行政 : 新たに2つの認定法人が誕生
NPO法人メイあさかセンター(埼玉県)とNPO法人文字文化研究所(京都府)が、国税庁長官の「認定」を受け、5月31日に官報に公示された。これで、認定NPO法人の数は42法人になった。同時に、すでに認定を受けていたNPO法人霧多布湿原トラスト(北海道)も、2度目の認定を受け公示された。
「認定NPO法人」とは、NPO法人のうち一定の要件を備えて国税庁長官の「認定」を受けた法人。認定を受ければ、当該法人へ寄附をした個人や、企業などの団体が納める税金が軽減される仕組みで、いわば寄附を促進する税制。加えて、認定NPO法人の行う収益事業への法人税も軽減される。
今回新たに認定を受けた「メイあさかセンター」(尾池富美子代表理事)は、昭和62年から、埼玉県朝霞市の小・中学校を中心に、マレーシアの小・中学校と、絵画を通じての国際理解教育による交流・協力を続けている。加えて、高齢者、高齢痴呆症、身体障害の人たちや介護者などとともに療育音楽を取り入れた交流や学習を行っている。平成13年にNPO法人となっている。
「文字文化研究所」(上平貢代表)は、文字の研究を学際的、総合的に推進し、昭和62年から、漢字文化の推進のための教材制作と講師養成、文字ならびに文字文化に関する資料の収集と整理保存及び調査研究を行っている団体。平成14年にNPO法人化した。
「メイあさかセンター」と「文字文化研究所」の認定有効期間は、平成18年6月1日から平成20年5月31日まで。この期間内に、同法人に対して寄附をした個人や団体は、所得から寄附金額の一定部分を控除できる。
また、すでに認定を受けていたNPO法人霧多布湿原トラストも2度目の認定を受け、同法人の認定期間は平成20年5月31日までとなった。
今回公示された認定NPO法人のそれぞれのホームページアドレスは次のとおり。
- 「メイあさかセンター」
http://www.mayasaka.net/ - 「文字文化研究所」
http://www.mojiken.com/ - 「霧多布湿原トラスト」
http://www1.ocn.ne.jp/~wetlands/
認定NPO法人の一覧は、次の国税庁ホームページから見ることができる。
http://www.nta.go.jp/category/npo/04/01.htm
なお、「メイあさかセンター」の尾池富美子代表理事から、認定にあたって、シーズに次のようなメッセージが寄せられた。
任意団体の時からカンパを多く頂いて活動してきました。NPO法人格取得の際、個人会員年会費をこれまでの八分の一にしました。裾野を広げて賛同者を増やすためでした。暫定法律に基づいて試算すると、さまざまなことをクリアしていることが解りました。
申請は12月27日でした。年明けから3月末ぐらいまで、多岐にわたる活動の伝票、帳簿、レート換算など詳細なヒアリング調査を受け、関東甲信越局の手を離れてから2ヶ月で5月21日付けにて告示されました。高齢者支援、海外協力など多様なため多方面からの審査でした。
これを機会に法人としての事務内容の明解さを追求しながら確実な活動をと期してます。
また、「文字文化研究所」の宇佐美公有専務理事からは、認定にあたって次のようなメッセージが寄せられた。
「特定非営利活動法人(NPO) 文字文化研究所」では、昨年九月に申請いたしておりました認定NPO(認定特定非営利活動法人)について、この度、京都府認証のNPO法人として、京都府内でははじめて、国税庁長官から寄付金控除等の税制上の特例措置を受けられる認定NPOの認定について、厳しい要件を経て認定を受けることが出来ました。
この度の認定は、今迄の「文字文化研究所」の文化活動が、社会における公共性と貢献度を高く評価されたことを真摯に受け止め、認定NPOとして期待を裏切らないようより一層公共性を高め社会に貢献いたす決意です。
当法人は、昭和62年6月に任意の文化団体として京都市左京区に設立し、名称を「文字文化研究所」と命名し、初代所長に中田勇次郎氏を迎えて発足し、様々な展覧会や講演会・図録の発行などの文化活動を展開してまいりました。そして、平成2年1月中京区の現在地に事務所を開設し、会員制を取り入れ、引き続き中田勇次郎氏が所長・理事長に就任し新体制で運営を始め、月1~2回の定例研究会の開催や学術訪中団を毎年派遣し交流。
平成9年に白川静氏が二代目所長・理事長に就任され、平成11年3月白川静「文字講話」と名づけて20回シリーズで、京都商工会議所を皮切りに京都国立国際会館に舞台を移して開催し全国から多くの方が聴講された。
平成14年2月15日京都府認証の特定非営利活動法人(NPO)を認証され、3月1日付正式に発足。
平成14年8月に「親子で楽しく学ぶ漢字」「漢字の成り立ちを正しく学びあう」講座を京都市より開始。東京・大阪・福岡・金澤などで開催。この漢字普及活動は、単に字形の構造や知識を学ぶのではなく、漢字の源流に遡り古代人の営みや精神文化を学び、そして漢字文化を通じて、「自然と共生する豊かで優しい心を宿す青少年の育成と社会の復活」のスローガンを文化都市京都から発信しています。
現在、京都市教育委員会と合同事業として、親子同伴で楽しく漢字にふれ・知らず知らずのうちに覚える!「エッ漢字って不思議」講習会や、福井県教育委員会においても成人対象・幼児、小学生対象・教職員対象の講習会も開催。6月24・25日京都市都メッセにおいて漢字に関する様々な行事を、そして8月10日~30日まで新潟県文化振興財団と漢字文化の世界展を開催予定など、各地にて講演会を要請され対応に追われています。
しかしNPO法人は、会費と寄付金などの収入で運営をしていかねばなりません。
当法人では、認定法人の認定を機に、各方面の行政・経済界・篤志家や一般の皆様方の温かいご理解と熱烈なご支援を仰いで、各事業や積年の懸案である漢字文化を中心としたシンポジュウムを、平成19年10月頃に中国北京市にての開催計画などを実現をいたしたく、当法人の主旨にご賛同いただきご協力の程お願い申し上げる次第です。