English Page

ニュース

2006年06月12日 10:00

行政 : 5割のNPO、社員の住所公開はNO!

 5月31日、内閣府国民生活局は「平成17年度市民活動団体基本調査報告書」を公表した。情報公開については、約5割の法人が「社員の住所を非公開とすべき」と答えている。また、公益法人制度改革については、約5割の法人が「関心がある」と答え、そのうちの約6割が、「今後、新制度に移行するかどうか検討する予定がある」と答えている。

 

 内閣府国民生活局は、NPO法人やボランティア団体など、市民活動団体全般を対象とした「基本調査」を、平成12年度と16年度の2回行っている。これまでの調査は、市民活動団体の実態を把握し、その活動促進に資する環境整備を進める上での基礎資料とすることを目的に実施。活動内容、組織運営、財政規模、NPO法人格取得意向の有無などを主な調査項目としてきた。

 5月31日に報告書が公表された平成17年度の調査では、調査の対象をNPO法人に限定。

 対象をNPO法人のみとしたのは、昨年10月より内閣府の国民生活審議会でNPO法の見直しが検討されているなかで、社員総会及び理事会の機能、情報公開などNPO法人の「制度」面での実態や意識を把握することを調査目的としたため。加えて、公益法人制度改革が進むなかで、それに対するNPO法人の意識も調査項目に含めた。

 平成17年度の調査は、今年の2月22日から3月28日に実施。内閣府は、平成17年3月までに設立認証された3,000のNPO法人に対して、アンケート用紙を送付して調査を行った。回答数は1,010法人。(回答率33.7%)

 「平成17年度市民活動団体基本調査報告書」によれば、「社員総会が十分に機能している」と答えた法人が68%。「理事会が十分に機能している」と答えた法人は75%。また、「組織運営において社員総会の議決に比べ、理事の判断に多くを委ねている」法人が48%。社員総会の議決事項は、複数回答で、「事業報告書や財務諸表の承認」(89%)、「事業運営の方針」(84%)、「役員の選任」(81%)の順となっている。

 情報公開については、「情報公開が重要」と考えている法人が77%。そのうちの半分の団体が、「市民からの支援を拡大する手段として重要」、「市民が活動内容をチェックする機会として重要」と答えている(複数回答)。その一方で、情報公開は「法律で義務付けられているのでやむを得ない」と答えた法人が24%あった。

 さらに、情報公開の内容に関しては、「社員の住所、役員の住所や報酬を受けた期間を公表することについて」質問している。結果では、「役員のみ公開し、社員は非公開にすべき」が26%、「役員及び社員とも非公開とすべき」が22%。この二つを合わせると約5割の法人が「社員の住所を非公開とすべき」と答えたことになり、「現行どおり公開して問題ない」と答えた法人(38%)を上回った。

 会計については、現金主義を採用している法人が61%。帳簿の記載については、「その都度」が60%。「定期的に」が31%。監事については、税理士や公認会計士などの専門家が監事となっている法人は全体の21%にとどまっている。

 障害に感じた認証基準については、61%の法人が、「特に無い」と回答したが、複数回答で、「10人以上の社員を有すること」(13%)、「その他事業の収益を全て特定非営利活動に係る事業のために使用すること」(6%)、「報酬を受ける役員の数が役員総数の3分の1以下であること」(6%)、といった点に障害を感じたとの答えもあった。

 公益法人制度改革に関する質問では、「公益法人制度改革に関心がある」と答えた法人が48%。「関心がある」と答えたうちの61%が「新制度が具体化した段階で、新制度に移行するかどうか検討する予定である。」と答えている。以下、「わからない」(15.9%)「移行することは考えていない」(14.6%)、「移行する方向で検討している」(6.4%)と続いている。

 NPO法人の課題については、運営上の課題では、複数回答で、「活動資金が不足」と答えた法人が71%でトップ。以下、「スタッフが不足」(52%)、「情報発信が不十分」(30%)、「行政に理解されない」(23%)。

 重要と考える行政の施策としては、複数回答で最も多かったのが「活動資金の助成」(72%)、次いで「協働事業の推進」(45%)、「悪質な法人の排除」(44%)、「活動場所の提供」(42%)となった。

 「平成17年度市民活動団体基本調査報告書」は、内閣府国民生活局の「NPOホームページ」内、下記に掲載されている。

 http://www.npo-homepage.go.jp/report/h17kihonchousa.html

ページ上部へ戻る

MAILMAGAZINE

NPOに関する政策・制度の最新情報、セミナー・イベント情報など月数回配信しています。 NPO法人セイエンのメールマガジン登録ご希望の方はこちらから

contact

特定非営利活動法人
セイエン/シーズ・市民活動を支える制度をつくる会(清算手続中)

〒108-0014
東京都港区芝四丁目7番1号 西山ビル4階
※2021年4月1日より、新住所へ移転しました。シェアオフィスでスタッフは常駐していません。ご連絡は電話・メール等でお願いいたします。2022年4月よりFAX番号が変更になりました。

TEL:03-5439-4021
FAX:03-4243-3083
E-mail:npoweb@abelia.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www.npoweb.jp/

事務所地図・交通アクセス

  • 東京都「認定NPO法人取得サポート」
  • NPO法改正&新寄付税率
  • 震災支援情報
  • 認定NPO法人になるための運営指南