行政 : 「公共サービス改革法」意見募集
現在、政府は、先の国会で成立した「公共サービス改革法」にもとづいて、官民競争入札の対象とすべき業務等についての意見募集と、公共サービスに関する情報開示の要望を受け付けている。受け付け期間は7月11日から8月10日まで。寄せられた意見は、官民競争入札・民間競争入札の対象業務などを定める「公共サービス改革基本方針」に反映される。
「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(以下、公共サービス改革法)は、7月7日に施行された。
この法律は、「簡素で効率的な政府」の実現にむけて、国や地方公共団体が実施する公共サービスを見直し、民間の創意工夫が期待される業務については官民競争入札、あるいは民間競争入札を行い、それによって、公共サービスの質の維持・向上及び経費の削減を図ることを目的としている。
公共サービス改革法では、政府が、毎年、官民競争入札・民間競争入札の対象業務などを盛り込んだ、「公共サービス改革基本方針」(以下、「基本方針」)を策定することが定められている。加えて、政府は、この「基本方針」の策定に際しては、民間事業者や地方公共団体から、官民競争入札の対象とすべき業務等に関して意見を聴取しなければならないとされている。
これを踏まえ、内閣府の公共サービス改革推進室は、7月11日から8月10日を、「集中受付月間」として、民間事業者が担う業務の範囲などについての意見募集を行っている。また、あわせて、この意見要望を出す上で参考となる、国の行政機関等が実施している公共サービスに関する情報の開示要請も受付けている。
なお、7月7日に施行された公共サービス改革法には、「官民競争入札等により落札した民間事業者が実施する公共サービスについては、『法令の特例』を適用すること」とされ、以下の3つの特例が同法律中に規定されている。
-
職業安定法の特例
民間事業者による職業紹介事業の取扱い範囲を制限する職業安定法の規定を適用しないこととすること。 -
国民年金法等の特例
国民年金保険料の納付請求業務については、弁護士以外の者であっても実施できるよう措置するとともに、実施に当たっての行為規制等を適用すること。 -
戸籍法等の特例
戸籍法等に基づく戸籍謄本等の交付の請求の受付及びその引渡し等の業務を民間事業者も行えるように措置すること。
これらの特例によって、ハローワーク関連業務、社会保険庁関連業務、地方公共団体の窓口業務などについては、今年度中の本格導入が予定されている。また、政府は、これら以外の分野でも、今後、「法令の特例」を追加していくことで、民間の参入を促していきたいとしている。
寄せられた意見、情報開示の要望などは、内閣府の公共サービス改革推進室のホームページで公表し、「基本方針」に反映させるとのこと。
なお、これらの一連の手続きについては、内閣府内に7月7日に設置された第三者機関「官民競争入札監理委員会」(委員長:落合誠一東大教授)でチェックされていくとのこと。
「公共サービス改革法」意見募集については、内閣府サイト内、下記を参照のこと。
http://www5.cao.go.jp/koukyo/iken/060711/iken.html