法第五十一条第一項の設立の時」を削る。

第三十条を次のように改める。

第三十条 削除

第三十一条の次に次の十一条を加える。

(解散の決議)

第三十一条の二 特定非営利活動法人は、総社員の四分の三以上の賛成がなければ、解散の決議をすることができない。ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

(特定非営利活動法人についての破産手続の開始)

第三十一条の三 特定非営利活動法人がその債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には、裁判所は、理事若しくは債権者の申立てにより又は職権で、破産手続開始の決定をする。

2 前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

(清算中の特定非営利活動法人の能力)

第三十一条の四 解散した特定非営利活動法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

(清算人)

第三十一条の五 特定非営利活動法人が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、定款に別段の定めがあるとき、又は社員総会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。

(裁判所による清算人の選任)

第三十一条の六 前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

(清算人の解任)

第三十一条の七 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

(清算人の届出)

第三十一条の八 清算中に就任した清算人は、その氏名及び住所を所轄庁に届け出なければならない。

(清算人の職務及び権限)

第三十一条の九 清算人の職務は、次のとおりとする。

一 現務の結了

二 債権の取立て及び債務の弁済

三 残余財産の引渡し

2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

(債権の申出の催告等)

第三十一条の十 清算人は、その就任の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。

2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、判明している債権者を除斥することができない。

3 清算人は、判明している債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4 第一項の公告は、官報に掲載してする。

(期間経過後の債権の申出)

第三十一条の十一 前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、特定非営利活動法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

(清算中の特定非営利活動法人についての破産手続の開始)

第三十一条の十二 清算中に特定非営利活動法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。

2 清算人は、清算中の特定非営利活動法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。

3 前項に規定する場合において、清算中の特定非営利活動法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

4 第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。

第三十二条の次に次の七条を加える。

(裁判所による監督)

第三十二条の二 特定非営利活動法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。

2 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3 特定非営利活動法人の解散及び清算を監督する裁判所は、所轄庁に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

4 所轄庁は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

(清算結了の届出)

第三十二条の三 清算が結了したときは、清算人は、その旨を所轄庁に届け出なければならない。

(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)

第三十二条の四 特定非営利活動法人の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(不服申立ての制限)

第三十二条の五 清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(裁判所の選任する清算人の報酬)

第三十二条の六 裁判所は、第三十一条の六の規定により清算人を選任した場合には、特定非営利活動法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。

(即時抗告)

第三十二条の七 清算人の解任についての裁判及び前条の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

(検査役の選任)

第三十二条の八 裁判所は、特定非営利活動法人の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

2 前三条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、第三十二条の六中「清算人及び監事」とあるのは、「特定非営利活動法人及び検査役」と読み替えるものとする。

第四十条を次のように改める。

第四十条 削除

第四十四条の三中「において準用する民法第五十一条第一項」を削る。

第四十九条第二号中「において準用する民法第五十一条第一項」を削り、同条第六号から第九号までを次のように改める。

六 第三十一条の三第二項又は第三十一条の十二第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをしなかったとき。

七 第三十一条の十第一項又は第三十一条の十二第一項の規定に違反して、公告をせず、又は不正の公告をしたとき。

八 第三十五条第一項の規定に違反して、書類の作成をせず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

九 第三十五条第二項又は第三十六条第二項の規定に違反したとき。

(特定非営利活動促進法の一部改正に伴う経過措置)

第百六十五条 前条の規定による改正後の特定非営利活動促進法第十一条第三項第二号に規定する公益社団法人又は公益財団法人には、第四十二条第一項に規定する特例社団法人又は特例財団法人を含むものとする。

2 この法律の施行の際現に存する特定非営利活動法人の定款における旧民法第三十四条の規定により設立された法人を残余財産の帰属すべき者とする旨の記載は、公益社団法人又は公益財団法人(特例社団法人又は特例財団法人を含む。)を残余財産の帰属すべき者とする旨の記載とみなす。

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