行政 : 新たに4つの認定NPO法人が誕生
NPO法人スペシャルオリンピックス日本(熊本県)、NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会(東京都)、NPO法人平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会(愛知県)、NPO法人ミャンマー総合研究所(東京都)の4つのNPO法人が、国税庁長官の認定を受け、6月30日に官報に公示された。これで、認定NPO法人の数は46法人になった。同時に、すでに認定を受けていた3つのNPO法人が三度目の認定を受けた。
「認定NPO法人」とは、NPO法人のうち一定の要件を備えて国税庁長官の「認定」を受けた法人。認定を受ければ、当該法人へ寄附をした個人や、企業などの団体が納める税金が軽減される仕組みで、いわば寄附を促進する税制。加えて、認定NPO法人の行う収益事業への法人税も軽減される。
今回あらたに認定を受けたのは、次の4法人。
- NPO法人スペシャルオリンピックス日本(熊本県)
- NPO法世界の子どもにワクチンを日本委員会(東京都)
- NPO法人平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会(愛知県)
- NPO法人ミャンマー総合研究所(東京都)
「スペシャルオリンピックス日本」は、知的発達障害のある人たちに日常的なスポーツトレーニングと、その成果の発表の場である競技会を年間を通じて提供し、社会参加を応援する国際的なスポーツ組織。
「世界の子どもにワクチンを日本委員会」は、予防可能な感染症で命をおとす子ども達が数多くいる発展途上国に予防接種ワクチンを届ける活動を行っている。
「平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会」は、愛知県に戦争資料館をつくるために活動している。
「ミャンマー総合研究所」(MEMI)は、ミャンマーとの交流を希望し、ミャンマーへの投資を検討している日本の企業および個人に対するミャンマー情報の提供、ミャンマーの企業、団体および国民に対する支援協力に関する事業を行っている団体。
これら4法人の認定有効期間は、平成18年7月1日から平成20年6月30日まで。この期間内これらの法人に対して寄附をした個人や団体は、所得から寄附金額の一定部分を控除できる。
今回あらたに認定を受けたNPO法人のそれぞれのホームページアドレスは次のとおり。
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NPO法人スペシャルオリンピックス日本(熊本県)
http://www.specialolympics-nippon.gr.jp/ -
NPO法世界の子どもにワクチンを日本委員会(東京都)
http://www.jcv-jp.org/ -
NPO法人平和のための戦争メモリアルセンター設立準備会(愛知県)
http://www.memorial-aichi.jp/ -
NPO法人ミャンマー総合研究所(東京都)
http://www.memi.gr.jp/
また、6月30日には、すでに認定を受けている、NPO法人国境なき医師団日本、NPO法人三曲合奏研究グループ、NPO法人二十一世紀協会が三度目の認定を受けて公示された。
認定NPO法人の一覧は、次の国税庁ホームページから見ることができる。
http://www.nta.go.jp/category/npo/04/01.htm
なお、「スペシャルオリンピックス日本」、「世界の子どもにワクチンを日本委員会」、「ミャンマー総合研究所」からは、認定にあたって、シーズに次のようなメッセージが寄せられた。
■「スペシャルオリンピックス日本」
「昨年12月に熊本国税局を通じて申請をし、7月1日付けでようやく認定NPOの認証をいただくことができました。
スペシャルオリンピックス日本は、知的発達障害のある人たちに日常的なスポーツトレーニングと競技会を提供しながら、社会参加を応援するスポーツ組織です。
現在、スペシャルオリンピックスの活動は、多くの市民ボランティアに支えられながら、全国45の都道府県で展開していますが、活動をさらに活発化していく上で、今回の認定NPOの取得により、組織としても次の発展の契機につなげていきたいと思います。
しかし、認定を得るまでには、国税局による度重なるヒアリングや資料提出などかなりエネルギーを費やしました。認定NPOがまだまだ少ない背景には、もちろん認定条件の厳しさもありますが、認定申請に対応する内部体制作りの難しさも、その原因なのだとしみじみ思いました。ぎりぎりのスタッフで運営することが多いNPOにとって、国税局との対応で費やす時間、労力を捻出することの難しさを事務局として痛感した半年でもありました。
ともあれ、ようやく取得した認定NPOの資格とバリューを有効に活用し、さらにスペシャルオリンピックス活動を充実させていきたいと思います。」
■「世界の子どもにワクチンを日本委員会」
「私たちが認定NPO法人取得を目指して最初に東京国税局に相談に行ったのは2004年1月でした。それから2年半準備に取り組み、ようやく2006年7月1日からの認定となりました。
その間、税制改革の動きもありましたが、超えなければならない障害がいくつもありました。
最初は、事業活動に関する要件で、事業費7割を超えていないという問題、(年度末の高額寄付を繰り越してしまったためですが、これは後に「2事業年度の平均で7割以上」に改正されました)次に、ダイヤルQ2による募金ダイヤルの収入が消費税課税対象になるという指摘を受け、国税局へ質問状を提出し審理課で審理された結果、納税の義務が発生しました。そしてテレカや切手などの現金以外のご寄付の換金が事業収入となり課税される、という問題など、ひとつひとつ税理士やシーズのみなさんと相談しながら、なんとかクリアして今回の認定に至りました。
認定NPO法人の取得はゴールではなく、目的を達成するための有効なツールでしかありません。これからスタッフ一同気持ちを新たに活動に取り組んで参ります。」
■「ミャンマー総合研究所」(MEMI)
「この度、国税庁長官から認定NPO法人としての認定を受けたのを機に、MEMIの社会的存在価値が高まり、また、寄付をされた方は所得から寄付金控除という税制上の優遇措置が受けられることになり、寄付という形で、MEMI事業への賛同者が増加することを期待しています。
これからは、ミャンマーに関する情報提供、ミャンマーとの交流、支援協力活動などを通じて、認定NPO法人としての社会的使命を果たすため、事業活動のさらなる活発化に向けて引き続き頑張ってまいりたいと思っています。」