行政 : NPOへの委託、企業とは異なる枠組みで
6月23日、総務省の「地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会」は、これまでの議論をもとに、「中間論点整理」をまとめて公表した。「新しい公共空間」の形成に向けて、地方公共団体においては、企業とは異なる枠組みを整備した上で、NPO等の地域団体へ積極的に民間委託を行うことが必要だ、と提言している。
総務省の「地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会」(座長:菅野和夫明治大学法科大学院教授)は、平成17年6月に発足した。
高度化・多様化する行政ニーズに、厳しい財政状況下にあっても適切に対応していくためには、NPOや企業など地域の多様な主体との協働を推進していくことが必要であるとし、その際に課題となる、委託先の選定手法、委託契約のあり方、行政責任の担保措置などについて議論を重ねている。
6月23日、同研究会は、これまでの議論をもとに、中間論点整理をまとめて公表した。
論点は下記の6項目。
- 民間委託等に関する基本的考え方
- 民間委託先等の選定方法のあり方
- 民間委託先等との契約のあり方(契約・協定の締結)
- 公務員及び外郭団体職員の処遇のあり方
- モニタリングのあり方
- 地域団体等による行政サービス提供の推進のあり方
このうち、「6.地域団体等による行政サービス提供の推進のあり方」において、地域協働を担う住民ボランティアや地域団体(自治会、こども会等)、NPO等への委託にあたっては、協働推進のために、営利企業への民間委託とは異なる枠組みの整備が必要だとしている。
具体的には、契約内容を担いうる団体であることを確認する仕組みとしての事前登録制度、支援の仕組みとして基金の創設や受託者向けの講習会の実施、などが考えられるとしている。
また、NPO等を対象に委託する場合、地域の発意による提案を活用することや住民参加を重視する案件では、入札や契約において市場原理・契約統制との整合性を如何に図るべきか、さらに検討すべきだとしている。
さらに、営利企業に業務委託する際に課する入札保証金や契約保証金は、NPO等にとっては負担が大きすぎることから、免除することも検討すべきだとしている。
「地方公共団体における民間委託の推進等に関する研究会」の中間論点整理は、下記に掲載されている。
http://www.soumu.go.jp/iken/
http://www.soumu.go.jp/iken/kenkyu/060623.html